台中市郊外の霧峰区にある「霧峰林家宮保第園區」は、霧峰で身を立てた林家の史跡です。林家は、「台湾五代家族」と言われている台湾の富豪です。太平天国の平定に協力するなど、清代以降、台湾社会に最も影響を与えたと言われる一家族でもあります。
「霧峰林家宮保第園區」内には、邸宅部の「宮保第」と舞台の「大花廳」があり、清代の伝統的な建築スタイルが残っています。台湾鉄道台中駅からバスに乗り、霧峰郵便局で下車すると、徒歩5分ほどのところにあります。まずチケット売り場でチケットを買いましょう。
入場料は250元で、チケットの半券がドリンク引き換え券になっていて、中の売店で半券を出すと、お茶がいただけます。「大花廳」の入り口にはロックがかかっているので、チケット売り場で聞いた暗証番号を入力して中に入ります。暗証番号を控えておいてくださいね。
中は大きく邸宅部の「宮保第」と舞台の「大花廳」に分かれています。「宮保第」とは、林家で官職に就き、太平天国の乱を平定しに行った際に戦死した「林文察」氏の武勲を称した官邸の名前です。台湾に現存する清代の官邸で最も規模が大きいものと言われています。早速、邸宅部から散策してみましょう。
1858年に「林文察」氏が現存する「第三進」三合院を建て、1870年〜1895年の間に、入り口に門、そして庭を囲んで住居がある建物「第一進」から「第五進」までが増築されました。第四進は撤去され、現在はありません。「第一進」「第二進」は、来賓をもてなしたり、公用で使われたりした場所で、門に描かれている絵や扁額、装飾など当時の芸術が集まっています。
19世紀の官邸の門神(入り口を守る神)などの彩色絵画は、台湾に僅かに残るもので、鉱物漆(塗料)と桐油(天然の植物油)を使って修復されています。世界初の修復方法と言われているので、じっくりと鑑賞してみてくださいね。
第二進の入り口の上に掲げられている「春秋又八千」という文字は、1928年に楊草仙が90歳のときに書いた作品で、林朝棟の楊夫人の81歳を祝して贈られたものです。
更に奥に進むと第五進に出ます。ここに植えられているのが樹齢100年という七里香の木です。
第五進の一角には売店があります。ポストカードやオリジナルグッズなども販売されています。ここでチケットの半券(ドリンク引き換え券)を出すとアールグレイ茶がいただけます。隣の部屋にはテーブルと椅子があるので、座って休むことができます。
少し休憩したら、第五進の奥に隣の建物「大花廳(舞台)」に通じるドアと細い脇道があるので、ドアを開けて進んでみましょう。
細い脇道をまっすぐ進んで左側へ曲がると、庭があります。ここにある建物が「大花廳」です。この入り口のドアのところで、チケット売り場で聞いた暗証番号を入力して建物の中に入りましょう。
木造福州式の舞台「大花廳」は、観劇や宴席に使われた場所です。
2015年に安室奈美恵さんとジョリン(蔡依林)のPV「I’m Not Yours」の撮影地になった場所でもあり、思わず写真を撮りたくなる場所がたくさんあります。
この舞台の八角形の屋根裏には美しい牡丹の花の彫刻があります。牡丹の花には富貴(財産があって、身分が高い)という意味があり、繁栄を象徴しています。
右上、左上に飾られている龍の子供「鰲魚」は火を呑み、風雨を好むと言われ、雨乞い、防火の意味で、柱梁や屋根に飾られます。このほか、細かく美しく彫刻されている舞台の柱などにある「麒麟」や「桃眼獅」などの飾りもぜひチェックしてみてください。
「大花廳」の外にはお土産売り場もあります。地域の特産の麺やお菓子なども置かれているのでお土産探しにも立ち寄ってみてください。
また、文物展示コーナーや資料展示コーナーもあるので、時間のある方はゆっくり見学してみてください。不定期に行われる夜間イベントもあります。昔の衣装を着て音楽などを鑑賞するイベントで、更にタイムトリップしたような気分が味わえること間違いなしです。イベントは、ホームページで告知されます。
伝統的で美しい建物、庭、舞台などをゆっくり見て、中華風の伝統的な雰囲気をぜひカメラに収めてください!
住所:台中市霧峰區民生路26號
電話番号:+886-4-2331-7985
営業時間:9:00〜17:00
アクセス:台湾鉄道台中駅からバスで「霧峰郵局」下車、徒歩約5分
2020年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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