リノベーションして華麗に復活!群馬「桐生」で見たい伝統的建造物

リノベーションして華麗に復活!群馬「桐生」で見たい伝統的建造物

更新日:2020/06/16 11:43

浅井 みらののプロフィール写真 浅井 みらの 総合旅行業務取扱管理者、全国通訳案内士(英語)、世界遺産検定2級、JSBA スノーボード バッジテスト 1級
織物産業で日本の近代化を支えた群馬県「桐生」。8世紀より絹織物の歴史が始まり、明治以降に機械を導入したことで刺繍や縫製など織物関連の産業が町に集結。より一層の発展を遂げ、町の賑わいを体現するように多くの工場やビルもその時期に建設されました。最盛期から落ち着きを取り戻した後は、歴史ある建物の外観を活かしたままオシャレな飲食店やショップが誕生。時代を隔ててもなお町の中心地には多くの人々が集まります。

昨今の状況により、施設等の営業日や営業時間などに変更が生じている場合があります。各種報道機関の発表、施設や各自治体のホームページなどで最新情報をご確認ください。また、Go To トラベルキャンペーンについては全国で一時停止となっています。お出かけの際はしっかりと新型コロナウイルスの感染予防および拡大防止対策をして行動しましょう。(トラベルjp)

町の歴史が分かる!「桐生織物記念館」

町の歴史が分かる!「桐生織物記念館」

写真:浅井 みらの

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桐生に到着したら、ぜひ訪れて欲しいのが「桐生織物記念館」。町の歴史と文化が詰まっているといっても過言ではない場所で、実際に使用された機織り機や桐生織が展示されています。

記念館があるレンガ造りの建物は国の登録有形文化財。堂々とした佇まいが印象的で、その風貌は町のご意見番のようにも見えますが、それもそのはず。元々こちらの建物は桐生織物同業組合の事務所として建てられ、桐生織の飛躍を支えた作戦本部として機能していたのです。

町の歴史が分かる!「桐生織物記念館」

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桐生で織られた布地を桐生織と称しますが、技法は7通りもあり、それぞれの見た目や手触りも異なります。2階に展示された資料を見れば見るほど桐生織の奥深さとバラエティの豊かさにきっと驚くはず。

1階のショップでは様々な桐生織が販売されています。正面玄関から入って右手が和装、左手が洋装と2ヶ所に分かれていて、産地価格で購入できるのが魅力。糸や草木染用の布地など品揃えも豊富です。

町の歴史が分かる!「桐生織物記念館」

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シルクのネクタイは特に人気の商品。派手過ぎず、地味過ぎず。飽きがこないデザインは良い素材で仕立てるとグッと気品が感じられます。

<桐生織物記念館の基本情報>
住所:群馬県桐生市永楽町6-6
電話番号:0277-43-7272
営業時間:10:00〜17:00
休業日:毎月の最終土曜・日曜、8/13-16、12/29-1/3

大正ロマンを伝える「金善ビル」

大正ロマンを伝える「金善ビル」

写真:浅井 みらの

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町一番の目抜き通り・本町通りには国の登録有形文化財や市の指定重要文化財が建ち並びます。ほとんどの建物が明治から大正にかけて、近代化が盛んだった頃に建設されたもの。頭上高くそびえる鉄筋コンクリートや両側いっぱいに広がるレンガ造りなど規模の大きさとデザインの緻密さが当時の勢いを物語っています。

特に大正10(1921)年頃に建設された「金善(かなぜん)ビル」は、県内でも鉄筋コンクリートが初期に起用された、町のシンボル的存在です。

大正ロマンを伝える「金善ビル」

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桐生市内で織物工場を営んでいた金善織物会社が事務所として使っていたのをセレクトショップ“Life & Gift KINARI”が引き継ぎます(2020年3月現在)。地域の人たちには全国から選りすぐりのものを、観光客には桐生織や刺繍などの名産品を販売し、人々の生活に彩りを添えています。

1階にあるショップは白を基調にリノベーションして生まれ変わったもの。しかし、吹き抜け感たっぷりの高い天井は当時から変わらずで、時代遅れを微塵も感じさせません。

大正ロマンを伝える「金善ビル」

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桐生織だけでなく、産業の一端を担った縫製や刺繍なども全国に名を馳せます。金善ビル2階では工場仕様の本格ミシンを使いながら刺繍が縫われてく様子を体験するプログラムも実施。

ノートパソコンと繋がった本格ミシンの向かい側には、絵筆さながらに繊細な刺繍での描写を可能にした桐生発祥の横振りミシンも展示。新旧のミシンが対峙している、貴重な空間です。

<Life & Gift KINARI(キナリ)の基本情報>
住所:群馬県桐生市本町5-345 金善ビル1F
電話番号:0277-47-6977
営業時間:11:00〜18:00
定休日:水曜。日曜、祝祭日は不定休。WEBの営業カレンダーに記載

地元を支える「有鄰館」&「矢野本店」

地元を支える「有鄰館」&「矢野本店」

写真:浅井 みらの

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桐生市内でも特に伝統的建造物が集まっている一帯を“重要伝統的建造物群保存地区”、略して“重伝建(じゅうでんけん)エリア”と呼びます。その顔ともいえるのが旧矢野倉庫群こと「有鄰(ゆうりん)館」と「矢野本店」です。

江戸時代より桐生に住む人たちの暮らしを支えていた矢野本店。広大な土地には明治、大正、昭和とそれぞれの時代に建てられた土蔵や煉瓦蔵があり、お酒や味噌を醸造していました。同一敷地内に違う時代の建築物が残されているのは希少なことで、市の重要文化財には10棟もの建物が指定されています。

地元を支える「有鄰館」&「矢野本店」

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特に煉瓦蔵は市内でも最大規模を誇る煉瓦建築。巨大な空間スペースと歴史が紡いだ趣きを活かし、音楽イベントやファッションイベントなどの会場として抜擢されています(2020年3月現在)。

地元を支える「有鄰館」&「矢野本店」

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商店時代に店舗として使われていた矢野本店には地元の名産品が並び、傍らには一休みにぴったりな喫茶店も。

有鄰館の有隣とは、孔子が残した「徳は孤ならず必ず隣あり」に由来し、徳のある者は孤立するものではなく、共鳴する人が隣に現れるものという意味。町全体が一丸となって全国屈指の織物産業地を築いた桐生では、住民の日常を支えていた有鄰館も桐生に欠かせない場所です。

<矢野本店の基本情報>
住所:桐生市本町2-6-30
電話番号:0277-46-4144
営業時間:9:30〜18:30
定休日:月曜。12/28-1/4

「近江屋喜兵衛」で美食を堪能

「近江屋喜兵衛」で美食を堪能

写真:浅井 みらの

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桐生市の教育、文化の向上に貢献し、桐生市名誉市民の第一号も選出させた前原家。明治37(1904)年に建てられた邸宅は、一般の人たちも訪れられるよう2019年に食事処「近江屋喜兵衛」としてオープンしました。

「近江屋喜兵衛」で美食を堪能

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純和風家屋の落ち着いた雰囲気の中、お昼時にはポークソテーやパスタなど洋食にパフェやあんみつなどのデザートも。矢野本店の隣に位置し、重伝建エリアを観光する前の栄養補給にぴったりなロケーションです。

「近江屋喜兵衛」で美食を堪能

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敷地内の石蔵は地元アーティストの作品を展示するギャラリーとして活用。無料で開放されていて、桐生市の文化向上を応援し続けています。

<近江屋 喜兵衛の基本情報>
住所:群馬県桐生市本町2-8-27
電話番号:0277-44-0038
営業時間:11:30〜14:00(夜は予約制)
定休日:月曜

「ベーカリーカフェ レンガ」でひと休み

「ベーカリーカフェ レンガ」でひと休み

写真:浅井 みらの

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桐生の風物詩といえるのが、ギザギザした形が特徴ののこぎり屋根。織物工場のシンボルとして市内に複数点在していますが、旧金谷レース工業が築いたのこぎり屋根工場は市内に残る唯一のレンガ造りが特徴です。大正8(1919)年に建てられ、国の有形文化財にも登録されています。

「ベーカリーカフェ レンガ」でひと休み

写真:浅井 みらの

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そんな歴史香る工場が焼き立てパンの馥郁たる香りも加わった「ベーカリーカフェ レンガ」として生まれ変わります。30種類近いパンが並び、のこぎり屋根を模ったフレンチトーストや桐生発祥の菓子パン・ビスロールなど、他では食べられないものばかり。

「ベーカリーカフェ レンガ」でひと休み

写真:浅井 みらの

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店内にはイートインスペースも設けられ、ゆったりとした居心地の良さは元工場だからこそ。音楽イベントも定期的に開催され、住民の憩いの場としても親しまれています。

<ベーカリーカフェ レンガの基本情報>
住所:群馬県桐生市東久方1-1-55
電話番号:0277-32-5553
営業時間:平日 8:00〜18:00、土日祝 7:00〜18:00
定休日:12/29-31

今だからこそ、桐生に訪れたい

群馬県が築いた絹織物の歴史は地域の魅力として評価され、文化庁が認定する日本遺産にも「かかあ天下-ぐんまの絹物語-」として登録されています。まだまだ男性が活躍していた時代、群馬では織物を中心に女性の社会進出が進んでいて、男性が「おれのかかあは天下一」と誇ったことが“かかあ天下”の由来です。

日本社会の先駆けだった群馬県「桐生」。持続可能な社会が注目されている今も、伝統的建造物の魅力を残しつつ華麗に復活させた桐生から、私たちが学ぶことはまだまだありそうです。ぜひ訪れた際は、歴史の面影と現代の快適さが引き立てあう町を楽しんでみてはいかがでしょうか。

取材協力:群馬県観光物産国際協会

2020年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/02/28 訪問

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