巨大ミルフィーユ!?愛媛「遊子水荷浦の段畑」と絶景カフェ

巨大ミルフィーユ!?愛媛「遊子水荷浦の段畑」と絶景カフェ

更新日:2020/04/07 15:35

林 ぶんこのプロフィール写真 林 ぶんこ 四国の山道探検家、0850ライダー
宇和海をバックに、山の斜面の段々畑がミルフィーユのように連なって空へと続く風景が印象的な国の重要文化的景観「遊子水荷浦の段畑(ゆすみずがうらのだんばた)」。ここでは毎年、4月下旬〜5月上旬にかけて特産のジャガイモの収穫が行われ、申し込んでおけば収穫体験をすることができます。また、遊子地区から車で15分ほどのところにある「こもてらす」は絶景カフェ。青い海と空に囲まれて、食事やお茶が楽しめます。

国宝級の絶景!国の重要文化的景観「遊子水荷浦の段畑」

国宝級の絶景!国の重要文化的景観「遊子水荷浦の段畑」

写真:林 ぶんこ

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宇和島中心部から車で西に向かって約40分で、宇和海に鈎状に突き出したリアス式の三浦半島の中央部に位置する遊子水荷浦(ゆすみずがうら)地区に到着します。

かつては水に不自由していた地域で、水を天秤棒で荷物のように担いで運んでいたことから「水荷浦」と名付けられました。

海の中に山が突き出しているような南予独特の地形であり、平地が少ないため、ここでは江戸時代頃から山を開拓して、段畑(段々畑)にしていました。現在の段畑は5ヘクタールほどですが、最盛期の昭和20年頃には今の6倍、この辺りの山一面が30ヘクタールを超える段畑でした。

国宝級の絶景!国の重要文化的景観「遊子水荷浦の段畑」

写真:林 ぶんこ

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その後、養殖産業の発展とともに段畑は衰退。人の手が入らない山の畑はどんどん山野に還ってしまい、平成初期には2ヘクタールくらいにまで減少してしまいます。そんな段畑の惨状に危機感を持った人たちが平成12年に「段畑を守ろう会」を発足させ、石垣を修繕したり畑を整地したり、徐々に景観をよみがえらせていきました。

そのかいあって平成19年度に風景部門の国宝とされる「国の重要文化的景観」に3例目として選定される絶景畑にランクインされました。

特産のジャガイモが栽培され、きちんと手入れされた段畑山の眺めは、まるでリンゴの皮をむいて巻きなおしたような、それとも山をミルフィーユにして斜めに切ったような、ここでしか見られない国宝級の絶景が広がっています。

国宝級の絶景!国の重要文化的景観「遊子水荷浦の段畑」

写真:林 ぶんこ

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「耕して天に至る」と称される遊子の段畑。近づいてみると、天に続くピラミッドのように整然と手入れされた石段が空に向かって伸びています。

各畑への勾配はかなりきつく、各段への上り下りのためのハシゴがかけられています。ばらつきはありますが、各畑はだいたい幅1m、高さ1.5m程度あります。

収穫体験ができる!遊子特産ジャガイモ「早掘りバレイショ」

収穫体験ができる!遊子特産ジャガイモ「早掘りバレイショ」

写真:林 ぶんこ

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「段畑を守ろう会」の活躍で、現在800枚ほどに復活した段畑では特産のジャガイモが栽培されており、会ではオーナー制度を設けて、段畑の景観を守り作付け面積を減らさないようにしています。

毎年8〜9月に25区画のオーナーが募集され、申し込んだ希望者は10月〜5月までその区画のオーナーとなり、4月下旬〜5月上旬に収穫体験ができます。オーナーといっても実際にすることは芋掘り体験だけで、イモの植えつけや畑の世話は「段畑を守ろう会」がしてくれますので、興味のある方は宇和島市役所または「段畑を守ろう会」まで、ぜひお問い合わせを。(関連MEMO参照)

収穫体験ができる!遊子特産ジャガイモ「早掘りバレイショ」

写真:林 ぶんこ

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約80mの山頂からは、宇和海を一望する素晴らしい景色がのぞめます。

青い宇和海と緑の島々、そして湾の向こうに鬼ヶ城連峰を望む絶景の中で行われる収穫体験。きっと忘れられない思い出になるはずです。

収穫体験ができる!遊子特産ジャガイモ「早掘りバレイショ」

写真:林 ぶんこ

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「遊子の早掘りバレイショ」といえば、“皮が薄くてあまいおイモ”
として、地元では名の通ったブランドおイモ。

収穫体験では、土の中から大きなおイモをゴロゴロ掘り出した後は、みずみずしい掘りたてのおイモ「早掘りバレイショ」をそのまま持ち帰りできます。遠方の場合は宅配便で送ることもOKです。1区画からは約100sのバレイショが収穫できますので、グループでオーナーになられる方が多いです。

郷土料理店「だんだん茶屋」と特産品直売所「だんだん屋」

郷土料理店「だんだん茶屋」と特産品直売所「だんだん屋」

写真:林 ぶんこ

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週末に訪れたなら、ぜひ立ち寄って欲しいのが「だんだん茶屋」。ここでは宇和海でとれた、特産の鯛を使った郷土料理の「鯛めし」や「鯛さつま汁」などを食べることができます。

郷土料理店「だんだん茶屋」と特産品直売所「だんだん屋」

写真:林 ぶんこ

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「だんだん茶屋」の隣の「だんだん屋」には地域の特産品のミカンや桃を使った、みかんワインやピーチワインなどのアルコール類も販売されています。が、なんといってもここでおススメしたいのは、本格芋焼酎「段酌(だんしゃく)」。遊子水荷浦の段畑産のジャガイモからつくられ、ここでしか買うことができない遊子みやげにぴったりなレア焼酎です。

<だんだん茶屋&だんだん屋の基本情報>
住所:愛媛県宇和島市遊子2323-3
電話番号:0895-62-0091
営業時間:11:00〜15:00(LO:14時)※だんだん屋は9:30〜16:30
営業日:土、日、祝日

青い空と海に囲まれた絶景カフェ「こもてらす」

青い空と海に囲まれた絶景カフェ「こもてらす」

写真:林 ぶんこ

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遊子水荷浦地区から車で15分ほど三浦半島を奥に進んだところにある、蒋渕(こもぶち)地区にあるのが「こもぶちうみのいえ こもてらす」。「こもてらす」と呼ばれ、三浦半島を訪れる人の憩いの場所となっている隠れた人気スポットですので、段畑を訪れた際にはぜひこちらにも足を伸ばしておきましょう。

宇和島特産の鯛を使ったランチやお茶などが味わえ、バーベキューメニューもありますので、予約しておけば青い空と海に囲まれた絶景の中でバーベキューも楽しめます。

青い空と海に囲まれた絶景カフェ「こもてらす」

写真:林 ぶんこ

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海上デッキで気持ちよく海風にそよいでいるこの帽子、実は鐘なのです。

宇和島市の隣町、大洲市に戦時中疎開していた縁で、宇和島市とはなじみがある漫画家の松本零士氏の代表作「銀河鉄道999」の主人公の帽子をイメージしてつくられたこの鐘。氏の直筆サイン入りで、全国から熱心な松本零士ファンが訪れて鐘を鳴らしていきます。

青い空と海に囲まれた絶景カフェ「こもてらす」

写真:林 ぶんこ

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蒋渕地区は、鈎状に宇和海に突きだした三浦半島の先端部分にあり、鉤のようにになった陸地=山が季節風をさえぎってくれるため、蒋渕の海はいつも池のように穏やか。

この穏やかな海でいかだ釣りを楽しんだり、写真奥の幅20メートル、長さ190メートルほどの小さな運河「細木運河」を行く船を眺めたり、自然に包まれた気持ちのよいひとときを過ごしてみてはいかがでしょう。「こもてらす」のオーナーは民宿も営んでいますので、泊まりがけで三浦半島の自然を満喫することもできますよ。

<こもぶちうみのいえ こもてらすの基本情報>
住所:愛媛県宇和島市蒋淵502-1
電話番号:0895-63-0163
営業時間:9:00〜17:00
定休日:月曜日
アクセス:宇和島市内から車で約60分、路線バスで約80分(1日3便)

遊子水荷浦段畑の基本情報

住所:愛媛県宇和島市遊子水荷浦
電話番号:段畑を守ろう会(事務局)0895-62-0091
アクセス:宇和島市内から車で約40分、路線バスで約60分(1日3便)

2020年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/03/21 訪問

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