ヴェネチア旅でお土産にしたい!魅惑のご当地チーズ4選

ヴェネチア旅でお土産にしたい!魅惑のご当地チーズ4選

更新日:2020/05/21 12:36

ケイコ ソリーノのプロフィール写真 ケイコ ソリーノ イタリア政府公認ツアーコンダクター、郷土料理教室主宰
水の都「ヴェネチア」の旅。滞在の終わりに、お土産で頭をかかえる人も多いはず。

実は、ヴェネチアを州都にもつヴェネト州はチーズの産地として有名な地域。ワインやパスタに比べて重さも軽く、値段も手頃なチーズ。食いしん坊さんならきっと喜ぶお土産です。

今回はヴェネト州のチーズ4つをご紹介。どれもクセがなく、食べやすい牛乳製です。ご当地の味をしっかり選んで、旅の思い出と一緒に日本へ持ち帰りましょう。

イタリアを代表するテーブルチーズ

イタリアを代表するテーブルチーズ

提供元:Consorzio di Asiago DOP

https://www.asiagocheese.it/

1つ目は、イタリアを代表するテーブルチーズの1つ「アジアーゴ」(DOP)です。発祥は州北部のアジアーゴ高原で、産地は州内3県と隣りの州のトレント県。13世紀に羊乳チーズとして誕生後、16世紀に牛が飼われてからは牛乳が原料です。

アジアーゴには、全乳で作る”プレッサート”と部分脱脂乳の”ダッレーヴォ”の2種類があります。前者は熟成期間が20〜40日、後者は3〜24ヶ月。さらに、標高600m以上の山で生産される貴重な「山仕込みタイプ」もあります。

プレッサートは、ミルキーな甘さと微かな酸味が特徴。ダッレーヴォは熟成につれて華やかな芳香が際立ち、甘口から塩気が程よい辛口に変化します。そのまま食べたり、サラダやグリル料理にしても美味。

修道僧が作ったチーズ

修道僧が作ったチーズ

提供元:Consorzio di Montasio DOP

http://www.montasio.com/

次は、13世紀半ばに修道僧によって作られた「モンターズィオ」(DOP)。産地は、ヴェネツィア県を含む州内4県と隣りのフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州一帯。チーズの名は、産地のモンターズィオ山に由来します。

原料は部分脱脂乳で、熟成期間により”フレスコ”(60〜120日)、”メッザーノ”(5〜10ヶ月)、”スタジオナート”(10ヶ月〜)、”ストラヴェッキオ”(18ヶ月〜)の4つに分けられます。

フレスコは、乳のまろやかさを感じるデリケートな味。メッザーノ以降は熟成するにつれて、甘さが強くなり、嚙み締めるほど濃厚な味わいに。このチーズもそのままで、または、焼き溶かして茹でたじゃがいもと一緒にどうぞ。

世界遺産ドロミテの山のチーズ

世界遺産ドロミテの山のチーズ

提供元:Consorzio di Piave DOP

http://www.formaggiopiave.it/

3つ目は、アルプスからアドリア海にそそぐ川の名に由来する「ピアーヴェ」(DOP)です。産地は、川の上流に位置する州内最北のベッルーノ県。世界遺産ドロミテの美しい村々です。

原料は部分脱脂乳で、熟成期間により次の5つに分けられます。”フレスコ”(20〜60日)、”メッザーノ”(60〜180日)、”ヴェッキオ”(6ヶ月〜)、”ヴェッキオ セレツィオーネ オーロ”(12ヶ月〜)、”ヴェッキオ リゼルヴァ”(18ヶ月〜)。

熟成が若いと優しい乳の甘さが際立ち、熟成するにつれ、フルーティーな香りと微かな酸味、ナッツのようなコク、旨みが充実してきます。そのまま食べてもよし、削ってもよしの万能チーズ。一番人気はメッザーノです。

ヴェローナの歴史ある山のチーズ

ヴェローナの歴史ある山のチーズ

提供元:Consorzio di Monte Veronese DOP

http://www.monteveronese.it/it

最後は、ヴェローナ県レッシーニア山が産地の「モンテ・ヴェロネーゼ」(DOP)。10世紀から変わらぬ製法で作られる希少なチーズです。名前の”モンテ”は、現地の方言で乳しぼりを意味します。

全乳を原料とする”ラッテ インテーロ”と部分脱脂乳の”ダッレーヴォ”の2つがあり、前者は最低熟成期間20日、後者は90日です。その他、5〜10月にアルプスで放牧される牛の乳のみで作る「山仕込みタイプ」もあります。こちらはスローフード協会認定品。

ラッテ インテーロは、バターのようにクリーミーで乳の甘さが主役の穏やかな味。ダッレーヴォは芳醇な香りで、微かな辛味とカラスミのような濃厚な味わいが魅力です。テーブルチーズとして、または、削ってチーズリゾットにもオススメです。

ヴェネチア近郊のフレッシュチーズ

ヴェネチア近郊のフレッシュチーズ

提供元:Consorzio di Castella Trevigiana DOP

http://www.casatella.it/

おまけとして、ヴェネチアで食べてほしい!ご当地フレッシュチーズの情報を。お土産には向きませんが、ぜひ現地で堪能してください。

ヴェネチア近郊のトレヴィーゾ県で生産される、真っ白で光沢のある「カザテッラ・トレヴィジャーナ」(DOP)。チーズ工房の他、各家庭で余った牛乳を消費するために作られていた歴史をもつチーズです。

もっちりとした弾力のある食感で、ミルキーで爽やかな酸味が特徴の味。現地では、アペリティーヴォ(食前酒)のおつまみとして、または、詰め物パスタの具として提供されます。

現地の味を日本で楽しめるチーズ土産

ご紹介した4つのチーズは、いずれも水分量が少ない半硬質・硬質チーズです。同じチーズでも、熟成期間により種類が分かれるため、どれを買うか?と迷うかもしれません。

基本的には、食材店などで味見をして好みのタイプを買うのが賢明です。さらに、夏は熟成期間がより長いものを選んでください。包装はラップで包まれたタイプではなく、真空パック入りのものを。保存性も高まり、チーズの油分が漏れる心配がなく安心です。

2020年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/05/10 訪問

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