提供元:wikimedia commons(Jan Arkesteijn)
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Elisabeth_…19世紀オーストリア=ハンガリー帝国の皇后エリザベート(愛称シシィ)は若い頃から美しさで知られ、その美しさにまつわる数々のエピソードを持っています。皇帝フランツ・ヨーゼフ1世がエリザベートの姉とお見合いをした際、彼女の妹のエリザベートの方を見初め、プロポーズしたのは有名な話です。その他にも、ダイエットに励み、身長172センチ・体重50キロ弱をキープ、ウェストが50センチの細さだった、自慢の髪のお手入れに毎朝2-3時間もかけたなどの逸話が残っています。
皇后でありながら、ウィーンの宮廷になじめず、旅から旅へと暮らし、1898年にスイスのレマン湖ほとりでテロリストに暗殺され、その生涯を閉じました。
ウィーン市内の王宮(ホーフブルク)には、その一角に皇帝の住んでいたカイザーアパートメントがあります。現在では1階が銀食器博物館になっており、王宮で使用された、さまざまな種類の豪華な銀食器や、テーブルウェアを見ることができます。
2階にはシシィ博物館があり、エリザベート関連の展示が充実しています。
シシィ博物館には、等身大のエリザベートの像や肖像画、殺害されたときに着ていた服などが展示され、若い頃に着た、2着のドレスも再現されています。シシィ博物館内は撮影禁止となっています。
シシィ博物館から続く、皇帝の執務室には、皇帝お気に入りのエリザベートの肖像画が置かれています。長い髪を体の前で結んだ肖像画と、この写真のように、長い髪を背中に流した肖像画は有名なので見る機会が多いかもしれません。白いドレスに長い髪のエリザベートを後ろ方向から描いた肖像画は、ドイツ人画家・ヴィンターハルターの傑作で、皇帝は美しい妻の肖像画を眺めながら執務をこなしていました。
エリザベートは美貌を維持するために運動を欠かさず、王宮には、鉄棒や吊り輪などの専用の運動器具も備え付けられています。
<ホーフブルクの基本情報>
住所:Michaelerplatz, 1010 Wien
電話番号:+43-1-533-7570
アクセス:地下鉄3号線ヘレンガッセ駅から徒歩5分
シェーンブルン宮殿は世界遺産に登録された、ウィーン観光の目玉ともいうべき宮殿です。ハプスブルク家では、春と秋の4月から10月までをシェーンブルン宮殿で過ごしました。もっとも、エリザベートは旅から旅への生活を送っていたため、ウィーンで過ごすことは多くありませんでした。現在では西翼でエリザベートの肖像画や所持品など、エリザベート関連の展示を見ることができます。宮殿内は撮影禁止になっています。
皇后の化粧室には、後ろ姿の、髪の長いエリザベートを模した人形が置かれています。エリザベートはホーフブルクでもシェーンブルン宮殿でも、美容のための運動を欠かしませんでした。
美貌を保つために、厳しい運動を自らに課していたエリザベートは、運動の一環として、非常に速く歩く女性でもあったそうなので、この広大なシェーンブルン宮殿の庭も早足で歩いていたのかもしれませんね。
<シェーンブルン宮殿の基本情報>
住所:Schonbrunner Schlossstraße, 1130 Wien
電話番号:+43-1-811-13-239
アクセス:地下鉄4号線シェーンブルン駅から徒歩約5分
王家の納骨堂でもあるカプツィーナ教会は観光名所として公開されています。ハプスブルグ家代々の墓所で、マリア・テレジアなど12人の皇帝と18人の皇后を含む、140人ほどの王家の人々が眠っています。外観はそれほど大きく見えませんが、内部はかなりの広さがあります。
数ある棺の中でも特に圧巻なのが、女帝マリア・テレジアとその夫・フランツ1世の合同の棺で、恋愛結婚をしたマリア・テレジアの棺にふさわしく、棺の上には見つめあう二人のレリーフが施されています。
カプツィーナ教会の一角に、フランツ・ヨーゼフを中央に、エリザベート、皇太子のルドルフの棺が並んでいます。
ハプスブルク家のしきたりとして、心臓はアウグスティーナ教会、それ以外の内臓はシュテファン大聖堂、遺体はカプツィーナ教会に納められることになっています。
2011年には子孫であるオットー・ハプスブルクの棺が納められました。
<カプツィーナ教会の基本情報>
住所:Tegetthoffstraße 2, 1010 Wien
電話番号:+43-1-512-6853-88
アクセス:
地下鉄1・2・4号線カールスプラッツ駅から徒歩5分
地下鉄1・3号線シュテファンプラッツ駅から徒歩5分
ダイエットに励んだエリザベートですが、甘いものは好きで、特にチョコレートのお菓子を好んでいました。ウィーンにいるときはお忍びで、王宮裏にあるカフェ兼洋菓子店・デメルにしばしば通っていました。
デメルは帝室御用達で、王宮での晩餐会の際には、デメルのお菓子を出すこともあったという、歴史のある洋菓子店です。名物チョコレートケーキであるザッハートルテの権利をめぐって7年もの間、ザッハーホテルと裁判で争ったことは有名です。
併設されたショップでは、お菓子だけでなく、エリザベートが好んだスミレの砂糖漬けも買うことができます。
<デメルの基本情報>
住所:Kohlmarkt 14, 1010 Wien
電話番号:+43-1-535-17170
アクセス:地下鉄3号線ヘレンガッセ駅から徒歩2分
今回は、皇后エリザベート関連の場所をいくつかご紹介しました。
シェーンブルン宮殿と王宮は人気の観光スポットであるため、多くの観光客が訪れます。特にシェーンブルン宮殿は観光の目玉なので、チケット売り場は長蛇の列。かなりの時間を費やすことになります。シェーンブルン宮殿と王宮、両方に行く予定なら、共通券である「シシィチケット」を事前に購入しておくことをおススメします。オンラインで購入するか、王宮で購入しておけば、シェーンブルン宮殿にスムーズに入場することができ、時間の節約に。
ウィーンには、今回紹介した場所以外にも、エリザベートが結婚式をあげたアウグスティーナ教会や、通っていた高級カフェ、ゲルストナーなどがあります。19世紀の皇后の足跡をたどりつつ、ハプスブルク家の栄華に思いをはせてみませんか?
2020年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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