写真:土庄 雄平
地図を見るまず日本各地の離島と比べて、壱岐の一番大きな特徴は、島の成立に神話が関与しているということ。古事記に記載されている国産み神話にて、天比登都柱(アメノヒトツバシラ)が降臨したところから、壱岐の歴史はスタートします。
そんな神の国・壱岐で最古の神社の一つと言われているのが「月讀神社」。神話でも有名な伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)の間に生まれた「月讀命(つくよみのみこと)を御祭神とする神社です。
趣のある鳥居をくぐり、急な石段を登ると神秘的なパワーが感じられる社が現れます。社殿は木々に覆われていて、昼でも暗く月の神をまつる風情が漂いますね。
写真:土庄 雄平
地図を見るそんなこの神社、日本書紀に記された「京都の松尾大社内にある月讀神社は壱岐の県主(あがたぬし)の先祖である忍見宿祢(おしみのすくね)が分霊したもの」という記述から、全国の月讀神社の総本社だということが分かっており、歴史的にとても注目されています。
なお、壱岐には全国各地の名だたる神社と同一名称の神社が高確率で存在します。この月讀神社を例に考えると、もしかしたら全国各地の神社の起源は、この「壱岐」ということになるかもしれません。そのように想像するとロマンが広がりますね!
<月讀神社の基本情報>
住所:長崎県壱岐市芦辺町国分東触464
電話番号:0920-45-4145
アクセス:芦辺港から車で5分
写真:土庄 雄平
地図を見る前述した古事記の国産み神話にて生まれたとされる「壱岐」は、島自体が動かないように固定するため、神が八本柱で島を止めたという伝説が残っています。その中で、島の西部・黒崎半島に位置する「猿岩」は、最も有名な八本柱です。
断崖絶壁の海岸線に、思いっきり巨大奇岩がそそり立つだけでもすごい迫力ですが、よく見ると確かに"猿"の横顔そっくり!目と鼻と顔の輪郭がしっかりと描かれ、岩に生えている植物も、猿の毛並みをリアルに表現しています。
写真:土庄 雄平
地図を見る物産館に設けられた展望台がもっともくっきりと「猿岩」の造形を眺められますが、実はこの岩は近づくことも可能!壱岐らしい低木帯の最果て感漂う道を進んでいけば「猿岩」と対峙するような構図の場所へ辿り着きます。
雄大な大海原に、存在感のある巨大な岩。大スケールの壱岐の世界観を象徴するような一枚を撮影することができますよ!
<猿岩の基本情報>
住所:長崎県壱岐市郷ノ浦町新田触890-2
アクセス:郷ノ浦港から車で45分
写真:土庄 雄平
地図を見る前述してきたように、歴史に絡む景勝地やスポットが集中する「壱岐」ですが、純粋に素晴らしい自然景観が根付いているのもポイントです。
中でも、壱岐随一の絶景スポットとして名高いのが「辰ノ島」。壱岐北部の港町・勝本から船で上陸できる無人島で、島には環境省「快水浴場百選」にも選ばれた透明度抜群の「辰ノ島海水浴場」を有しています。
写真:土庄 雄平
地図を見るそんな辰ノ島ですが、上陸前に遊覧船でクルージングも満喫できる点も魅力!スタート直後は真っ青な大海原を進んでいきますが、島に近づいたとある場所から、海の色がドラマティックに変わり、神秘的なエメラルド色の「海の宮殿」へ。外海に出れば荒々しい波と、切り立った断崖絶壁「蛇ヶ谷」が顔を覗かせます。
写真:土庄 雄平
地図を見る上陸後は1時間程の無人島探索!海沿いを歩く古めかしい遊歩道は趣があり、蛇ヶ谷の上まで上がれば国境の島らしい「壱岐」の最果て感あるパノラマが!3時間程で非日常の大冒険を楽しむことが可能です。
<勝本町漁協観光案内所/辰ノ島遊覧船の基本情報>
住所:長崎県壱岐市 勝本町勝本浦575-61
電話番号:0920-42-2020
アクセス:勝本町中心部から徒歩5〜10分
写真:土庄 雄平
地図を見るあまり知られていないのですが、壱岐には素晴らしい名湯が湧いており、「湯ノ本温泉」という鄙びた温泉街が佇んでいます。このお湯は、壱岐随一のいで湯と呼ばれ、古くから親しまれてきました。
しかし、そんなこの温泉にも壱岐ならではの歴史が関わっているのが面白いところ。
写真:土庄 雄平
地図を見る実は日本古代史で「三韓征伐」を率いたことで名高い女帝・神功皇后が応神天皇の産湯として使用したという言い伝えが残っており、この「湯ノ本温泉」は1700年も前から温泉地として利用されていたことが判明しているのです。
ここまで歴史のあるお湯は全国有数で、子宝と外傷治癒といった抜群のお湯の効能から、国民保養温泉地にも指定されています。
オススメは「旅館 千石荘」!蔵壁を彷彿とさせる趣ある浴室で、コントンと湧き出る鉄分たっぷりの赤褐色のお湯を満喫できます。身体の芯まで温めてくれ、お風呂を出たあとも、ずっとポカポカが持続するお湯の効能に驚くことでしょう。
<湯ノ本温泉 旅館 千石荘の基本情報>
住所:長崎県壱岐市勝本町湯本浦58
電話番号:0920-43-0004
アクセス:郷ノ浦港から車で30分
写真:土庄 雄平
地図を見る四方を海に囲まれている「壱岐」。もちろん離島といえば、新鮮な海の幸が水揚げされ、素晴らしい郷土料理を頂くことができます。
壱岐には数々素晴らしいお店がありますが、中でも一番のお勧めは郷ノ浦港に位置する「かもめの朝ごはん」!2018年から営業を始めたまだ新しいお店なのですが、毎日早朝に海に出て漁から帰って来る地元漁師たちを支えている漁港直営の食堂です。
写真:土庄 雄平
地図を見るメニューは基本的にバイキング形式!地元のお母さんたちが作ったおばんざいがズラリと並び、好きなだけ取って食べることができます。壱岐は農業も盛んであり、山と海の幸の両方が詰まった、ホッと落ち着く品ばかり。
なお朝食バイキング700円は6時〜10時ですが、それ以降はお刺身が一皿ついてランチバイキングが1000円となります。まさに驚愕のコストパフォーマンスと言えるでしょう!
ホテルを敢えて素泊まりプランにして朝食を食べに訪れたり、午前中発のフェリー乗船前に立ち寄ってみるのがオススメ!
<かもめの朝ごはんの基本情報>
住所:長崎県壱岐市郷ノ浦町郷ノ浦405-6
営業時間:7時〜14時
電話番号:0920-47-4539
アクセス:郷ノ浦港から徒歩10分
九州北部に位置する「壱岐」。訪れたことのない方には、あまり具体的なイメージが湧かないかもしれませんが、自然景観に歴史文化、温泉グルメなど、とてもバリエーション豊かな魅力が根付いています。これこそ、一つの世界として完結する「島」を巡る旅の醍醐味と言えるでしょう。そして神話にも登場し、日本史上極めて重要な位置づけを担ってきた「壱岐」のバックグラウンドも、その旅へインスピレーションや面白さを与えてくれます。
濃い島旅を満喫したいという方は、ぜひ国境の島「壱岐」へ訪れてみてはいかがでしょうか?この島でしか得られない、不思議な魅力いっぱいの冒険が待っています。
2020年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/29更新)
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