写真:永澤 康太
地図を見る下賀茂温泉が開湯したのは室町時代(永禄年間)。源泉数の多さと豊富な温泉熱を使って育てたメロンが売りで、日本における温室メロン栽培発祥の地でもある。「温泉民宿 南伊豆」は宿が集中する青野川沿いの南東側、湯之元別荘地区にちんまり建つ。
最寄りのバス停は「日野橋入口」と「加畑橋」の二か所。どちらから歩いても、サワガニの住む側溝に並行した道を経て、30分以内で到着可能。しかし、別荘地区へ入った途端坂がきつくなり、徒歩プラス大荷物だとかなり辛い。車か歩きか、選択は慎重に。
写真:永澤 康太
地図を見るとてもミニマムな「温泉民宿 南伊豆」の提供する客室は5部屋。露天風呂同様、景色が良い客室もあって、静かに過ごせるのは別荘地ならでは。民宿なので布団敷きはセルフだが、全トイレに洗浄便座を備えるなど、しっかりメンテナンスが施されている。それと、たまにイノシシ達が訪ねて来るので、そっと窓から愛でるのも乙なものだ。
写真:永澤 康太
地図を見る内風呂、露天風呂はそれぞれ貸切仕様。空いていれば翌日7:30まで自由に利用OKだ。下から引いてきた熱い源泉と、湯之元地区に湧くぬるめの源泉を混合して湯船へ注いでおり、無色透明無臭でナトリウム・カルシウム‐塩化物泉(低張性弱アルカリ性高温泉)の湯は69℃にもなる。しかしご安心を、湯量調節によって温度は抑えられ、加水・加温・循環・消毒も無し。源泉掛け流しで下賀茂温泉へ浸かれて素晴らしい。
写真:永澤 康太
地図を見る二階の露天風呂(ヒノキ製)は眼前眼下に近隣の山々や青野川を望み、極めて視界良好。春夏秋冬、風景が移ろい流れてゆくが、特にお勧めしたい時期は2月〜3月。河津桜が咲いて川岸を艶やかで華やかな桃色に染め上げ、花見と湯浴みの欲張りセットを独占しながら、ゆるりと楽しめる。
写真:永澤 康太
地図を見る加えて晴れた夜にはまた違う顔を見せ、天蓋いっぱいに星々が輝き、露天風呂は天然のプラネタリウムと化す。周りに邪魔するような光源もなく、都会ではまず見られない圧倒的な星空の元、夜の帳へ身を委ねて天体観測と洒落込める。露天風呂の視界は北側へ広がっていることを踏まえて、快晴が似合う「温泉民宿 南伊豆」に出掛けてみよう(上記写真は露天風呂の欄干より下賀茂中心街方面を撮影)。
写真:永澤 康太
地図を見る「温泉民宿 南伊豆」のロケーションが山なのに対し、料理は伊豆近海で獲れた海の幸のオンパレード。それもそのはず、一山越えれば直ぐ太平洋で弓ヶ浜や下田にも隣接、新鮮な魚介類を用意するのはお茶の子さいさいという訳。地魚御膳にお腹いっぱい、心もいっぱい。宿泊は食事付きを推薦したい。
宿の方が「塩の湯であり、切り傷が治りやすい」と語る通り、温泉の総成分量は7000mgを超えていて塩分も多く、湯質に恵まれた下賀茂温泉らしいエピソードである。この貴重な湯をそのまま湛える「温泉民宿 南伊豆」へ泊まらないのは実にもったいない。もし晴れそうな日があれば、さっそく計画を練って、星空見守る露天風呂へlet’sトラベリング!
※泉質、立ち寄り入浴について
泉質/ナトリウム・カルシウム‐塩化物泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
立ち寄り入浴:500円(必ず電話で確認を)
・一人旅OK
・お盆、年末年始は素泊まりのみ
2020年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事を書いたナビゲーター
永澤 康太
中学生の頃に、群馬県の沢渡温泉へ出掛けたことをきっかけに旅に魅了され、高校生の時には群馬県の川原湯温泉で一泊一人旅を経験。大学生になると暇さえあれば各地の温泉を巡り、仕舞いには卒業論文まで温泉をテーマ…
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