写真:Ise Shinkurou
地図を見る本願寺第5代綽如(しゃくにょ)上人開創の「井波別院瑞泉寺」は、越中一向一揆の要となった寺です。
1390年開創以来、三度の大火で本堂・山門を焼失していますが、地域の人の手によって何度も再建されてきました。その歴史的事実が証明するように、600年以上もの永きにわたり、地域の人々の心のよりどころとなっています。
そしてその再建のために本願寺から派遣された大工・彫刻師に、地元の大工が弟子入りした事が、井波彫刻のはじまりとされています。
このような経緯から、瑞泉寺は井波彫刻の技をさらに発展させた大切な建造物となっています。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る小槌の音と木の香りを感じながら参道を進むと、最初に目に入るのが総檜の重曹入母屋造りの山門です。
1806年に完成した北陸随一の規模を誇る山門は、重要文化財の指定を受けています。そして山門に施された彫刻「波に龍・八仙人」は、井波彫刻の繊細さと荘厳を兼ね備えた素晴らしいものです。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る思わず見入ってしまう山門の彫刻ですが、特に青いひげの龍をよくご覧下さいね。
一方の龍にはひげがあるのに、もう一方の龍にはひげがありません。これには井波ならではのいわれがあります。
木彫り作品の中に未完成な部分を残し、後生の彫り師に補って貰う。つまり先人の技を見ながらさらに磨きをかけて後世へと伝える。
その素晴らしい匠の心意気が、井波を彫刻の町として発展させているのですね。ここでしか感じられない素敵な木彫り龍のメッセージです。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る大正7年に再建された16間四面の「太子堂」は、井波彫刻の粋を集めた建造物と言われています。
聖徳太子2才の尊像が納められた重層伽藍で、木造ならではの荘厳な雰囲気を醸し出しています。堂内だけでなく外側にも透かし彫りの彫刻が施されていますので、見落としの無いようご覧下さいね。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る中でも太子堂の屋根を支える「手挟み(たばさみ)」は圧巻。内部が透かされているのでとても立体的です。
軒の下に立つと、本物の龍神がとぐろを巻いて、こちらをじっと睨んでいるよう。
この繊細な彫刻が、各パーツを貼り合わせたのではなく、200本のノミを使い、一本の木から掘り起こされています。これぞ世界に評価される井波彫刻技術。驚きの伝統技術です。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る太子堂の見所は屋根を支える「手挟み」だけではありません。堂内への入り口の軒下は、日本の木造建築の魅力をたっぷりと見せています。
伽藍の外を歩きながらその素晴らしさを満喫して下さいね。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る本堂・太子堂だけでなく、境内も見所たっぷりです。写真は、明治時代に本堂からの出火の際、山門を守った井戸です。
ここに彫られた井波彫刻の「昇龍」も一見の価値あり。躍動感たっぷりの彫刻は、今にも天に昇り起つよう。是非近くからご覧下さいね。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る境内にある庭園は、建物の規模と比べると小さいのですが、石・植木の配置がとても綺麗にまとめられています。
そして庭園を散策されると、昭和8年に再建された北陸随一の規模を誇る「鐘楼堂」が目にとまります。井波大工の代表的建造物として有名ですので、こちらも是非お立ち寄りくださいね。
また瑞泉寺の草創の地・井波城址(瑞泉寺より約100m)には、寺の名の由来と言われる、瑞泉が湧き出した井戸「臼浪水(きゅうろうすい)」が現存しています。時間のある方はこちらもお薦めの散策スポットです。
お車の方は、八日町広場前の交通広場駐車場がお薦めです。駐車場内にある木彫りパネルで写真を撮り、SNSにアップすると参拝料金の割引を受けられます。
「井波別院瑞泉寺」は、日本遺産認定の木彫刻をたっぷり楽しめるお薦めの寺院です。
住所:富山県南砺市井波3050
電話番号:0763-82-0004
アクセス:北陸自動車道・砺波ICから15分
参拝時間:9:00〜16:30 休館日はなし
参拝志:一般(高校生以上)500円、団体(20名以上)大人450円
2020年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/1/13更新)
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