写真:たぐち ひろみ
地図を見るリューベック中央駅から旧市街に向かって歩いていくと、その入口にあるのが「ホルステン門(Holstentor)」。円錐形の屋根を持つ2つの塔がファサードを挟み込んだ独特の造りで、世界的にもよく知られた建物だ。
防衛のため、そして権威の象徴として、1478年に建造されたホルステン門。一度は廃墟と化したこの建物が現在の形で残るのは、大規模な修復工事のたまもの。世界遺産の町リューベックの表門として威容ある姿を今も湛えている。
写真:たぐち ひろみ
地図を見るこの門は、表と裏とでまるで別の建物かのように意匠が異なる。写真は反対側、「聖ペトリ教会(St. Petri Kirche)」の塔から眺めたホルステン門。左手前に見えるオレンジ色の建物「塩の倉庫(Salzpeicher)」と並ぶ姿は、完成度の高い箱庭のような美しさだ。
ちなみに、門の内部は博物館。ハンザ同盟にちなんだ町の歴史を学ぶことができる。
<基本情報>
住所:Holstentor, Holstentorplatz, 23552 Luebeck
電話番号:+49-451-122-4129
アクセス:中央駅より徒歩7分
開館時間(博物館):1月〜3月 11:00〜17:00(月曜休)、4月〜12月 10:00〜18:00(無休)
入場料(博物館):8ユーロ
写真:たぐち ひろみ
地図を見るホルステン門から旧市街に入ると、まもなくたどり着くのが「市庁舎(Rathaus)」。ハンザ同盟都市の威信を象徴するような重厚な建物は、黒褐色をした艶出しレンガが印象的。ドイツで最も美しい市庁舎と言われるのもうなずける。
写真:たぐち ひろみ
地図を見る最初にこの市庁舎が建造されたのは1225年だが、1251年の火災により消失、その後改めて再建された。さらに何度も改築・増築を繰り返した結果、ゴシック様式、ルネサンス様式など、さまざまな建築様式の混在する建物が完成。にもかかわらず、全体に統一感が感じられるのが不思議である。
写真は正面玄関を入ったホール内の吹き抜け天井。ゴシック様式の装飾アーチがなんとも豪奢だ。
写真:たぐち ひろみ
地図を見るこの市庁舎では、ぜひともガイドツアーに参加したい。残念ながら説明はドイツ語となるが、これ以外には市庁舎の内部を見学する方法はない。ツアーでは、ハンザ同盟の会議で使用されたという「ハンザホール(Hansaetic Hall)」、評議会(写真)、上院議員室など、さまざまなホールや部屋を1時間くらいかけて回ってくれる。
<基本情報>
住所:Rathaus Luebeck, Breite Str. 62, 23552 Luebeck
電話番号:+49-451-122-1005
アクセス:ホルステン門より徒歩6分
ガイドツアー:月〜金 11:00〜、12:00〜、15:00〜/土日祝 12:00〜
入場料:4ユーロ
写真:たぐち ひろみ
地図を見る市庁舎から北方向にしばらく道を進んでいくと、4つの細長い塔が伸びる建物に行きつく。これが「聖霊養老院(Heiligen-Geist-Hospital)」。1260年頃の建造で、北ドイツ独特のレンガゴシック様式を踏襲している。リューベックを代表する建築物の1つだ。
写真:たぐち ひろみ
地図を見る扉を入ったところは、祭壇の設けられた広いホール。一見教会と見間違えてしまう雰囲気だが、実はここは社会福祉施設。富と信心をあわせ持つリューベックの商人たちが、その財を社会的弱者のために費やすべく建てたのがこの建物だ。
以来、1970年に最後の退院者を送り出すまで、この施設では貧しい人々に幅広く手を差し伸べてきた。一方では治療を施す病院として、一方では高齢者の終の住処として。その歴史は実に700年以上。世界最古にして最も歴史の長い老人ホームの1つと言える。
写真:たぐち ひろみ
地図を見る写真は1970年まで実際に使用されていた老人ホームの個室。室内には備品も残されていて、当時の生活風景を思い起こさせてくれる。
<基本情報>
住所:Heiligen-Geist-Hospital, Koberg 11, 23552 Luebeck
アクセス:ホルステン門より徒歩14分
開館時間:4月〜9月 10:00〜17:00、10月〜3月 10:00〜16:00
休館日:月曜日
電話番号:+49-451-122-2353
入場料:無料
写真:たぐち ひろみ
地図を見る聖霊養老院の面した大通り(Koenigstrasse)を市庁舎方面に戻ると、間もなく「ベーンハウス・ドレーガーハウス博物館」が見えてくる。ここは18世紀に建てられた邸宅で、もともとベーン邸とドレーガー邸という2つの屋敷だったところを、博物館に改修するべく1つに統合した建物だ。
面白いのは、絵画や彫刻を展示するギャラリーでありながら、一方で年代物の家具や調度を並べて上流階級の生活様式を再現しているところ。美術館と邸宅博物館という2つの顔を併せ持つユニークなミュージアムだ。
ドレーガー邸には多数の絵画や美術品が展示されていて、ここだけでも見ごたえはたっぷり。絵画はナザレ派(北ドイツのロマン主義派)および古典モダニズム派を中心としたコレクションになっていて、大半はリューベック出身あるいは在住画家の作品だ。
キャスパー・デイヴィッド・フリードリッヒ、ゴットハート・キュールなど、日本では知られていない画家が多い中、見逃せないのがエドヴァルド・ムンク。写真はそのムンクによる1枚、「赤い上着を着た少年」だ。「叫び」があまりにも有名な彼だが、こうした絵を見ると、全く知られていない別の顔を見るようで面白い。
写真:たぐち ひろみ
地図を見る一方、かつてベーン邸だった棟は主に生活展示に充てられていて、寝室、サンルーム、居室など、19世紀さながらの生活空間をリアルに再現。中でも「主人の間(写真)」と「女主人の間」の内装は、北ドイツの新古典主義様式の代表例といわれるほど完成度が高く、内装好き、邸宅好きは見逃せない。
<基本情報>
住所:Museum Behnhaus Draegerhaus, Koenigstrasse 9-11, 23552 Luebeck
アクセス:ホルステン門より徒歩13分
開館時間:4月〜12月 10:00〜17:00、1月〜3月 11:00〜17:00
休館日:月曜日
電話番号:+49-451-122-4148
入場料:8ユーロ
写真:たぐち ひろみ
地図を見るあまり知られていないリューベックのもう1つの観光スポットがこれ、「路地(Gang)」と「中庭(Hof)」だ。大通りから一歩脇道にそれると、そのあちこちに細いトンネルのような入口があることに気づく。その上部に「…-Gang」と書かれていれば、それが「路地」。そして、その奥には小さな「中庭」がある。
写真:たぐち ひろみ
地図を見るこの路地と中庭は、周囲の家屋に住む住民のための共有スペース。いわば私有地なのだが、観光客も自由に入ることができる。路地によっては中庭にカフェが設けられている場所もあるので、観光の合間の休憩におすすめだ。
この路地が多く見られるのは、グロッケンギーサー通り(Glockengiesserstr.)とその隣のフンデ通り(Hundestr.)。ともに、前述のベーンハウス・ドレーガーハウス博物館から大通りを市庁舎方向に少し戻ったところにある。
<基本情報>
住所:Glockengiesserstrasse/Hundestrasse, 23552 Luebeck
アクセス:ホルステン門より徒歩13分
入場料:なし
リューベックでイチオシの観光スポットを5つだけ紹介したが、見どころはまだまだある。例えば、ガイドブックに必ず載っている「マリエン教会(Marienkirche)」、白いファサードが美しい「ブッデンブロークハウス(Buddenburookhaus)」、今はレストランになっている「船員組合の家(Schiffer-gesellschaft)」、白と黒のコントラストが怪しくも美しい「聖ヤコブ教会(St. Jacobi Kirche)」、「ブルク門(Burgtor)」…。数え上げたらキリがないが、時間が許すならぜひこれらも訪れてほしい。
リューベックへは、ハンブルク中央駅から直通列車が運行している。所要46分、1時間に2本の運行と、アクセスは良好だ。
2020年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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