写真:浅井 みら野
地図を見るウユニ塩湖の中央に位置するインカ・ワシ島。「ワシ」は現地のケチュア語で家を指し、インカ・ワシは「インカの家」という意味。インカ時代に塩を運搬する際の中継地点として、商人やラマが休息をとった場所です。
ウユニ塩湖には大小30を超す島が点在していますが、観光客が立ち寄れるのはインカ・ワシ島のほか、島の形が魚に見えることから「魚の島」と呼ばれているイスラ・デ・ペスカ(Isla de Pesca)に限られています。
写真:浅井 みら野
地図を見る何といっても印象的なのが島全体に生えているサボテンの数々。南米に多いエキノプシス属の一種で、小さなものは数10cmほどですが、大きなものだと8m以上と人の背丈をゆうに超すものも。水分がない過酷な環境をものともせず、丸みを帯びた姿でニョキニョキと生えています。
写真:浅井 みら野
地図を見る湖が水を張る雨季は島への道のりが困難なため、訪れるなら乾季(4月〜10月頃)がおすすめ。干上がった塩の大地とゴツゴツした岩肌の島との組み合わせは、美しいというより奇怪な光景です。
写真:浅井 みら野
地図を見る高さ50mに満たない平坦な島ですが、頂上に向かう遊歩道が整備されています。サクサクと歩けそうに見えるものの、ここは既に標高3,700mの世界。富士山の山頂を目指すのと同じ環境なので、歩く時はゆっくりで。
写真:浅井 みら野
地図を見る頂上までの道すがらで目にする地面や壁は、珊瑚の化石や藻の堆積物など海に由来するものばかり。高山帯に海とは意外な組み合わせですが、実は太古の昔、ここは海の底だったのです。
アンデス山脈が隆起した際、大量の海水も氷河となって留まりましたが、やがて気候が温暖になると氷河が溶け始め、海水が平らな場所へ流れ出し、大きな湖になりました。そこから流出する川もなく、徐々に蒸発することで幾つかの小さな湖に分かれ、その1つがウユニ塩湖になりました。
写真:浅井 みら野
地図を見る太古に起きた地殻変動の名残を見ながら、ゆっくり歩くこと30分で山頂に到着。息は切れ切れになり、強い日差しを浴びながらも、その頑張りが報われる時がやって来ます。
写真:浅井 みら野
地図を見る頂上からは360度にわたってウユニ塩湖を一望でき、その圧巻の眺めは言葉にできないほど。
平らな土地が続くこの辺りでは俯瞰できる場所も限られていて、ウユニ塩湖の中央に位置するインカ・ワシ島は絶好の展望台です。
写真:浅井 みら野
地図を見る地面が完全に干上がっている場所は真っ白で、少しでも水分が残っている場所は鏡張りという様子も一目瞭然。
標高5,432mのトゥヌパ火山はじめ、ウユニ塩湖を囲っている山々も見渡せます。
写真:浅井 みら野
地図を見るウユニ塩湖を走破する車の姿がまるでミニカーのよう。ウユニ塩湖の大きさは琵琶湖の約18倍で、学術的には塩湖ではなく平原を指す「塩原」と呼ぶことにも納得です。
写真:浅井 みら野
地図を見るウユニ塩湖では複数の観光ツアーが開催され、その中にインカ・ワシ島に立ち寄るプランがあります。もしくはドライバーさんとの交渉次第で案内してもらえることも。当日の天候や道路事情で変更する場合もありますので、出発前に確認しておくと安心です。
島にはレストランがあり、ここでサンドウィッチや簡単な地元料理が食べられるほか、トイレも完備されています。
写真:浅井 みら野
地図を見る世界の絶景に代表されるウユニ塩湖の誕生秘話が地元の人たちに伝承として語り継がれています。それはかつてウユニ塩湖の近くにいた山の女神が子供を授かると、2人の神様が父親だと名乗りを上げて争いを繰り広げます。子供の身を守るため母親はウユニ塩湖から子供を遠ざけますが、その際にお腹を空かせないように大地にミルクを流しました。そのミルクが干上がって塩だけ残ったのがウユニ塩湖だといわれているのです。
母親の愛情が込められたミルクは子供だけでなく、もしかしたらインカ・ワシ島のサボテンに恵みを与え、青と白の景色にちょっとした彩りを添えたのかもしれません。ぜひ訪れた際は、ウユニ塩湖が見渡せる特等席でその独特な世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
アクセス:塩の精製所から車で約1時間
2021年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
浅井 みら野
イタリア生まれ、ドイツ育ちの日本人です。まだまだ知られていないけど、魅力的な土地を世界、国内問わず紹介しています。ヨーロッパ、アメリカ方面が多いですが、呼ばれればどこへでも。冬はゲレンデに出没すること…
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