写真:乾口 達司
地図を見る「三段壁(さんだんべき)」は和歌山県西牟婁郡白浜町に位置する自然景勝地。その名はかつて当地に存在した魚群の監視場「見段(みだん)」から転じたものと考えられており、現在は「円月島」や「千畳敷」とともに国の名勝となっています。
展望台からの眺めは、ご覧のとおり。三段壁は枯木灘に面して直立する巨大な断崖絶壁の岩壁で、このあたりの地層である「田辺層群」上部層のぶ厚い砂岩層によって成り立つ海食崖です。
全長は約2キロメートル。海面からの高さは50メートルにおよびます。岩壁が全体的に茶褐色に見えるのは、砂岩層から鉱床成分がしみ出し、変色しているため。地層に造詣の深い方には興味深い海食崖でしょう。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらは展望スポットから南方を撮影したもの。三段壁の断崖絶壁は南へ南へと続いています。
写真:乾口 達司
地図を見る三段壁の魅力は何も断崖絶壁を展望台から俯瞰的に眺められる点にだけあるわけではありません。海面近くには荒波によって削られ、形成された海食洞(洞窟)もあり、その内部から三段壁を楽しむこともできるのです。
「三段壁洞窟」の内部は有料。こちらのエレベーターを利用して地下36メートルまで降りると、すぐに洞窟の内部です。
写真:乾口 達司
地図を見る洞窟内は通路に沿ってぐるりと一周することができます。ゆっくり見てまわっても30分もあれば充分でしょう。
洞窟は古代から中世にかけて当地を根城に活躍した熊野水軍の舟隠し場であったという伝承も残されており、熊野水軍ゆかりの遺物が複数展示されています。
写真:乾口 達司
地図を見る岩の割れ目からは地下水がしみ出しているため、通路はすべりやすい状態となっています。足元に注意しながらめぐりましょう。
ちなみに、和歌山県を代表する温泉地だけに、洞窟内には温泉もわき出していますよ。お見逃しなく。
写真:乾口 達司
地図を見る通路は洞窟の開口部近くまでのびているため、外部の様子を見学することができます。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらの写真は断崖絶壁を洞窟の開口部付近から見上げたもの。三段壁の断崖がいかに高く、豪快であるか、おわかりいただけるでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらは開口部の脇にある「十像岩」と呼ばれる奇岩。その名は岩の表面に人の顔やネズミ・サル・オオカミなどによく似た造型が見られることにちなみます。
どのあたりにどのような姿が隠れているか、ご自身の目でお確かめください。
写真:乾口 達司
地図を見る開口部には、当然、外部からの荒波が打ち寄せます。波の一部は洞窟内へも流れ込み、その豪快な流れ込みの様子が三段壁洞窟の魅力の一つともなっています。
写真:乾口 達司
地図を見る荒波は洞窟の奥まで流れ込みます。壁面にぶつかる瞬間には水しぶきが大量にふりかかることもあるので、ご注意ください。
なお、荒天時は危険をともなうため、洞窟内の巡回が制限される場合があります。
写真:乾口 達司
地図を見る長い年月をかけて浸食を受けて来たため、洞窟内には珍しい地質上の現象も見られます。
写真の中央、さざ波のような紋様が天井部分に刻まれているのが、おわかりいただけるでしょう。これは「漣痕(れんこん)」と呼ばれるもので、堆積層の表面を流れた水や空気によって刻まれた波状の模様です。こちらの漣痕はいまから1600万年前のものと推定されています。
写真:乾口 達司
地図を見る悲しいことではありますが、断崖絶壁の三段壁では、かつて多くの投身自殺が起こりました。また、海難事故も多く、地上には犠牲者を悼んだ石碑も建立されています。
写真:乾口 達司
地図を見るかつては暗いイメージもつきまとっていた三段壁も、今日では人気のデートスポットになっており、2016年には「恋人の聖地」に認定されています。写真はそれを記念して建てられたモニュメント。カップルの方はぜひ三段壁に足をお運びください。
三段壁がいかに多面的な魅力を有したスポットであるか、おわかりいただけたでしょうか。展望台から断崖絶壁を眺めるもよし、洞窟内から打ち寄せる荒波を見るもよし。白浜町を代表する観光スポットである三段壁をご堪能ください。
住所:和歌山県西牟婁郡白浜町2927-52
電話番号(三段壁洞窟):0739-42-4495
営業時間(三段壁洞窟):8:00〜17:00(最終入場は16:50)
入館料(三段壁洞窟):大人(中学生以上)1300円/小人(小学生)650円/小学生未満は無料
アクセス:JR白浜駅より車で約20分
2020年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/29更新)
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