写真:万葉 りえ
地図を見る沖縄の歴史と文化を知る拠点。それが沖縄県立博物館・美術館、通称「おきみゅー」です。ここへは車はもちろんのこと、ゆいレールでも便利。外観は沖縄の城(ぐすく)がイメージされ、たくさんの展示品から自然も文化も学べて沖縄にグッと詳しくなれる場所です。
写真:万葉 りえ
地図を見る沖縄の歴史の中で、薩摩の支配もあり庶民の暮らしが苦しかった琉球王朝時代。そんな時代の展示の中に人々が布を作っている様子が表現されています。ここに写っている以外にも様々な作業をしている何人もの人達(人形)。おきみゅーでも、たくさんの工程を経ないと一反の布が出来上がらなかったことを知っていただけるでしょう。
写真:万葉 りえ
地図を見る明治時代から区長が率先して芭蕉布の技術を革新し広めてきたのが、大宜味(おおぎみ)村の喜如嘉(きじょか)という地区です。
でもそれには、この土地が持っていた理由もありました。ここは優れた船大工が多く、多くの男たちが那覇へ出てしまっていたのです。そこで村に残った女たちの仕事として芭蕉布は大事なものだったのです。
写真:万葉 りえ
地図を見る太平洋戦争終了後、芭蕉布工場もなくなってしまった中で、芭蕉布の復興に向けて一人の女性が立ち上がります。その女性が、平良敏子氏。戦後は芭蕉布の需要がなくなってしまったため、大変苦しい時代が続きます。こうした中でも努力を続け、今で言うコンクールに出品し始めます。そして、少しずつ、喜如嘉の芭蕉布は優れた工芸品だという評価を上げていったのです。
写真:万葉 りえ
地図を見る戦争未亡人もたくさんいた時代。彼女は、自身で高い評価を受ける芭蕉布を織るだけでなく、近隣の女性たちを雇い、「産業」として軌道に乗せることにも努力を続けたのでした。
ここ芭蕉布会館は、村の女性たちが生産技術を伝え、共同作業を行っている場所。この建物の1階では、芭蕉布の再興にかけた敏子氏のことについて知ることができ、なんとか需要を高めるためにとアメリカ人向けや日本本土向けに工夫した製品なども展示されています。
写真:万葉 りえ
地図を見る芭蕉には、実芭蕉(バナナ)、花芭蕉、糸芭蕉と3種類があり、その中で芭蕉布の原料となるのが糸芭蕉です。
野生の糸芭蕉は繊維が固いので、喜如嘉ではすべて栽培されたものを使います。それも植えっぱなしではなく、柔らかい繊維を得るために手をかけて育てていきます。会館の前でも立派に育っている糸芭蕉をご覧いただけるでしょう。濃い緑に癒されますが、この先も大変な手間と根気がいる作業を経て、風と遊び、羽衣のような軽さを持つ美しい布が生まれてくるのです。
1階では作業の工程もDVDで見られます。まずはそれをご覧いただき、2階の作業スペースへ上がることをお勧めします。
写真:万葉 りえ
地図を見る会館の2階へ上がれば、通路にも芭蕉布造りに使う道具が置かれています。芭蕉の糸1本1本は、1ミリの半分にも満たない極細の繊維。
広い作業部屋へと入れば、より分けられた繊維(うー)が陰干しされていたり(うー干し)、うーをまり状にまとめたり(チング巻き)、長い糸にするためチングから糸をつなぐ(うー積み)など、機織りに至る前にもたくさんある地道な作業の一部をご覧いただけるでしょう。
ただしここは一般的な観光施設ではありません。作業している方々の邪魔にならないように見学ください。
写真:万葉 りえ
地図を見る作業を見せてもらえば、そこからうまれた糸の希少さがさらに強く感じられたはず。1階では芭蕉布を使った小物や、沖縄らしい月桃の製品なども販売されています。この土地らしい芭蕉の葉で包まれた石鹸などもお土産におすすめです。
写真:万葉 りえ
地図を見る大宜味村はシークヮーサーの里ともいわれていて、「大宜味シークヮーサーパーク」では無料で見学や試飲ができるようになっています(関連MEMOをご参照ください)。また、今帰仁城や沖縄美ら海水族館がある本部半島へは屋我地島経由でドライブも楽しめます。
沖縄の貴重な伝統工芸を伝える、大宜味村立芭蕉布会館。ぜひここで沖縄の宝の一つにふれてみてください。
住所:沖縄県大宜味村字喜如嘉454
電話番号:0980-44-3033
※糸芭蕉の繊維「うー」は、大宜味村立芭蕉布会館では「草かんむり」の下に「うかんむり」に「丁」で表記されます。
2020年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/2/12更新)
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