大分県杵築市にある「若栄屋」は、江戸時代から続く老舗中の老舗。そんな老舗に代々、一子相伝で受け継がれている名物料理の鯛茶漬けには「うれしの」と名前がついています。鯛茶漬けに特別な名前がついているその理由は・・・。
江戸時代、豊後杵築藩のお殿様がある日体調を崩され、どんな食事も受け付けなくなってしまいました。困り果てた家臣のひとりが、お殿様が好物と言っていた大谷屋の鯛茶漬けを思い出し、大谷屋を招いて作らせました。すると、お殿様は久しぶりに美味しそうにその鯛茶漬けを召し上がられました。これを見た家臣は、2日と続けて同じ食事を出してはならない、という通例を破り、食べて頂けるなら、と、恐る恐る同じ鯛茶漬けを連日お出ししたところ、「今日も鯛茶か、うれしいのう」と美味しそうに召し上がったことから、この鯛茶漬けが「うれしの」と名付けられた、とのことです。
ちなみに、当時の「大谷屋」が現在の「若栄屋」です。
テーブルに用意されたランチョンマットには、上記の素敵なストーリーが記載されており、お料理を待つ間にゆっくりと楽しむことができます。
お殿様が「うれしいのう!」と喜んだ味とは?自然と期待は膨らみます。
やがて先付けとともに運ばれてきた器には、秘伝のごまダレにしっかりとつけ込まれた新鮮な真鯛がご飯の上にのせてあります。香ばしいゴマの香りが鼻腔をくすぐり、それだけでも早く口に入れたくて仕方がない衝動に駆られてしまいます。が、まだ我慢、我慢!
それだけでも十分美味しいのが確実なその器の中へ、熱々の杵築特産のお茶をかけてお茶漬けにしていただきます。
正直「うれしいのう」などと言っている暇がないほど、ががーっとかき込んでしまいたくなる魅力的な味にノックダウン。(おかわり、ありかしら・・・)などと危険な発想が一瞬頭をよぎってしまうほど、舌に優しく、心に嬉しい忘れられない味に、きっと誰もが心を奪われてしまうでしょう。
なお、あまりに美味しくて一瞬でかき込んでしまった方のために(?)、ご自宅でもじっくり味わえるようにお店の公式サイトにて通信販売もされていますのでご安心を!
こちらのお店へは駐車場がとても広く、ドライブがてらに立ち寄るにはとても便利です。
駐車場の一番奥に、「杵築町案内図」という看板が目に止まります。
この辺りのランドマークである杵築城や、そこから広がる城下町、武家屋敷など、歴史好きな人なら食後のお散歩にぴったりの散策コースが案内されています。実際、こちらの近所には歴史を感じさせる建物が多く存在し、「若栄屋」はそんな町で伝統を受けついてこられたのだと思うと、なにか感慨深いものがあります。
大分で、まだ別府温泉や湯布院しか訪れていない方は、是非次回はこちらのお店にもお立ち寄りください。別府や湯布院から車で40分、と多少アクセスに時間がかかりはしますが、大分空港からの帰りに設定すれば途中に立ち寄ることが十分可能です。
<若栄屋>
〒873-0001 大分県杵築市北浜665−429
TEL:0978-63-5555 FAX:0978-63-2345
営業時間:11:00〜21:00
「大分名物」の食べ物といえば、「城下かれい」や「とり天」など、有名なものはたくさんありますが、是非現地でしか食べられない名物を味わってみてはいかがでしょうか。
大分旅行の際には、少し遠回りしてでも是非こちらのお店に立ち寄ってみてください。お殿様を満足させてしまうほどのパワーがあるお料理で、口元から幸せを感じていただけると嬉しいです。
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