提供元:エース株式会社
https://www.ace.jp/museum/日常生活でも旅行でも私たちが当たり前のように使っているカバンが、いったいどのようにして生まれたかなど考えたことが無い方がほとんどだろう。
博物館では、まず初めにカバンの起源、そしてその発展の様子を展示する。世界最古のカバンはどのようなものだったのか?「トランク」の名前の由来は?エントランスから興味がどんどん加速してゆくに違いない。
写真:藤井 麻未
地図を見る続いて、現代のカバン使用場面でおおいに役立ちそうなのが「カバンのひみつ」展示コーナーだ。例えば、知っていそうで実はよく分かっていないカバンの材質。人工皮革、合成皮革、合成樹脂、化学繊維など、それぞれの特徴などがサンプル付きで展示されている。カバンを購入するときの参考にもなりそうだ。
カバンの見極め方やお手入れ方法、トラブル解消法など豆知識も役に立つ。旅好きに嬉しいのはスーツケースの細かいパーツの名称や働きを示した展示。スーツケース選びの際どこに注目すれば良いのかがが一目瞭然だ。
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https://www.ace.jp/museum/そして、この博物館の一番の見所とも言えるのが「世界のカバンコレクション」展示コーナーだ。世界五大陸、50か国以上から集められた収蔵品約550点のうち270点ものカバンがズラリと並ぶ様子は圧巻の一言。時代も国も様々なカバンがこれほど沢山ならぶ様子はおそらく見たことが無いだろう。各エリアごとにカバンの傾向が違い、文化までが透けて見えるのも面白い。その中から、いくつか注目のカバンをご紹介しよう。
まずは現代でも世界のファッションシーンをリードしているヨーロッパ。カバンの歴史も長く、高い技術とデザイン性が大きな特徴だ。例えば、1950年代イタリア製のワインボトルバッグ。山羊革とジャカード織の組み合わせがエレガントで、当時ヨーロッパの産業文化を支えた貴族や上流階級のライフスタイルを彷彿とさせる。週末にはこれを携えて優雅に小旅行にでも出掛けていたのだろう。
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https://www.ace.jp/museum/世界に名立たるハイブランドが名を連ねるのもやはりヨーロッパだ。ここでは目を見張るような名品をも目にすることができる。
世界中の王侯貴族、著名人を虜にしてきたフランスの高級ブランドMorabito(モラビト)社が手掛けた1978年製ワニ革キャビントランク。稀少性の高い最高級のイリエワニ12匹分の皮を使用しており、世界に3個しか現存しないとされている。当時の王侯貴族や上流階級はこういった高級トランクを持ち、最高級船での旅を楽しんでいたのだ。
写真:藤井 麻未
地図を見る他にも海兵軍の持つボンサックをヒントとした優雅な筒状トラベルバッグや、1960年当時特別な素材であったヴェルヴェットをふんだんに使用したイタリア製小旅行用バッグなど、さすがヨーロッパエリアには現代でも思わず欲しくなるようなオシャレなカバンがズラリと並ぶ。
写真:藤井 麻未
地図を見る常に革新的な新素材や機能性を追求するのはアメリカ(北米)ラゲージの特徴と言える。現在でも高性能スーツケースブランドとして知られているゼロハリバートンは、1969年にアポロ11号が人類初の月面着陸を果たした際NASAから依頼され月の石格納器を製造した。
特殊スペックではなく通常モデルの内装を改造したのみで、宇宙でも通用するケースとして「世界で最も完成度の高いラゲージ」と評価されている。ここでは、当モデルのアーカイブ品を見ることができる。
写真:藤井 麻未
地図を見る古くから富裕層が愛用した旅行用ラゲージもアメリカ製のものは高機能だ。長期の船旅用に造られたワードローブトランクは文字通り持ち運べる洋服箪笥。立てたまま安定して開閉でき、移動中にはハンガーが偏らないよう固定できる。更に正装用シルクハットの収納スペースまでついているというのだから、その機能性に脱帽だ。
すぐ横に展示されるサラトガ・トランクは、19世紀後半に保養地サラトガ・スプリングスを訪れる富裕層が愛用していた当時の最高級品。蓋の部分が丸い形状になっているのは貨物車で一番上に積まれるためだ。その工夫に思わず唸ってしまう。
写真:藤井 麻未
地図を見るオセアニアやアフリカからは、主に土着の民族、部族が使用しているカバンが展示されている。ニュージーランドのマオリ族やサモアのかごバッグなどに見られる、自然資源を最大限に活かして造られたデザインは現代の私たちから見てもオシャレで個性的だ。
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https://www.ace.jp/museum/アフリカに暮らす各部族の貴重なカバン、庶民の日用カバンなど部族の特徴や生活ぶりを示すカバンはまるで現代のアーティストが手掛けたデザインのようだ。それぞれのモチーフには意味があり、アフリカの部族の文化を知る足掛かりにもなる。
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https://www.ace.jp/museum/そして、アジア各国からは文化や風土により異なる発展を遂げた特徴的なカバンが展示される。中でもメインとなる日本のカバンは、明治維新以降に欧米のカバンを職人たちが模倣する形で発展していった。ものづくりの国ならではの丁寧で高品質な作り、手間と工夫が凝らされた名品の数々を見ることができる。
明治時代に国産化されたシルクハットケースとシャツカラー携帯ケースはかつて皇族や華族の必携品だったもの。馬具の革具師であった革具職人たちが熟練の技を競って作ったカバンには高度な技術が光る。
写真:藤井 麻未
地図を見る館内にはその他カバンにまつわる面白い展示がある。オリンピック選手をはじめ著名人の愛用カバンを集めた「わたしのカバンコーナー」、カバンに関する文化やファッションをテーマとした企画展示エリアでは現代カバン文化の奥深さを感じることができる。(写真の企画展「モチハコブカタチ展」は既に終了)
8階にはエース株式会社創業者の新川柳作記念館が併設され、日本のカバンにおける新川氏の取り組み、往年の懐かしいスーツケースやカバンの数々を見ることができる。
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https://www.ace.jp/museum/「世界のカバン博物館」はいかがだっただろうか。現代の私たちが当たり前のように使っているカバンだが、時代を遡り国をまたげばこれほどユニークなカバンがあったのかと驚かされる。現在、自宅でもカバンの世界を楽しめるガイドアプリもリリース中。他に類をみないユニークな博物館、ぜひその魅力を味わってみてはいかがだろうか。
住所:東京都台東区駒形1−8−10
電話番号:03-3847-5680
アクセス:都営地下鉄浅草線 浅草駅A1出口より約50m、東京メトロ銀座線 浅草駅2番出口より約500m
※休業情報等については公式サイトにてご確認ください。
2020年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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