写真:菊池 模糊
地図を見るインド洋に浮かぶ宝石と呼ばれるスリランカの、中央部の臍ともいうべき位置に世界遺産シーギリヤ・ロックがあります。ジャングル地帯の中に突然現れる巨大な岩山で存在感は圧倒的。周辺に点在するホテルのほとんどは、このシーギリヤ・ロックが望めるように造られており、優雅なリゾートとしての滞在が可能です。
昼間は非常に暑いのでシーギリヤ・ロックに登るには朝がベスト。そこでまずホテルにチェックインし夕日に輝く絶景を楽しみ、翌日の早朝からの午前中をシーギリヤ・ロック登山にあてるのがおすすめです。
写真:菊池 模糊
地図を見る早朝、シーギリヤ・ロックの敷地に入場し参道を進むと、岩山の周囲に水路や噴水などの遺構が広がっています。ここは、古代5世紀にカッサパ1世が頂上に王宮を建てた際、都の市街が広がっていた場所です。
狂気の王とも呼ばれるカッサパ1世の治世はわずか11年で終わり、この岩山王都も見捨てられたのですが、現在は世界遺産の中でも抜きんでて人を惹き付ける印象的な遺跡となっています。いわばカッサパ1世のユニークすぎる発想が生んだ比類ない歴史的名所と言えるでしょう。
写真:菊池 模糊
地図を見るシーギリヤ・ロックは、標高370mしかありません。しかし、平坦なジャングル地帯に突如垂直に佇立する巨大な一枚岩の威容はすごいとしか言いようがありません。写真の被写体としても素晴らしいので、いろいろな場所や角度から撮影してみてください。
写真:菊池 模糊
地図を見る垂直な岩山を前にすると「こんなところ登れるのか」と躊躇しますが、実際は登山道や階段がしっかりと刻まれており、危ない場所は手すりや金属製の螺旋階段が取り付けられています。時間さえかければ、誰でも安全に辿れるので、まずは、写真の巨石の間を抜けて登りはじめましょう。ここからの階段総数は約1200段です。
写真:菊池 模糊
地図を見る写真をご覧ください。ここは中腹の重要ポイントで、上部の金属柵に囲まれた場所の奥に有名なシーギリヤ・レディの壁画があります。その手前に、垂直に登る金属製の螺旋階段があり、ちょっと怖いものの、しっかりと手すりに摑まれば問題なく登れます。
写真:菊池 模糊
地図を見る螺旋階段を登りきると、オーバーハングした壁面にシーギリヤ・レディを見学できます。これは岩肌に描かれた美女のフレスコ画で、現在は18人の妖艶な女性の姿が認められます。微笑みを浮かべた妖精アップサラを王の侍女たちが世話している情景ではないかと推測され、5世紀の美術品とは思えないほど色彩豊かです。かつては、500人ほど描かれていたようです。
なお、シーギリヤ・レディの写真撮影は禁止されており、この写真はシーギリヤ博物館にある精巧なレプリカを撮影したもの。博物館はJICAの援助で建てられ、岩山宮殿の再現VTRもありますので、シーギリヤ・ロック登頂後にぜひ訪問してください。
写真:菊池 模糊
地図を見るシーギリヤレディの洞窟を出て進むと、ミラーウォールと呼ばれる回廊があります。これは鏡のように磨かれた壁で、かつてはオーバーハングした岩壁に描かれた美女たちのフレスコ画がこの回廊鏡面に映る仕掛けでした。その美しさを讃える詩が彫られており、往時はさぞ見事であったろうと想像されます。
写真:菊池 模糊
地図を見るミラーウォールを抜けてしばらく進むと、ライオンテラスと呼ばれる広場に出ます。古くは巨大なライオン像が口を開けて座り、その中を通り抜ける形になっていました。現在は前足の一部しか残っていません。それでも足の爪から、その大きさは実感できます。
写真のように、上部はジグザクに急傾斜の階段が取り付けられています。ここまで来れば、頂上までもう一息。気合を入れて最後の難所を登り切りましょう。
写真:菊池 模糊
地図を見るやっと頂上に到達すると、360度の絶景を展望できます。これぞ王の視点、カッサパ1世がなぜジャングルの中に聳える岩山の上に宮殿を造営したのか?その意図に想いを馳せてみましょう。
頂上部には、宮殿の跡を示す台状の平地が階段状に連なり、石垣と礎石も残っています。それにしても、これほど急峻な岩山の上に資材を運び上げ宮殿を建設する労苦はいかほどのものだったか、5世紀という古代に空中宮殿・天空の城をよくぞ造ったものだと感心するばかりです。
写真:菊池 模糊
地図を見る頂上は面積約1.6haあり、各種の建物跡が広がっています。見下ろせば、周囲は一面のジャングルと湖が広がり、この絶景はまさに感涙もの。多くの観光客が思い思いのポーズで写真を撮っています。王様の気分に浸ってください。
写真:菊池 模糊
地図を見る頂上から少し下ったところに王のプールと呼ばれる池があります。おそらく沐浴場と貯水施設を兼ねていたと思われます。熱帯モンスーン地域とはいえ、乾季は水が不足しますので、こんな高い所に水を貯めて生活をしていたわけです。今も水をたたえる有効な施設で、古代の治水・建築技術の高さに驚くばかりです。
写真:菊池 模糊
地図を見るシーギリヤ・ロックに登る途中、一番よく出会う生き物は猿。多いのは写真のトクマカクという猿で、他にオナガザルもいます。子猿は愛らしいですが、餌をやらないようにしましょう。
写真:菊池 模糊
地図を見るシーギリヤ近辺はジャングルに囲まれており、湿地も多く見かけます。したがって野鳥の楽園になっています。人気なのはやはり、水辺の宝石カワセミ。日本のカワセミと少し違うスリランカ亜種で学名は Alcedo atthis taprobana 、とても綺麗で可愛いです。
写真:菊池 模糊
地図を見る昆虫類も多く、特に日本で見られない熱帯の蝶は見事です。写真はその代表のインドベニモンシロチョウ 学名 Delias eucharis 。いわゆるカザリシロチョウの仲間で、その派手な色使いから、ひときわ目を惹きます。
写真:菊池 模糊
地図を見る爬虫類もたくさん棲息しています。写真は巣穴から身を乗り出して日光浴するイグアナ。
また、近辺にミンネリヤ国立公園など野生動物保護区がいくつもあり、そこでは野生の象などが見られるジープによる写真撮影サファリが人気。野生の生物専門家でなくとも、誰でも観察できますので、ぜひ体験してみてください。
住所:Sigiriya,Rock Front,Sri Lanka
アクセス:首都コロンボからキャンディまで鉄道で約3時間・バスで約3時間30分、キャンディからシーギリヤまでバスで約3時間
バンダラナーヤカ国際空港からシーギリヤまで車で約4時間
石窟寺院のあるダンブッラからシーギリヤまでバスで約45分
2020年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/2/11更新)
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