井伊家が築いた国宝「彦根城」は“お城県”滋賀が誇る名城だ!

井伊家が築いた国宝「彦根城」は“お城県”滋賀が誇る名城だ!

更新日:2020/06/10 12:18

いなもと かおりのプロフィール写真 いなもと かおり 城マニア・観光ライター
琵琶湖を中心に充実した観光スポットが点在する滋賀県。人気武将・織田信長や石田三成ゆかりの寺社仏閣も見逃せません。そんな滋賀県は、実は城がたくさんある「お城県」! 江戸時代のはじめには、琵琶湖のほとりに「彦根城」が築かれました。城が好きではない人でもつい見とれてしまう魅惑の名城は、大逆転劇でお家を再興した井伊家の居城でした。わずか5城しか選ばれていない国宝に選定された彦根城を深く味わってみましょう。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、一部都府県に緊急事態宣言が発出され、不要不急の外出の自粛が求められています。加えて自治体独自での緊急事態宣言発出や、往来の自粛要請をしている場合があります。また施設によっては休業していることがあります。Go To トラベルキャンペーンについても全国で一時停止となっています。各種報道機関の発表、施設や各自治体のホームページなどで最新情報をご確認ください。外出の際はしっかりと感染予防対策をして行動しましょう。(トラベルjp)

大逆転の井伊家が築いた国宝・彦根城

大逆転の井伊家が築いた国宝・彦根城

写真:いなもと かおり

地図を見る

1600年にあった関ヶ原の戦いの功績で、近江を与えられた武将・井伊直政。子・直継や直孝によって琵琶湖に接した金亀山(こんきやま)に彦根城が築かれました。1604年に築城を開始し、途中で中断した時期もありましたが、約20年の歳月をかけて完成。

彦根城が築かれた頃は、江戸幕府が開府し徳川政権が誕生したものの、西日本を中心とした豊臣恩顧の大名を警戒するようなご時世でした。そこで西日本の大名たちの抑えとして急ぎ彦根城を築城する必要があったのです!

大逆転の井伊家が築いた国宝・彦根城

写真:いなもと かおり

地図を見る

藩主である井伊家は、2017年に放送された大河ドラマ「おんな城主 直虎」の主人公・井伊直虎が大事に守ってきた遠江出身の名族。俳優の菅田将暉さんが演じた井伊直政は、直虎にとっては元いいなずけの子供にあたります。直政はお家を再興させ、18万石(直孝の代より30万石)の大大名へのぼりつめ、さらには「徳川四天王」の一人に数えられる重臣になったスゴイ人物です!

残念ながら、直政は関ヶ原の戦いで受けた傷が致命傷となり、1602年に42歳の若さで亡くなってしまいますが、明治にいたるまで14代の井伊家当主が彦根の地を治めました。

戦国の名残を残した「戦う近世城郭」

戦国の名残を残した「戦う近世城郭」

写真:いなもと かおり

地図を見る

江戸時代のはじめの日本は、いつ戦が勃発してもおかしくない……常に火種がくすぶっているような状態でした。そのため、近世城郭の彦根城も戦国時代を引きずるような戦うモード全開の造りとなっています。

歩いていて特にゾクゾクするポイントは、鐘の丸と太鼓丸の間にある堀切です。櫓や石垣の上など四方八方から狙われる反撃受けまくりゾーン! 守りの堅さが際立つ場所こそ、この城の要である証拠です。

戦国の名残を残した「戦う近世城郭」

写真:いなもと かおり

地図を見る

危険ゾーンを突破してなんとか木橋の前まで迫ると、次に現れるのが正面の「天秤櫓」。櫓門の両脇に2つの櫓がくっついています。

この門をくぐったら、いよいよ喉元をつける! しかし、ここにも仕掛けがあるのです。目の前にある木橋は「落とし橋」ともいって、いざという時は通行できないように橋を壊してしまうのです。なんとも恐ろしい仕掛け! 先人の知恵がつまっていますね。

戦国の名残を残した「戦う近世城郭」

写真:いなもと かおり

地図を見る

こちらは、天秤櫓から見た守り手の視点。堀切の底も、ターンする階段も丸見えです。ちょっと優位にたてたような気持ちの余裕がでてきます。

マニアックに楽しむ!天守の見方

マニアックに楽しむ!天守の見方

写真:いなもと かおり

地図を見る

彦根城は、色々な城の部材や石垣を再利用……つまりリサイクルして築いたといわれています。天守は、同じ滋賀県内にある大津城・天守の材木が再利用されていると考えられており、関ヶ原の戦いでも落城しなかった大津城は縁起がよく、また築城は急を要していたため琵琶湖の水運を使って運びやすかったというメリットがありました。

天守は、100ヶ所以上の隠し狭間や、破風、華頭窓といった装飾がついていて華やかな印象です。隅木に「慶長11年6月2日」の文字が彫られていることから、1606年には完成していたと推測できます。

マニアックに楽しむ!天守の見方

写真:いなもと かおり

地図を見る

城マニアならではのツウな天守の見方をご紹介します。

こちらは天守の梁。よく見ると、文字が彫りこまれていますね! これは落書き……ではなく、天守を建てた当時の大工さんがつけた目印(刻印)です。ここの位置に柱材をハメるよとメモをしているわけですね! こういった目印は他の梁や、柱の膝ほどの高さの位置にも見つけることができるので、注目してみてください。

マニアックに楽しむ!天守の見方

写真:いなもと かおり

地図を見る

そして、こちらもたまらない痕跡です! 上の写真と同じように梁に目印が彫られていますが、よく見ると、その目印の上に「ほぞ穴を板で塞いだ痕跡」があります。これぞまさに別の建物の部材を再利用した証拠。彦根城の天守になる以前に使われていた建物では、塞いだ場所に柱材を通していたと考えられます。

この梁には歴史ロマンがつまっている! このような痕跡は、梁に等間隔で存在するので見つけてみてください。場所は、天守1階の南東側階段近くです。

彦根城は石垣にも注目!

彦根城は石垣にも注目!

写真:いなもと かおり

地図を見る

現存する10棟の建物や藩主庭園・玄宮園など城内には貴重な遺構がありますが、彦根城は石垣もスゴイのです!

例えば、表門にある登り石垣。竪堀とセットで築かれ、敵兵が斜面を横移動することを阻止する効果があります。登り石垣のある城は全国的にもかなり希少で、しかも彦根城には5ヶ所も存在します。

彦根城は石垣にも注目!

写真:いなもと かおり

地図を見る

石垣の素晴らしさといえば、城の北東面にあたる本丸の石垣も圧巻です。最近は木々が伐採され、見事な石垣が姿を見せています。井戸曲輪方面から望む石垣は、彦根城で最も背丈のある高さ20m! とてもカッコイイですね。

ちなみに、彦根城の石垣はそのほとんどが湖東流紋岩ですが、鐘の丸にある石垣の一部から、佐和山でしか採ることのできないチャートの石が確認されています。佐和山城は、石田三成の居城だった場所で、彦根城を築く前に井伊家に充てがわれた城でした。目立つ正面の位置に、佐和山から運んだ石を積んだことから、政権交代を可視化する狙いがあったのではないかと考えられています。

さすが国宝!やっぱり彦根城

さすが国宝!やっぱり彦根城

写真:いなもと かおり

地図を見る

滋賀県は、たくさんの城が築かれた「お城県」! そのなかでも彦根城は、国を代表する宝物です。天守や櫓、石垣、玄宮園、そして全国で唯一現存している馬屋など見どころ満載の城。城を散策したあとは、キャッスルロードでお買い物や食事、デザートタイムも満喫できますよ。滋賀県彦根市にある「彦根城」をじっくり歩いてみて下さい。

彦根城の基本情報

住所:滋賀県彦根市金亀町1−1
電話番号:0749-22-2742(国宝彦根城運営管理センター)
観覧時間:8:30〜17:00
休館日:年中無休
入館料:一般800円、小・中学生200円。※他、彦根城・玄宮園と博物館のセット券あり
アクセス:JR彦根駅より徒歩15分

休館情報については関連MEMOの公式サイトにてご確認ください。

2020年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/03/15 訪問

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- PR -