南イタリア・パレルモ旅で食べたい名物チーズ5選

南イタリア・パレルモ旅で食べたい名物チーズ5選

更新日:2020/06/02 16:03

ケイコ ソリーノのプロフィール写真 ケイコ ソリーノ イタリア政府公認ツアーコンダクター、郷土料理教室主宰
太陽がまぶしい南伊・シチリアの州都、パレルモ。力強い大地が育むパレルモグルメは、旅人の楽しみのひとつですね。郷土料理に郷土菓子…そして、ご当地チーズもお忘れなく!

牧羊が盛んなシチリアでは、羊乳を使ったチーズが主流。今回は、パレルモ旅で味わうべきシチリア産のチーズ5つをご紹介!羊乳製チーズ3つ+牛乳製チーズ2つです。現地で名物チーズを思いっきり楽しんでください。熟成タイプはお土産にも最適です。

古代ローマ人も愛したチーズ

古代ローマ人も愛したチーズ

提供元:Consorzio di Pecorino Siciliano DOP

http://www.consorziopecorinosiciliano.it/

1つ目は、シチリア島全土が産地の「ペコリーノ・シチリアーノ」(DOP)。シチリアで一番古い歴史をもち、3世紀の書物に登場するほど。古代ローマ人にも愛されたチーズです。

自由放牧の羊乳を原料とし、熟成期間は4〜8ヶ月。加塩作業は、現在も1つずつ手作業で行なわれます。外皮にチーズ型の縄目模様が付いているのが特徴。

乾いた大地と羊らしい力強いミルクの香り、ピリっとした刺激的な味わいが特徴。産地により味にバリエーションがあるのも、このチーズの面白さ。テーブルチーズとして、熟成が長いものは削ってパスタにかけてどうぞ。

名産のサフランを混ぜたチーズ

名産のサフランを混ぜたチーズ

提供元:Consorzio di Piacentinu Ennese DOP

http://www.piacentinuennese.it/

次は、島の中央エンナ県産の「ピアチェンティヌ・エンネーゼ」(DOP)です。名前は、方言で「エンナ地方の好物」の意味。伝説では、1090年にシチリア伯ルッジェーロ1世が、鬱に悩む妻のために元気になる香辛料入りのチーズを作らせたのが発祥だといわれてます。

原料は島固有の4種の羊の乳で、地元産のサフランと粒状の黒胡椒を混ぜた黄色いチーズ。最低熟成期間は60日。

サフランの繊細な香りがふわっと漂い、味は黒胡椒がピリっと効いて塩味は穏やか。テーブルチーズとして、または、焼き溶かしてグリル料理に。食卓が華やかになるチーズです。

職人の機転から生まれたチーズ

職人の機転から生まれたチーズ

提供元:Consorzio di Vastedda della Valle del Belice DOP

http://www.consorziovastedda.it/

羊乳製チーズの最後は、島の西部で作られるパスタ・フィラータタイプの「ヴァステッダ・デッラ・ヴァッレ・デル・ベリーチェ」(DOP)です。パスタ・フィラータとは、チーズ生地に湯を注いで練り、弾力が出てきたところで引きちぎり、成形する製造方法。

原料には土着のヴァッレ・デル・ベリーチェ種の乳のみを使い、陶器のお皿に入れてフォカッチャのような形に成形するのが特徴。言い伝えでは、あるチーズ職人が暑さで過発酵になったチーズ生地を、熱湯に入れてみたのがこのチーズの始まりといわれてます。

熟成させないソフトタイプのチーズなので、フレッシュな羊乳の甘さとバターのような味わいがあり、微かに酸味も感じます。サンドウィッチやサラダに入れて食べてください。

驚きのレモン入りチーズ

驚きのレモン入りチーズ

提供元:Consorzio di Provola dei Nebrodi DOP

https://www.facebook.com/conzorzioprovolanebrodi

4つ目は、島の北東メッシーナ県産の「プロヴォラ・デイ・ネブロディ」(DOP)。名前は産地のネブロディ山麓に由来。このチーズもパスタ・フィラータタイプです。

原料は牛乳で、熟成期間により、“フレスカ”(10日〜)“セミスタジオナータ”(3ヶ月〜)“スタジオナータ”(4ヶ月〜)“スフォリア”(1年〜)の4つに分かれます。さらに“アル リモーネ ヴェルデ”という、熟す前の緑色のレモンを入れたタイプがあります。

熟成が若いとミルクの甘さを感じ、熟成につれて塩味が強くなり辛味もでてきます。テーブルチーズに、フライパンで焼いてチーズステーキもおすすめ。

食パンのような形のチーズ

食パンのような形のチーズ

提供元:Consorzio di Ragusano DOP

https://www.consorzioragusanodop.it/

最後は、島の南部ラグーサ県とシラクーサ県で生産される「ラグサーノ」(DOP)です。このチーズの特徴は長方形の形。移民の多いアメリカへ輸出するため、船に積みやすいようにこの形になったといわれてます。

原料は牛乳で、11〜5月の期間限定で生産されます。このチーズもパスタ・フィラータタイプです。最低熟成期間は3ヶ月、最長でも12ヶ月程度。

熟成が若いと淡白な味わいの中にミルクの甘みが広がり、熟成につれて、微かな塩気と辛味が主張を始めます。テーブルチーズに、削って料理の材料にしてもよい万能チーズです。

羊乳製チーズを試してみよう!

一般的に、羊乳製チーズはクセがあるため選ばない方も多いと思います。しかし、牧羊が盛んなシチリアで羊乳製チーズを食べないのはもったいない!

チーズ初心者なら、熟成期間が短いものから気軽にトライしてみてください。熟成チーズに抵抗があるなら、フレッシュなタイプを。楽しいシチリア旅で伝統が織り成すチーズ文化を満喫しましょう。

2020年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/05/28 訪問

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