写真:SHIZUKO
地図を見る背の高い竹がゆるりと風に揺れ、木漏れ陽に照らされた竹の緑が輝く。日本を代表する美しい景観です。
タケノコは「古事記」に2番目の食べ物として記述されているほど古代より食べられていた野菜。日本にとって竹は、生活用具や建物、食料として人々の生活になくてはならないものでした。
京都の嵐山から向日神社まで連なるなだらかな向日丘陵。たおやかな丘陵地の斜面に竹が揺れる乙訓は、風光明媚な竹の供給地。孟宗竹が中国からこの地に根付き、真竹などに変わり成長力の旺盛な孟宗竹林が一気に広まっていきました。
写真:SHIZUKO
地図を見る時代を経て、竹製品はプラスチックなどに、タケノコは安価な中国産に席巻され、竹の利用が減っていきました。美しい竹林は宅地になり、放置竹林が増え、竹藪は荒れていき、竹文化は衰退の一途でした。
そこで2000年から竹林の景観の保全と、放置竹林対策・不法投棄防止を主眼に「竹の径」整備が進められました。整備に使われたのは、特産の孟宗竹を使った竹垣。表情の異なる8種類の竹垣が連なる、全長約1.8kmにおよぶ竹林道が完成しました。
写真:SHIZUKO
地図を見る竹林の美しさで人気のある京都・嵐山には、日本情緒を求めて世界各国から多くの観光客が訪れ、凄まじい混雑ぶり。そのため写真を撮るにも一苦労ということも。その点、じわじわと外国人観光客が増え始めているとはいえ「竹の径」はまだまだ穴場スポット。静かで気持ちのいい散策が出来ます。
<竹の径の基本情報>
住所:京都府向日市寺戸町芝山物集女町長野
アクセス:阪急京都線洛西口駅から阪急バス中海道地区向日回生病院前下車徒歩3分、JR京都線向日町駅から阪急バス東山下車徒歩で10分
写真:SHIZUKO
地図を見る春の味覚の代表・タケノコ。「竹の里」乙訓のものは、日本一の白子タケノコと呼ばれる最高級品です。
「竹の径」を歩いていると、タケノコ畑として整備されている農地と、竹材を取るための竹林があることがわかります。
タケノコを収穫するには一坪に一本の親竹を「京都式軟化栽培法」という特別な栽培法で育てます。選別されて残された親竹のてっぺんは「しん止め」という方法で先端が折られます。秋から冬にかけて敷き藁を入れ、土入れをして、フワフワの土壌を作り、タケノコが地表に出るのを遅らせます。つまり、太陽光が当たらないので真っ白で柔らかなタケノコが収穫できるというわけ。
写真:SHIZUKO
地図を見るでは、手間暇かけて大切に育て上げられた筍を自分の手で掘ってみましょう。フワフワのタケノコ畑に入ると、むやみに歩き回らず、土が少し盛り上がり十字の割れ目が入っている場所を探します。その下に白いタケノコが!
タケノコを掘るには「ホリ」という特別な道具を使います。1メートルくらいの持ち手と、先が二手に割れた細くて長い刃を持つ「ホリ」。最初に鍬で土を10センチくらい掘ると、タケノコの先端が。ホリを使って、てこの要領で周りの土をほぐしていきます。
写真:SHIZUKO
地図を見る充分にほぐれたら、タケノコの一番下の部分を目指しホリを深く差し仕込み、ゆっくりと掘り起こします。最後はポン!と地表に白いタケノコが登場します。
タケノコがある場所を発見するのはとてもワクワク。掘り出すのは、結構な重労働ですが、とても楽しく充実感あふれる体験です。
<タケノコ掘り体験の基本情報>
問い合わせ先:向日市竹産業振興協議会(向日市商工会内)
電話番号:075-921-2732
問い合わせ先:向日市観光協会
電話番号:075-963-6504
写真:SHIZUKO
地図を見る華道・茶道の道具としてのみならず、竹箸やランプシェードなど美しい曲線と網目をみせる竹製品。複雑な編み目を持つ竹籠は機械ではなく、ひとつひとつ手で編まれているのです。
東洋竹工株式会社で「竹細工体験」が出来るので、ぜひチャレンジして下さい。
竹籠を編むのに使われるのはしなりのいい真竹。薄く平へぎされた皮と実の2種類の竹ひごを使って編んでいきます。まず、底の部分を竹ひごが上下を順にくぐるように「四ツ目」に編み、形を整えます。
写真:SHIZUKO
地図を見る続いて、竹ひごを4本ずつまとめて立ち上げて立体に編みます。ここから少し難しくなります。竹ひごが折れたり、滑ったりしないように霧吹きで濡らしながら進めます。
写真:SHIZUKO
地図を見る編み上げたら、両手で包むようにして形を整え、微調整すると4つの波が繋がっている花籠・四海浪の完成です。ここまでおよそ1時間。なんと、職人さんなら10分くらいで完成させることができます。
花籠作り以外にも、茶筅作り体験や盛り籠作り体験などもできますので、詳しくは、東洋竹工株式会社までお問い合わせください。
<竹細工体験の基本情報>
問い合わせ先:東洋竹工株式会社
住所:京都府向日市寺戸町久々相13-2
電話番号:075-933-7733
費用:3500円(おとし付き)
所要時間:約1時間
※要予約3名以上から(平日開催)
写真:SHIZUKO
地図を見る竹は知れば知るほど面白い植物。より詳しく知るには、竹の径の京都市側にある「京都市洛西竹林公園」に行ってみましょう。
手入れの行き届いた公園内には、110種類の竹や笹を主体とした回廊式庭園の生態園と竹の資料館があります。
写真:SHIZUKO
地図を見る生態園に入ってすぐに見られる、黄金色の竹に緑の縦筋模様が交互に入ってる「キンメイチク」や、緑に黄色の筋が入っている「ギンメイチク」。触るとしわしわを感じる「シボチク」などは、自然の造形美にきっと驚かれることでしょう。
写真:SHIZUKO
地図を見る竹の資料館では「京銘竹」と呼ばれる四角く育てた孟宗竹・図面角竹や黒ゴマをふったような模様がついた胡麻竹、亀甲模様に節がある亀甲竹など珍しい竹を見ることが出来ます。また、竹工芸品や竹加工品、珍しいものではエジソンが竹のフィラメントを使って発明した電球の復元展示などがあります。
<京都市洛西竹林公園の基本情報>
住所:京都市西京区大枝北福西町2-300-3
電話番号:075-331-3821
休園日:水曜日、12月29日〜1月3日
開園時間:9:00〜17:00(入園は16時まで)
入場料:無料
写真:SHIZUKO
地図を見るいろんな竹を楽しんだ後は、お楽しみのタケノコ料理です。お勧めは長岡京市の紅葉の名所・光明寺のそばにある「京料理いっぷく亭」。
写真:SHIZUKO
地図を見る地元産の最高級タケノコを使った、お昼限定の「白子たけのこ料理」をいただきましょう。
3段のお重の中はタケノコフルコース。胡麻豆腐・竹の子刺身・竹の子土佐煮・竹の子天ぷら・竹の子時雨煮・竹の子木の芽和えなど。白子タケノコご飯に若竹のお吸い物、デザートがついています。香りがよく、えぐみが全くなく、柔らかで色白のタケノコ。店長さんの一押しは、やはり、タケノコのお刺し身(画像センターの薄緑の小鉢)。ここのタケノコを食べると、今まで食べていたものがとても雑なものだったかが感じられるのではないでしょうか。
写真:SHIZUKO
地図を見るそして、絶対に食べていただきたいのが、焼き上げるのに45分もかかる「白子たけのこ姿焼き」。白い湯気の下から、竹の皮に包まれた焦げ目の美しい白子タケノコがあらわれると、きっとテンションマックス。塩とわさびだけでいただける香りと味の良さは、食べずに帰ったら、きっと後悔する逸品です。
<京料理いっぷく亭の基本情報>
住所:京都府長岡京市粟生西条4-1
電話番号:075-954-7777
営業時間:昼席11:30〜14:30 夜席17:00〜20:30(前日までに要予約)
定休日:火曜日(水曜日不定休)
大阪と京都のちょうど真ん中あたりの乙訓。3月末から5月初旬まで、各駅前や、道沿いにタケノコを売るお店が現れます。乙訓中が、正にタケノコ一色に。夜のうちに養分と水分をしっかりため込んだ朝堀たけのこは、最高です。灰汁がないので、ゆでる時に米ぬかが要らないほどです。ぜひ、午前中にお出かけして、タケノコをゲットしてみてください。
2020年3月の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
取材協力:乙訓・八幡広域観光連絡協議会
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