仏教の聖地!スリランカの古都「ポロンナルワ」で見る仏教の繁栄

仏教の聖地!スリランカの古都「ポロンナルワ」で見る仏教の繁栄

更新日:2020/05/24 16:03

麻田 ユウミのプロフィール写真 麻田 ユウミ 旅ブロガー
スリランカは紀元前の頃から仏教文化が根付き、スリランカ国内の至る所に時代ごとの仏教の発展が見られます。今回ご紹介する世界遺産でもあるシンハラ王朝の古都「ポロンナルワ」は、12世紀に最も栄え、諸外国からも僧侶が訪れる程の仏教先進国でした。巨大な遺跡には王たちが暮らした宮殿跡の他にも、たくさんの仏教寺院や仏像が残り、ポロンナルワが仏教を中心に繁栄したことがよくわかります。

ポロンナルワの歴史と豆知識

ポロンナルワの歴史と豆知識

写真:麻田 ユウミ

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ポロンナルワはもともとシンハラ王朝の王族の避暑地と使われていた場所。しかし、11世紀に首都アヌターブラが南インドのチョーラ朝の侵攻にあい、ポロンナルワに遷都され、13世紀にタミル諸国に侵攻されるまでの間、首都として栄えました。とても広い遺跡は世界遺産として登録されています。

ポロンナルワの歴史と豆知識

写真:麻田 ユウミ

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ポロンナルワの最盛期は12世紀。灌漑農業による米の生産能力アップと数多くの仏教寺院建築により、ポロンナルワはタイやミャンマー等の僧侶も数多く訪れる仏教の聖地として発展します。その後、13世紀にタミル諸国の侵攻でポロンナルワからの遷都を余儀なくされ、イギリスの探検家に発見されるまで、ジャングルの中で長い眠りにつきました。

ポロンナルワの歴史と豆知識

写真:麻田 ユウミ

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ポロンナルワに限らずシンハラ王朝の遺跡で必ずあるのがムーンストーンとガードストーン。石段の手前にある半円形の石盤がムーンストーンで象や馬が描かれ、輪廻を意味します。輪廻とは人が何度も転生し生まれ変わることです。ムーンストーンがあるところは基本的に靴を脱いで入ります。ガードストーンは両脇にある石像で、悪魔が入るのを防ぐために入口に置かれています。

かつての繁栄の証!閣議場もある「宮殿跡」

かつての繁栄の証!閣議場もある「宮殿跡」

写真:麻田 ユウミ

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遺跡群の南にある「宮殿跡」はかつての栄華が偲ばれる場所。宮殿跡に辿り着くとかなり大きな建物が出現します。当時はレンガと木で作られた7階建でしかたが、現在はレンガ部分の3階部分までが残っています。この宮殿で王を含めたくさんの人々が生活していました。

かつての繁栄の証!閣議場もある「宮殿跡」

写真:麻田 ユウミ

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宮殿の中には政治の場である閣議場も。柱には各大臣の印が彫られており、ここに座って閣議をしました。王や皇太子や大臣の他にも、知事や貴族、商人等、様々な人が参加していました。

かつての繁栄の証!閣議場もある「宮殿跡」

写真:麻田 ユウミ

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また穢れを取り除く沐浴場も残っています。ポロンナルワを含め、他の遺跡にもたくさんの沐浴場が残っており、シンハラ王朝による沐浴の重要性が窺えます。

仏歯寺も!仏教の中心「クワドラングル」

仏歯寺も!仏教の中心「クワドラングル」

写真:麻田 ユウミ

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「クワドラングル」は当時の仏教の中心だった場所。クワトラングルは四角形を意味し、その名の通り、四角い場所にたくさんの仏教建造物が集まっています。一番目立つ建物が「ワタダーゲ」と呼ばれる円形状の建物。もともとはドーム状になっており、中にストゥーパと呼ばれる仏塔がありました。このワタダーゲは7世紀頃のものでポロンナルワで一番古い建物です。

仏歯寺も!仏教の中心「クワドラングル」

写真:麻田 ユウミ

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こちらは12世紀に作られたかつての仏歯寺跡の「ハタダーゲ」。仏歯はスリランカでは王権の象徴のため、遷都される度に仏歯も王朝と一緒に移ります。当初は左隣りにあった「アタダーゲ」と呼ばれる仏歯寺跡にありましたが、王が変わったことにより、ハタダーゲが作られ仏歯も移動されました。右側には古代語であるサンスクリット文字の碑文があり、ストーンブックと呼ばれる石の本もあります。

仏歯寺も!仏教の中心「クワドラングル」

写真:麻田 ユウミ

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こちらは王が読経を聞いた場所とされる「ラター・マンダパヤ」。この柱は蓮の茎を模して作られたもの。柱も曲線に置かれていて、蓮の茎が揺れる様子を表しています。

巨大仏像も!浮き彫りが美しい「ランカティラカ」

巨大仏像も!浮き彫りが美しい「ランカティラカ」

写真:麻田 ユウミ

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周りの木々からその高さが巨大なことがわかる「ランカティラカ」は高さ17.5m、奥行き52m、幅18mの巨大寺院。正面には頭がなくなってしまっていますが巨大な仏像があります。この仏像の裏側には狭い瞑想の道というのがあり、当時は1日3回瞑想をしながら通るのが僧侶の日課だったとされています。

巨大仏像も!浮き彫りが美しい「ランカティラカ」

写真:麻田 ユウミ

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このランカティラカの壁や階段には「ゲディゲ」と呼ばれる浮き彫りが美しいレリーフが多数残されています。壁にあるゲディゲには当時のポロンナルワの様子が描かれています。

巨大仏像も!浮き彫りが美しい「ランカティラカ」

写真:麻田 ユウミ

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ランカティラカの隣にあるのが「キリ・ヴィハーラ」と呼ばれる真っ白なダーガバ。ダーガバも仏塔の1つで、仏陀の遺骨を祀っているもの。キリとはシンハラ語でミルクを意味し、約700年もの間ジャングルに埋もれていたにも関わらず、この白さはほぼオリジナルです。

必見!巨大な石像の「ガル・ヴィハーラ」

必見!巨大な石像の「ガル・ヴィハーラ」

写真:麻田 ユウミ

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ポロンナルワの中でも最高傑作だと言われているのが一枚岩の巨大石像の「ガル・ヴィハーラ」。ここには巨大な4体の大きな岩から作った仏像があります。この石像には色々な説がありますが、ブッダが悟りを開くまでを表したとも言われています。

必見!巨大な石像の「ガル・ヴィハーラ」

写真:麻田 ユウミ

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一番大きな石像が全長14mもある涅槃仏。涅槃とは輪廻から解放されたこと、いわゆる死を表します。岩を掘ったとは思えない、目を閉じた優しい顔はポロンナルワの傑作の1つです。涅槃仏の隣にある立像は、蓮華座に立つのは釈迦のみというブッダ説と、涅槃に入ったブッダを悲しんでいる弟子のアーナンダ説とがあります。

必見!巨大な石像の「ガル・ヴィハーラ」

写真:麻田 ユウミ

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最北端にある遺跡が「ティワンカ・ピリマゲ寺院」。ティワンカとは体を3つに折り曲げる姿勢を指し、中にある仏像も腰や首が3方向に折り曲がっています。写真撮影不可ですが、シーギリヤ・レディにも勝る美しい壁画が残っているので必見です。

ポロンナルワの基本情報

住所:Polonnaruwa
電話番号:+94-272-222-121
営業時間:8:00〜18:30
アクセス:コロンボからバスで約5時間

2020年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/01/10 訪問

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