日本の原風景・棚田を歩き、心を育てる1日

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日本の原風景・棚田を歩き、心を育てる1日

日本の原風景・棚田を歩き、心を育てる1日

更新日:2013/06/21 18:01

SHIZUKOのプロフィール写真 SHIZUKO 舞台演出者

急峻な山肌を、幾何学的にあるいは不規則に模様付ける棚田。この風景を美しいと感じるのは、農耕民族のDNAゆえなのか。こんな場所をどうやって先人は開墾したのだろう。なぜ、それほどまでして人々は米を慈しみ、作り続けたのだろう。

米離れと言われる今『食』とは『生きる』とは、と考えずにはいられない風景。お米を主食としてきた日本の美しい棚田を歩き、お米と自分を再発見する旅はいかがですか。

    日本最大規模枚数を誇る丸山千枚田

    日本最大規模枚数を誇る丸山千枚田

    写真:SHIZUKO

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    三重県熊野市紀和町にある丸山千枚田。世界遺産・熊野古道伊勢路の途中にあります。

    17世紀には、すでに2千枚以上の棚田があったと記述があるのですが、平成初期には、地域の過疎化や稲作転換政策などにより530枚まで減少した棚田。しかし、平成5年には「自分達の代でこの貴重な文化遺産を無くすわけにはいかない。素晴らしい景観と農耕文化を後世に残し伝えていかなければならない」と丸山千枚田保存会を結成。平成6年に全国初の千枚田条例を制定して、今や、日本最大規模の1340枚という棚田が生きている地域です。

    四季折々の彩りで、日本の食の基礎を支える

    四季折々の彩りで、日本の食の基礎を支える

    写真:SHIZUKO

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    棚田は、日本の四季それぞれの美しさを凝縮して見せてくれる場所でもあります。

    春に田植えが始まり、田に水が張られると、畦に囲まれた一枚一枚の田が鏡のようになり、朝日・夕陽を映し出し、えもいわれぬ美しさ。夏には、柔らかな緑の絨毯が現れ、夜には蛍が黄色の光を添える。秋になると、彼岸花の赤に黄金に色付く穂がくっきりとコントラストを描き出し、刈り取られた後は、黒い土の色を見せ、静かに再生を待って眠りにつく。

    そうやって、毎年毎年、日本の主食の米を生み出してくれる。機械化できない、手間隙がかかる面倒な場所だからこそ、愛情たっぷりに育つ米。山間の地でも、米が作り続けられたから、先人達は生き延び、その歴史の上に自分達が今、生かされているのだと感謝せずにいられません。

    アラギ島は、美しい円形を描いて

    アラギ島は、美しい円形を描いて

    写真:SHIZUKO

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    和歌山県有田郡にあるアラギ島。丸山千枚田からは、車で2時間強の旅。紀伊半島横断ドライブです。

    こちらも日本の棚田百選に選ばれている場所。

    円形を描く棚田は、独特の美しさ。一番上段の田、通称「天井田」で収穫された米や餅米でついた餅は秋篠宮夫妻や悠仁親王に献上されているそうです。

    琵琶湖の湖西にも美しい棚田を見ることが…

    琵琶湖の湖西にも美しい棚田を見ることが…

    写真:SHIZUKO

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    滋賀県高島市畑地区内にも美しい棚田があります。

    とにかく、急な坂に沿って棚田が形成されていますから、全体を見渡そうと思うとかなりな斜面を登って行くことに。もう、息も絶え絶え、足の筋肉が悲鳴をあげる頃、この畑地区の美しい棚田の全貌に出会えます。山間のこの地に、人々が苦労と工夫を重ね、作り上げた棚田はあまりにも美しい。

    一人フラフラと棚田を歩く訪問者に、地元の方はとても優しかった。一人の方が農作業の手を止めて「綺麗な写真撮れたか?」と声をかけてくださったんです。観光地ではない生活の場に踏み込んで、キョロキョロ見回し、写真を撮っている自分は失礼なんじゃないかと思っていたまさにそんな時でした。その優しさに、とても救われました。

    日本の棚田百選を守る棚田オーナー制度

    日本の棚田百選を守る棚田オーナー制度

    写真:SHIZUKO

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    棚田を守るために費やされる労力は、計り知れないものがあります。急峻な狭い田の収穫量と、そのため労働時間を考えれば、休耕地として放置された歴史も納得せざるを得ません。

    けれど、そこをなお、もう一歩踏み込み、守っていこうという制度があります。棚田オーナー制度です。全国各地で、棚田を守るためのオーナーが募集されています。

    都市部の生活で、干からびてしまった心に新鮮なゆとりを注入してくれる棚田。まずは、ゆっくりと田を渡る風と一緒に棚田を巡り、食べ物を口に出来る幸せを再発見する。そして、もし、小さくても自分の田を手に入れることを選択したとすれば、それは一生ものとの出会いの旅となることでしょう。

    掲載内容は執筆時点のものです。 2012/07/14−2012/07/15 訪問

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