水中美術館は2010年にイギリス人彫刻家のJason deCaires Taylor氏によって作られました。当時カンクンでは観光客の増加や地球温暖化の影響を受け海水温が上昇し、環境の変化によるサンゴ礁の減少が深刻な問題となっていました。
人的要因と環境要因の両方により失われつつあるサンゴ礁の増殖を促すためにテイラー氏は、サンゴが育ちやすい素材で作られた彫刻を海底に沈める活動を始めます。
その結果当初の狙い通り彫刻にはたくさんのサンゴや海藻が育ち、あらゆる種類の魚が棲みつくようになりました。
カンクンの他にも世界ではスペイン沖にあるランサローテ島やバハマ諸島のナッソーにも環境保全を目的として彫刻が沈められていますが、カンクンにある水中美術館が世界最大規模となっています。
写真:津郷 佳子
地図を見る水中美術館へ行くためにはツアーに申し込む必要があります。バスや電車のように決まった時刻と乗り場から水中美術館行きのフェリーが出ているというわけではないため、個人では行くことができません。
現地ホテルのフロントから申し込むと割高になってしまう可能性があるため、予め日本にいる際にネットからツアーを予約しておくのがおすすめです。
カンクンのホテルゾーンが建ち並ぶエリアへツアーガイドが迎えに来た後は、フェリー乗り場まで移動します。乗り場を出発して30分程船に揺られていると、カリブ海沖にある彫刻が沈められたスポットに到着します。
スキューバダイビングとシュノーケリングの2通りで水中美術館を鑑賞することができます。海底はおおよそ7〜8メートルであるため、シュノーケリングでも彫刻の様子を上から鑑賞することが可能であり、またたくさんの魚が彫刻に寄り付いている姿を見ることができます。
彫刻はメキシコにあるイスラムへーレス島の実際の住民をモデルに作成されており、ダイビングで海底まで潜るとその表情までもがよく観察できます。
沈められてから時間が経過した彫刻の中には海洋生物の育成に成功し、顔がわからないほどサンゴや海藻が付着しているものもあります。
人物をモデルにした彫刻の他に、車や爆弾などの像も。一緒に記念撮影をするダイバーが多く人気のスポットとなっています。
水中美術館の魅力は、なんといってもオブジェを至近距離で見ることができ、実際に触ることができる点です。通常、美術館といえば作品に近付ける距離が制限されている場合が多く、細部まで観察することは難しいものです。
しかしこの水中美術館では一つ一つの作品を触って確かめながらじっくりと近くで見ることができます。自由に写真撮影できる点も嬉しいポイントです。
カンクンへお越しの際は世界でも類を見ない水中美術館で、青く透き通るカリブ海をアートな視点から楽しんでみてはいかがでしょうか。
住所:Blvd. Kukulcan Km. 15.3、La Isla, Zona Hotelera、77500 Cancun, Q.R,Mexico
2020年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/12/2更新)
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