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岡山県高梁(たかはし)市は備中の小京都と呼ばれる町。美しい山々に囲まれた市内の中央部を清流高梁川が流れ、かつて備中の中心地として栄えた町並みのなごりが今もなお随所に残っています。
この高梁は「男はつらいよ」で2度も物語の舞台となった数少ない町。
それは寅さんの義弟、博(前田吟)の両親が住む町という設定であったこともありますが、何よりもこの美しい小さな町が、寅さんに似合う町だったからに違いありません。
提供元:写真AC
https://www.photo-ac.com/最初に高梁が登場するのは第8作「男はつらいよ 寅次郎恋歌」。
義弟、博の母親が亡くなり、その葬儀のために寅さんがこの高梁にやってきます。
市内に今なお残る武家屋敷通りの一画が博の両親の家という設定のため、寅さんがひとり残された博の父親と一緒に、この高梁の武家屋敷を歩くシーンも登場します。
高梁が2度目に登場するのは第32作「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」。
すでに亡くなっていた博の父親の墓参りにふらっと高梁を訪れた寅さんは、そこで寺の娘である朋子(マドンナ:竹下景子)に会い、そのまま寺男として住み着いてしまうという設定。
この作品でその舞台となったのは市内の高台にある「薬師院」(映画では蓮台寺という名前で登場)。そのほか高梁川とその向こうの町並みを見下ろす方谷林公園で寅さんが地元の少女役として登場した杉田かおると語るシーンなどが印象的です。
なお、高梁市観光協会では「男はつらいよ」ロケ地ツアーを通年で実施していますので、このツアーに参加してみるものいいかもしれません。
提供元:岡山県観光連盟
https://www.okayama-kanko.jp/高梁の名所と言えば天空の城と言われる「備中松山城」。
天空の城と言えば兵庫県但馬の竹田城が有名ですが、この備中松山城も標高430mの臥牛山頂上付近に建つお城で、現存天守を持つ山城としては最も高い場所にあります。
さすがに寅さんもここまでは登ってくることはありませんでしたが、晩秋から初冬にかけての朝、向かいの山にある備中松山城展望台から見える雲海は大人気で、多くの観光客が訪れます。
写真:風祭 哲哉
地図を見る備中高梁駅からバスで1時間の場所にある「吹屋」はベンガラの町として有名です。
吹屋は、江戸から明治にかけて硫化鉄鉱石を酸化・還元させて製造した酸化第二鉄(ベンガラ)の日本唯一の産地として繁栄を極めました。紅色のベンガラは磁器の絵付けや漆器、神社仏閣の外壁塗装などに多用されましたが、もちろんこの町の建物にもふんだんに使われていて、町中が紅く調和のとれた見事な景観が残っています。
吹屋は映画には登場しませんでしたが、寅さんがここを歩いたら、紅い格子戸の向こうから現れた美しいマドンナと出会ってしまいそうな素敵な町並みです。
写真:風祭 哲哉
地図を見る岡山県北に位置する津山は、古くから美作地域の中心であり津山藩の城下町として栄えた町。
この津山が登場するのはシリーズ最終作、第48作「男はつらいよ 寅次郎紅の花」。寅さんのおいの満男(吉岡秀隆)が、かつての恋人の及川泉(後藤久美子)の結婚式を妨害するシーンは、この津山が舞台となっています。
泉が結婚するはずだった相手は津山の町医者の2世でした。実際に津山を訪れると町の規模に比べて病院が多いイメージがありますが、西洋の内科医学を初めて紹介した宇田川玄随(うだがわげんすい)をはじめ幕末から明治初期にかけて、津山藩が優れた洋学者を輩出したことの影響が今も残っているのかもしれません。
写真:風祭 哲哉
地図を見る津山市内の見どころは鶴山公園と呼ばれる「津山城」と国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている「城東町並保存地区」。
寅さんがテキヤの商売を行っていたのはこの「城東町並保存地区」の一画。
津山城の東側、旧出雲街道に沿った1.2キロに渡って、かつての茶屋や紺屋、塩屋などの商店、加治屋、大工などの職人の家を彷彿させる古い町並みが現在でも残っています。
写真:風祭 哲哉
地図を見る寅さんは中国山地の小さな町にも登場します。
岡山県真庭市の「勝山」は出雲街道の宿場町として栄えた町。今なお昔ながらの白壁の土蔵や格子窓の商家などの古い町並みが残っていて、岡山県で最初に「町並み保存地区」に指定されました。
この勝山が登場するのも第48作「寅次郎紅の花」。寅さんとテキヤ仲間のポンシュウが、造り酒屋「辻本店」で試飲のお酒を次々と飲んで酔っ払うシーンが撮影され、その一画には現在「男はつらいよロケ地」の記念碑が建っています。
写真:風祭 哲哉
地図を見る勝山町並み保存地区はユニークは「のれん」がシンボルになっていて、町のあちこちで観光客の目を楽しませてくれます。
ちなみに写真ののれんは「車」と書いてありますが「車寅次郎」ののれんではなく、車の整備工場ののれんです。
勝山の隣、同じ真庭市内の久世にあるのが「旧遷喬尋常小学校」。
「男はつらいよ」のロケ地ではありませんが、寅さん憧れのマドンナ先生が働く小学校として登場してもまったく違和感がないような素晴らしい建物です。
明治40年にルネッサンス様式の木造校舎として建てられ、現在は小学校としての役目を終えていますが「ALWAYS 三丁目の夕日」「火垂るの墓」などの映画のロケ地としても使われました。
<旧遷喬尋常小学校の基本情報>
住所:岡山県真庭市鍋屋17-1
電話:0867-42-7000
アクセス:JR久世駅から徒歩約10分
写真:風祭 哲哉
地図を見る美作滝尾駅はJR因美線で津山から20分弱、のどかな田園地帯にポツンとある無人駅。この滝尾駅でシリーズ最終作「寅次郎紅の花」のファースト・シーンが撮影されました。
それまでも戦前に作られた美しい木造の駅舎が残る駅として知られていましたが、映画の公開と同時に全国から寅さんファンが訪れる聖地となっています。
写真:風祭 哲哉
地図を見る山田洋次監督が「こんなに美しい駅は、もう日本に残っていない」とつぶやいたと言われる美作滝尾駅。「男はつらいよ」が始まった昭和40年代には、まだ日本中にこうした美しい風景が残っていたはずですが、30年の間に日本の姿は大きく変わってしまったのでしょう。
それでも最後の作品で、日本の原風景のような美しい駅のシーンが残されている、というのも寅さんらしいですね。
今はもう無人駅ですが、きれいに掃除された木造の切符売り場や改札口を眺めていると、今にもどこからか寅さんがふらっと現れる来るような気がしてなりません。
「男はつらいよ」が今でも私たちの心を動かすのは、寅さんが旅する町の先々に、今はもう失われつつある古き良き日本が残っているからだと言われています。
しかも寅さんが好んで旅するのは、誰もが知るような有名観光地ではなく、山かげにひっそりと佇むような小さな町がほとんど。そういう意味では今回紹介した岡山のロケ地は、寅さんが似合う町の条件を十分に満たしていたのかもしれませんね。
ぜひ映画で予習した後は、いつの日か実際に寅さんの歩いた道をたどってみてください。
2020年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2022/6/25更新)
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