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https://www.photo-ac.comはじめに言っておきますが、私は落語に詳しいわけではありません。1年ほど前に初めて寄席に行った初心者です。同じように興味はあっても縁がなかった人へ、ステイホームの今だからこそ、落語をオススメしたいんです!
落語は、噺家さんの語りと扇子と手拭いの小道具だけで、物語が動き出す世界です。いつでもどこへでも、時には海中やあの世まで連れて行ってくれます。そのうえ、楽しくて最後にはオチ(サゲ)がある、日本だけのすごい演芸なのですよ。
「古典落語」といっても現代語ですし、演目1本あたりで20〜30分くらい。時代設定とか細かいことは気にせず、家でなら息抜きに音楽を聞くような感覚がピッタリなんです。無料を含めネット配信をしているサイトがいくつもありますから、寝そべりながらお菓子を食べたり、酒のアテにしたり、気楽に楽しんでみてください。
江戸時代は、現代のように誰もが旅行に行きやすい時代ではないので、憧れの旅を噺家さんがおもしろおかしく話してくれる落語がみんな好きだったのでしょうね。
おや?自由に旅に行けない時代・・・・・・今と似たようなもんじゃないですか!
上方落語には、お伊勢参りや金刀比羅宮参詣を題材にした「旅ネタ」と呼ばれるものがあり、江戸の落語も同様に旅にまつわる噺が多いんです。古典落語ばかりではなく、創作落語でも「鉄道落語」というジャンルも生まれているので、現代の旅も楽しめますよ。
おすすめの演目:『三十石』『兵庫船』『いらちの愛宕詣り』『大山詣り』『地獄八景亡者戯』など
写真:塚本 隆司
地図を見る観光スポットが題材になっている演目もあります。
例えば、姫路城(兵庫県姫路市)城内にある「お菊井戸」。上方落語では姫路が舞台です。歌舞伎や浄瑠璃で怪談話として演じられる題材ですが、落語ではちゃんとオチのある笑える噺です。
ちなみに姫路城天守下のお菊井戸は大正時代に名付けられたもの。実際には落語に出てくるように城下の中心地から少し離れた場所にあったようです。
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https://www.photo-ac.com落語から始まり、名物になったものといえば『目黒のさんま』。毎年9月に目黒駅駅前商店街(東京都品川区)で開かれる「目黒のさんま祭り」では寄席もありますよ。「さんまは目黒にかぎる!」その理由を知りたい人は、落語でどうぞ。
おすすめの演目:『皿屋敷(お菊の皿)』『目黒のさんま』『新聞記事(阿弥陀池)』など
古典落語の時代は、旅をしながら商売をしているようなものでした。だから、立ち寄った宿が舞台の噺も多いです。「昔はこういうこともあったのか」「こんな宿に入ってしまったら、どうしよう」など、なかなか楽しいですよ。
おすすめの演目:『手水廻し』『抜け雀』『宿屋の仇討ち(宿屋仇)』『茗荷宿』など。創作落語では、笑福亭福笑さんの『宿屋ばばあ』は大好きな演目のひとつです。
写真:塚本 隆司
地図を見るこの春、花見に行けなかった人も多いですよね。花見が題材の噺で屋外での宴会気分が楽しめますよ。一緒に飲みたいと思うものもあれば、離れたところで見ていたいものもありますけど。でも、どれも楽しそうなんですよ。来年の春は楽しい花見がしたいですね。
おすすめの演目:『花見酒』『長屋の花見(貧乏花見)』『花見の仇討』など
ステイホームで落語を楽しむメリットは、あらすじを調べながら聞けること。オチまで知ってしまうと楽しみ半減ですが、あらすじを把握していると言葉を聞き逃すことも少なくなります。おもしろくないと感じたら途中でやめて、他の噺家やネタにしたって大丈夫。初めて聞くなら寄席よりもステイホームの方がいいかもしれませんね。
でも、落語の一番の楽しみはライブです。他のお客さんと一緒に笑える一体感がたまりません。寄席で楽しく過ごした後は、近くの居酒屋で「あ〜面白かったなぁ」なんて言いながら一杯飲むのが至福の時間です。
今はステイホームで落語鑑賞。落ち着いたら、寄席に出掛けて大いに笑いましょう。
この記事を書いたナビゲーター
塚本 隆司
好むと好まざるとにかかわらず、一人旅がやたら多い。姫路城が見えるところで育ったためか、城や歴史が大好き。歴史ミステリーを追い求め、現実逃避。新スポット・人気スポットと聞けば、行ってみる。郷土料理と聞け…
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(2025/2/7更新)
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