写真:miyoshi yuca
地図を見るテートモダンは本館ボイラーハウスと新館となるスイッチハウスに分かれており、新館には無料で登れる展望台もあります。発電所だった本館ボイラーハウスは建物自体も見どころで、本館と新館の間には大型の発電機が置かれていたため今は巨大な吹き抜けになっている「タービンホール」があります。
写真:miyoshi yuca
地図を見るクロード・モネは印象派の代表的なフランス人画家。それまで写実的な宗教画などが主流だったヨーロッパで自然の美しさを描くことに徹底、多くの作品を残しています。
モネの作品は、時間とともに変わりゆく光の移ろい、季節の移り変わりを描くために、同じモチーフを何枚も描き続ける連作というスタイルが特徴です。特にモネが好んで描いた「睡蓮」が有名です(写真)。睡蓮を描いた作品は実に約250枚も残されており、世界中の美術館に収蔵されています。もちろんテートモダンのコレクションにもあります。
モネは水面に映る光をいかにとらえ、いかに表現するか、その技法を追求しつづけました。日本美術に大きな影響を受けたというモネのスタイルは日本人にも馴染み深いです。こうした自分なりにみえたものを自分なりに表現したいという探究心や、新しい技法の模索は、のちの画家に大変大きな影響を与えました。
写真:miyoshi yuca
地図を見るゲルニカで知られるパブロ・ピカソは、「キュビズム」など誰が見てもすぐにピカソだとわかる独特なスタイルをもちますが、実は時期によって全く違う技法やスタイルの作品を描いています。同じ画家の作品とは思えないほど、ガラッと作風を変え、常に勝負に出るピカソの芸術に対する姿勢には、多くの人々が感銘を受けてきました。
テートモダンにもそんなピカソの違う年代の作品が見られるので、その違いや共通点などを比較しながらピカソの独創性を鑑賞するのも面白いかもしれません。愛人を描いた「泣く女」や、好んで何度も描いた南フランスのアトリエがモチーフの「スタジオ」(写真)など有名な作品もあります。
写真:miyoshi yuca
地図を見るアンディ・ウォーホルは、ポップ・アートというジャンルを作り出したアメリカ人のアーティストです。
ウォーホルは誰にでも身近で、どこにでもあるモチーフを使用したことで有名です。例えばコカ・コーラやキャンベルのスープ缶、マリリンモンローの肖像など。ウォーホルはそれをあろうことかシルクスクリーンに印刷しました。当時はアートとして認められず批判を受けましたが、「大量生産できる大衆的なもの」をアートとして扱うことで、エリート志向な芸術の世界に挑戦したのです。時代に逆らい、自分の道を作り出したウォーホルの反骨精神はまさに偉大なアーティストならではの姿なのかもしれません。
テートモダンでもウォーホルの作品を所蔵しているので、色々な作品をみることができます!
写真:miyoshi yuca
地図を見るシュールレアリスムの代表格とも言えるサルバドール・ダリは他人と違うことをしたいと、とにかく個性を追求しました。「当たり前」であることに疑問を抱いたダリは、例えばレストランでロブスターを注文したら、お皿の代わりに茹でられた電話器にロブスターが乗っていてもいいのではないか、というかなり飛び抜けた発想をそのまま作品にしたり(「ロブスター電話」写真)、他にも時計が溶ける作品など奇抜な作風が有名です。
私にとっての普通があなたにとっての普通とは限らない。普通とはなんのか、常に見るものに問いかけ続けたダリは芸術の歴史にとって重要な人物なのです。
写真:miyoshi yuca
地図を見るマルセル・デュシャンの作品は難解なことでも知られています。とにかく突飛な作品タイトルで見る人を惑わせるのが得意なデュシャンですが、特に有名なのがテートモダンでも展示されている「泉」という作品。これは陶器でできた便器に仮名でサインしただけの作品です。見た人はまず「これはどういう意味なんだろう?」と首を傾げます。こうしてドゥシャンは「芸術とは何か」を私たちに問いかけます。
自ら作らなくても既製品にタイトルをつけることで、そのものの見方を変えてしまう。そしてどこにでもあるものが芸術作品になってしまいます。デュシャンは、それまでの芸術とは何かを作ることだという考え方を揺るがし、現代アートを確立させた偉人でもあるのです。
写真:miyoshi yuca
地図を見るテートモダンの見どころの一つでもある、マーク・ロスコの作品だけが並べられた「ロスコルーム」は必見です。自分の作品を並べ同じ場所で見せることにこだわったというロスコ作品の展示スタイルを堪能できる贅沢な空間です。照明がうっすらと落とされ、「瞑想する絵画」といえるのがうなずけるような心落ち着く空間になっています。
大きなキャンバスに色を重ねただけに見えるシンプルすぎる構図ですが、時間をかけて鑑賞するとそれ以上の発見があり、見る人を惹きつけます。だからどの作品よりも鑑賞者が足を止め、じっくり時間をかけているのでしょう。
写真:miyoshi yuca
地図を見る2016年に開館した新館スイッチハウスの展望台からはロンドン市内を一望できます!高いビルがあまりないロンドンでここまでの景色はなかなか見られません。テムズ川に架かるミレニアムブリッジにつながる高い建物が、テートモダンの本館ボイラーハウスです。気持ちの良い風を感じながらパノラマビューを楽しんでください!
なお、今回ご紹介した作品は、訪問時期によっては貸出や修復などで展示されていない可能性もありますのでご了承ください。
住所:Bankside, London SE1 9TG
開館時間:
日曜〜木曜 10:00〜18:00
金曜・土曜 10:00〜22:00
入場料:無料 ※特別展は有料
アクセス:最寄り駅「サザーク(Southwark)駅」から徒歩
2020年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事を書いたナビゲーター
miyoshi yuca
日本生まれボリビア育ちベルリン在住。世界の文化遺産保護の研究をするためドイツの大学院に在籍。幼い頃から海外に住む経験があったためか、私にとって日本と海外の境目は常に曖昧でした。多様な世界で異なることが…
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