良質な天草陶石が採掘され、陶磁器の島としても知られる天草。そんな天草の良質な土を利用した、伝統工芸が土人形です。
天草の土人形の歴史は、300年以上前の江戸時代から。唐津藩の瓦職人廣田和平が、天草の東向寺に瓦葺き替えのため来島。住みついた事が始まりです。
一度は途絶えた天草の、土人形。3年前から天草市下浦町の地域おこし団体「しもうら弁天会」により、「下浦土玩具」として復活しました。
「下浦土玩具」では、メジロの福招き「めじろおし」や「弁天さま」「ひっぱりだこ」など製作されています。
天草の東海岸。下浦町は九州でも良質な石が採れた場所。長崎オランダ坂の石も、下浦町の石が使われているんですよ。そんな「石切丁場跡」の整備のため発足した会が「しもうら弁天会」です。
「しもうら弁天会」裏手の深浦にある「石切丁場跡」も、まるでイギリスのストーンサークルのような風情が魅力ある場所です。
写真:天草野 黒猫
地図を見る光る物体が海より現れ「当年より6ケ年の間、諸国は豊作なり。併せて疫病も流行する。私の姿を書き写した絵を、人々に早々に見せよ」と、預言を残し海へ帰ったとされる、妖怪アマビエ様。
このアマビエ様は熊本の海に現れたとされています。そんなアマビエ様が、疫病退散を祈り土玩具に登場しました。
ひとつひとつ、手作業で作られているアマビエ様。
粘土を型に流し込み、2,3日乾燥。700度の窯で2日かけ焼き上げます。手間暇かけて出来上がるアマビエ様です。
隣りの栖本町に住むといわれる、妖怪河童がモチーフの「よかっぱ」も人気です。栖本町には河童だけでなく、アマビエ様と因縁の深い油すましどんの墓があります。
<しもうら弁天会の基本情報>
住所:天草市下浦町2127-2
電話:090-9587-7589
*「下浦土玩具」の入手方法は下記関連MEMOの、しもうら弁天会(外部リンク)を参照ください。
全国に逸話も多い河童。「下浦土玩具」が作られているお隣、栖本町には約4キロにわたって河童街道が続いています。海を挟んだ対岸、八代にも、河童が中国より渡来してきた伝説があり。歴史的にも興味深い場所です。
写真:天草野 黒猫
地図を見る村人に悪さをしていた河童を、力自慢の高山の伝吉さんがこらしめた、と伝説が残る河童街道。
表情豊かな河童たちが、橋ごとに欄干のモニュメントとなっています。中には「だんらん河童」と命名されたものも。河童達も家族時間を楽しんでいます。
写真:天草野 黒猫
地図を見る興味深いことに河童街道には、アマビエ様と因縁が深い妖怪油すましどんの墓もあります。
アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」にも登場し、博識で将棋好きの油すましどん。墓に向かう山道は、確かに妖怪が明るく声をかけて来そうな雰囲気です。
写真:天草野 黒猫
地図を見るアニメでは妖怪四十七士の座を、アマビエ様に奪われた油すましどん。実は「下浦土玩具」でも、油すましどんの型が再利用されています。現代でも因縁深い関係なのです。
そんな油すましどんの名前の「すます」は、天草の方言で「搾る」。昔、山茶花の油とり名人が行方不明になったことが、伝承の始まりといわれています。墓には今でも、油瓶が供えられています。
<河童街道の基本情報>
住所:天草市栖本町馬場〜河内
アクセス:車 熊本駅〜約2時間20分、九州自動車道松橋IC〜約1時間40分、天草空港〜約35分
写真:天草野 黒猫
地図を見る天草の棚田に登場する教良木地区の「田んぼアート」は、河童街道と続いています。水田をキャンパスとして、毎年見事な地上絵が田んぼの中に描かれます。
写真:天草野 黒猫
地図を見る天草の栖本町から教良木地域は、天草最大の河内川沿いの田園地帯。妖怪伝説も不思議ではない、昔ながらの風景です。
<教良木田んぼアートの基本情報>
住所:上天草市松島町教良木3655
アクセス:車 熊本駅〜約2時間20分、九州自動車道松橋IC〜約1時間40分、天草空港〜約50分
世界遺産にも認定された西海岸が注目を浴びがちですが、東海岸沿いも魅力ある場所が多い天草。
伝統工芸品「下浦土玩具」のアマビエ様に、疫病のない世界を祈り、天草の河童街道でユニークな河童と戯れてみませんか。
2020年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/2/9更新)
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