「茶卵」はウーロン茶などで味付けされた煮卵で、台湾庶民料理の定番の味です。現地では「茶葉蛋(チェーインタン)」という名前で知られ、コンビニのカウンター横に置いてあることの多い、いわば日本のおでんのような存在です。
台湾のコンビニに入った方ならわかると思いますが、どこも独特の匂いがあります。その匂いの元は、黒い液体に使ったこの「茶卵」です。八角をはじめ漢方薬をブレンドしたような香りで、この香りが「台湾旅行に来た〜」という感覚を呼びさましてくれます。
卵の殻を剥くと、まるで恐竜の卵のような模様が現れるのも楽しいポイント。これは、卵をお茶や八角などで茹でて行く時に、敢えて卵にひびを入れて味をしみ込ませているから。子供たちのおやつとしても人気が高いというのも納得です。
台湾の味を日本の自宅に居ながらも再現したくて、台湾人の友達に聞いてみたところ、「茶卵は日本のスーパーでも手に入る材料で簡単にできるよ!」とのこと。レシピを教えてもらい、早速作ってみることにしました!
<材料>
卵 8個
八角 2、3個(五香粉でも可能)
シナモンスティック ひとつまみ
ウーロン茶葉 大さじ1
酒 大さじ1
濃口醤油 大さじ3
薄口醤油 大さじ1.5
砂糖 3/4カップ
塩 小さじ1
水 適量
ウーロン茶は好みに合わせて、ジャスミン茶やプ―アール茶にしてもいいそうです。
茶卵を作るときのポイントは香辛料である八角を手に入れることです。八角は星形をした香辛料で台湾料理ではよく使われます。中国原産の「トウシキミ」という木の果実を乾燥させたもののことをいいます。
日本ではあまりなじみのない食材のように思えますが、最近はスーパーのスパイス売り場には必ずと言っていいほど置いてあります。別名スターアニスという名前で売られている時もあります。
八角が手に入らなかった場合、八角やクローブ、花椒など5種類のスパイスをバランスよくブレンドした五香粉でも代用可能です。
作り方はいたって簡単です。はじめにゆで卵を作り、出来たら殻を軽く叩いて表面にヒビを入れます。
全ての材料を鍋に混ぜてできた煮汁に、ヒビの入った卵を入れて中火のまま20分ほどに立たせます。その後、弱火にして1時間ほどじっくり煮て火を止めます。
その後は容器に卵と煮汁を入れて、冷蔵庫で半日から1日漬け込みます。工程はたったこれだけ!本当に簡単でびっくりです!
ちなみに、冷蔵庫の中で3〜5日保存しておくこともできるとのことで、作り置きおかずとしても最適です。
完成した茶卵をお皿に並べて、中国茶と一緒にいただきました。台湾産のお茶があれば完璧ですが、日本のスーパーでで手に入るウーロン茶でも茶卵があれば十分。
さらに、気分を盛り上げるため、台湾で買ってきた客家柄の布をテーブルクロスとして敷いてみました。まるで台湾で午後のお茶を楽しんでいるような感覚になれました!
茶卵は台湾料理の添え物としてもぴったりです。例えば台湾の定番、魯肉飯(ルーローハン)。こちらも実は簡単に家で再現することができます。
<材料>
豚バラ肉 500グラム
玉ねぎ 半玉をみじん切り
長ネギ 1/2本
砂糖 大さじ5
醤油 大さじ6
オイスターソース 大さじ1
しょうが(すりおろし) 小さじ1
酒 大さじ3
水 2カップ(400cc)
八角 1〜2個
これを一気に炊飯器の中に入れて通常のご飯をたく設定で炊くだけです。
魯肉飯(ルーローハン)を食べる時に茶卵を添えると、味が一層引き立ちますし、見た目も華やかになるのでおすすめです。
台湾のコンビニフードの定番である茶卵と、茶卵と一緒に食べると美味しい魯肉飯の作り方をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
台湾料理を家で作るのは難しいイメージもありますが、実は日本のスーパーで手に入る食材で簡単に作れてしまいます。そのポイントは「八角」。独特の香りがするスパイスを使うだけで、一気に食卓が台湾になるから不思議です。
暑くなってくる季節、同じく高温多湿の台湾で培われた郷土料理は、夏バテ気味の胃袋を元気にしてくれること間違いなしです。ぜひおうちで試してみてください。
この記事を書いたナビゲーター
カカミ ユカ
岐阜県出身の旅好き30代です。旅行のモットーは“ちょっと違う角度から街を眺めてみる”!旅先では、レンタサイクルを借りて、気の向くままにかっ飛ばすことが多いため、本来の目的から脱線することもしばしば・・…
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