門外不出、王朝の菊を楽しむ。「大覚寺・嵯峨菊展」

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門外不出、王朝の菊を楽しむ。「大覚寺・嵯峨菊展」

門外不出、王朝の菊を楽しむ。「大覚寺・嵯峨菊展」

更新日:2012/12/21 10:52

bowのプロフィール写真 bow トラベルライター

11月の京都と言えば、やはり紅葉がメインです。

「せっかくの京都だから紅葉だけじゃなくって花の寺なんかも楽しみたいなー」
という方も多いのですが11月の京都は花が乏しい季節。

そんな中、11月の1ヶ月間、花の催しをしているお寺があります。
今回はそんなお寺をご紹介します。

旧嵯峨御所・大覚寺

旧嵯峨御所・大覚寺

写真:bow

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今回ご案内するお寺は大覚寺(だいかくじ)。
嵯峨野エリアの端にある、真言宗・大覚寺派の大本山です。

大覚寺は旧嵯峨御所と呼ばれ、
京都に多い皇室ゆかりの門跡(もんぜき)寺院の一つです。

嵯峨天皇の離宮・嵯峨院であった場所が後に寺になったのが大覚寺であり、
明治の初期まで代々皇族関係の方が住職を務めていたという格式高い寺院なのです。

王朝文化の源流点

王朝文化の源流点

写真:bow

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この大覚寺は「いけばな嵯峨御流」の総支所でもあります。
開祖はもちろん、嵯峨天皇です。

嵯峨天皇が、大覚寺境内の大沢池で舟遊びをしていた際に
池にある菊ヶ島で咲いていた菊を摘み、いけたのが始まりとされています。

また、当時兄である平城天皇に庭の花を瓶に挿し、献上したとも記録が残っています。
嵯峨天皇は華道の普及に努め、その結果全国に嵯峨御流が広がったとされています。

それは1200年の後、今日でもその意志がこの地に伝わっていて、
拝観入口の手前にはいつもいけばなが観光客を出迎えています。

佇まいは、まさに御所そのもの。

佇まいは、まさに御所そのもの。

写真:bow

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前述の通り、大覚寺はもともと天皇のお住まいである離宮を寺に改めたものですから、
建物は京都御所とそっくりで、漂う雰囲気も本当に高貴さに溢れています。

ちょうど今回のご紹介の時期と重なる11月の上旬頃に
毎年京都御所の一般公開が予定されます。

その京都御所を見てから大覚寺に来ると、
「あれ?さっきこんな建物みたぞ?」と錯覚を覚えるほど似た雰囲気です。

また、境内の東には大沢池と呼ばれる大きな池があり、日本最古の林泉式庭園とされています。
毎年中秋の名月の時期には池に船を浮かべ、観月の夕べが行われます。

更に時代劇の撮影場所としても有名で、境内全域がロケセットのようなものです。
その出演回数は数え切れず、逆に使われない時代劇を探す方が難しいくらいだそうです!

王朝の華、雅なるその仕立て。

王朝の華、雅なるその仕立て。

写真:bow

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さて、ようやくここに来て嵯峨菊のご紹介(笑)
11月の1ヶ月間、大覚寺では「嵯峨菊展」を開催しています。

この嵯峨菊は日本三大名菊の一つと言われ、
江戸菊や肥後菊と並ぶ古典菊の一つとされています。

この嵯峨菊は前述の大沢池、菊が島に咲いていた菊がルーツとされ、
門外不出として長年にわたり境内で大切に植えられてきました。
いけばな嵯峨御流とも密接な関係があり、その育て方は実に様々な流儀があります。

まずは特徴的なその草丈の高さ。
約2メートルの高さになるように仕立て上げられます。

実はこの高さ、御殿の上から見てちょうど見やすい位置に花が来る高さなのです。
嵯峨天皇も御殿の上から嵯峨菊を眺めたのでしょうか。贅沢な話ですねぇ。

そして花の数は下に七、中ほどに五、先端に三となるようにされていて、
天地人を表しているそうです。こんな花の配置をするのは嵯峨菊だけなんだそうです。

凛と咲く、門外不出の嵯峨菊

凛と咲く、門外不出の嵯峨菊

写真:bow

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花弁もまた、特徴的です。お茶道具の茶筅をひっくり返したような形とも取れます。
花の色は単色系が主で、混植は避けられているそうです。

また、花だけでなく、葉の部分にまでこだわりがあり
下部は黄色、中程が緑で上部は淡緑に仕立ててそれだけで春夏秋冬を表しているとのこと。

細かい部分にまでかなりのこだわりを持って仕立て上げている嵯峨菊。
たとえディテールを知らなくても、その洗練された気品溢れる花を十分に味わえることでしょう。

遠い昔の平安時代、嵯峨天皇が愛したとされる嵯峨菊を訪ねて
一度大覚寺へお出かけしてみてはいかがでしょうか。


拝観料  500円
拝観時間 9:00〜17:00(受付終了16:30)

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掲載内容は執筆時点のものです。 2009/11/07 訪問

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