ジュラ紀に迷い込む?奄美大島「金作原」原生林トレッキングツアー

ジュラ紀に迷い込む?奄美大島「金作原」原生林トレッキングツアー

更新日:2020/05/31 16:03

安藤 美紀のプロフィール写真 安藤 美紀 おこもり温泉宿探求家、おいしいもの探検家
太古の昔。ユーラシア大陸のヘリから孤絶して生まれた、鹿児島県・奄美大島には、独自の進化を遂げた動植物が数多く生息しています。
なかでも、映画「ゴジラ」のロケ地になった金作原(きんさくばる)は、10m級の巨大植物がワサワサ茂る原生林。翼を広げた恐竜が今にも現れそうな原始の景色に、「日本にもこんな場所があったなんて!」と驚くはず。優しくて力強い、リアルな“ジャングル”を歩く旅をお楽しみください。

奄美の人気観光スポット、金作原原生林ってどんな場所?

奄美の人気観光スポット、金作原原生林ってどんな場所?

提供元:観光ネットワーク奄美

http://www.amami.com/地図を見る

サトウキビと大島紬で有名な奄美群島最大の離島、奄美大島。奄美の森は、まるでブロッコリーのように緑が色濃くてモコモコしています。

そんな奄美大島の中で、自然大好き!という人にオススメしたい観光スポットが、日本を代表する亜熱帯性常緑照葉樹林の金作原原生林。標高約300m、面積は約125ヘクタール。東京ドームだと、およそ26個分の大きさです。

動画:安藤 美紀

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手つかずの自然が残る金作原は、その半分が自然林。森の中には、ダイナミックな照葉樹のほかに、川あり谷あり!原色の森は、ストレスもちっぽけな悩みも全部はね返してくれるほど、リラックス&ヒーリング効果抜群です。

まずは、ツアーのダイジェスト動画を楽しみください。澄んだ空気の森林浴と、巨木たちが待っていますよ。

奄美の人気観光スポット、金作原原生林ってどんな場所?

写真:安藤 美紀

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金作原へ行くには、2019年2月から認定ガイドさんの同行が必須となりました。自力で行くのはNG。ツアーに参加して、ガイドさんと一緒に行くようにしましょう。

イチオシは、1998年設立の「観光ネットワーク奄美」。こちらは、幼い頃から島の自然の中で育った“奄美愛”にあふれる、西條 和久さんが運営する会社。iPadを使ったガイドが好評で、見て聞いて触れて、金作原の楽しさを五感で教えてくれます。

着いたのは、本物のジャングル

着いたのは、本物のジャングル

写真:安藤 美紀

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ツアーの所要時間は、3時間ほど。金作原のゲートまではガイドさんの車で移動します。ゲート付近で車を降りたら、いよいよ探検のスタート!巨大植物が茂る原生林を、ガイドさんと一緒に突き進んでいきます。

金作原最大の特徴は、大型のシダが生い茂っていること。バランス良く光が入る場所では、大きく立派に成長したシダの一種、ヒカゲヘゴの群生が見られます。

かれこれ20年ほど前。ここは、1994年版の映画「ゴジラvsスペースゴジラ」のロケ地としても使われました。巨大ヒカゲヘゴに近づいてみると、本当に恐竜が現れそうでドキドキ。「これぞジャングル!」という気持ちが沸き起こってきます。

着いたのは、本物のジャングル

写真:安藤 美紀

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ヒカゲヘゴの名前の由来は、日陰を好むわけではなく、日陰を作るくらい大きく成長することから付けられました。ヘゴの下に立つと、強い日差しが遮られ、爽やかな空気が体を包んでくれます。ヘゴに近づいたら、下から覗き見てみて!美しい葉脈も楽しめますよ。

着いたのは、本物のジャングル

写真:安藤 美紀

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往復2kmほどのコースは、安全だけどワイルド感たっぷり。途中、蛇のようにグネッと曲がった巨大ヒカゲヘゴも出現します。太陽に向かって枝伸ばす姿は、「光をくださーい!」と言わんばかり。まるでタフな人間のようですね!

ちなみに、ヒカゲヘゴは奄美大島が北限。この島より北にヒカゲヘゴはありません。

野鳥観察は、眼福&耳福?

野鳥観察は、眼福&耳福?

提供元:一般社団法人あまみ大島観光物産連盟

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金作原全体の6割を占める木は、シイノキ。秋になると実をたくさん落とすので、この実を食べるために、秋から春先にかけて日本列島から渡り鳥がどんどん奄美大島へやってきます。どのくらいの数かというと……。なんと日本で確認されている野鳥の50〜60%(350〜360種類)が、ここで見られるんです。

奄美に夏の訪れを告げてくれる鳥といえば、リュウキュウアカショウビン。ちょうどゴールデンウイーク前後にやってきて、夏に子育てをして、子育てが終わる秋になるとまた南の方へ旅立ちます。

アカショウビンの軽やかな美声「キュロロ」が聞こると、奄美の夏の始まり!

野鳥観察は、眼福&耳福?

提供元:一般社団法人あまみ大島観光物産連盟

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リュウキュウアカショウビンのように、季節の移り変わりをしっかり教えてくれる野鳥といえば、ルリカケス。世界の中でもこの島にしかいない、奄美大島のみに生息する天然記念物です。

この鳥、幸せの青い鳥を見つけたようで嬉しくなりますが、天は二物を与えず。鳴き声はカラスに似た「ギャーギャー」声なんです。……あれれ、ちょっと残念?とはいえ、見た目と声のギャップも魅力の一つかもしれませんね。

金作原で出会える、日本一美しいカエル

金作原で出会える、日本一美しいカエル

写真:安藤 美紀

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テンポよく歩いていくと、サラサラ…という水音が聞こえてきます。この下には沢があるため、周囲の湿度はぐんぐん上昇。6月や7月に来ると、ただ立っているだけでも汗がダラダラ吹き出してきます。

しかし、この蒸し暑さも、なかなか出来ない貴重な体験。天然のサウナで汗をいっぱいかいたら、下山後の黒糖焼酎をお楽しみに。最高においしい1杯になるはずですよ。

金作原で出会える、日本一美しいカエル

提供元:一般社団法人あまみ大島観光物産連盟

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沢沿いの苔むした場所で見られる生物の代表格、希少種のアマミイシカワカエル。小鳥のような「キュー」という高音ボイスが特徴で、体に“金のしずく”を散りばめたような模様があることから、「日本一美しいカエル」とも言われています。

繁殖期(1月〜5月頃)に金作原へ行く方は、アマミイシカワガエルに会えるかもしれませんね。

トトロの傘も見〜つけた!

トトロの傘も見〜つけた!

写真:安藤 美紀

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ジブリ好きの方なら、もう気付いているかもしれませんね!そう、この葉っぱはジブリ映画「となりのトトロ」で、トトロが傘代わりに頭にのっけていたクワズイモ。

金作原は野生のクワズイモがあちこち生えているので、トトロの世界にどっぷり浸れます。

トトロの傘も見〜つけた!

写真:安藤 美紀

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最後のミッションは、40段ほど階段をおりた先ある、樹齢200年近い樫の木「オキナワウラジロガシ」を見に行くこと。

ひときわ存在感放っているこの木は、高さ約20m、胸高直径が1mもある、奄美大島最大級の巨木。根っこが珍しくて、自らを支えるために、斜面に沿って板状に根を張り巡らせています。近づいてみると人智を超えたパワーを感じられ、思わず見入ってしまうほど!

トトロの傘も見〜つけた!

写真:安藤 美紀

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オキナワウラジロガシを眺めたら、後は折り返してもと来た道を歩いていきます。帰り道は、澄んだ空気の中、深呼吸しながら森のパワーがチャージされる感覚を楽しんでくださいね。

今回のツアーは、アップダウンが少ないルートで、3時間あれば濃厚なジャングル探検ができます。晴れた日も良いけれど、ドン曇りの雨の重たい雰囲気のときも、ジャングル感が出てオススメですよ。

都会の蜜から抜け出して、のんびりゆっくりできる奄美大島へ。スマホのアプリゲームよりも歯ごたえのある、ジャングルハイな旅をしてみませんか?

金作原原生林ツアーの基本情報

料金:大人4,000円
所要時間:約3時間(午前or午後)
電話番号:0997-54-4991(観光ネットワーク奄美)

2020年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください

取材協力:鹿児島県

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/01/24 訪問

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