写真:藤田 聡
地図を見る二岐温泉(読み方:ふたまたおんせん)の「大丸あすなろ荘」は、日本秘湯を守る会の宿として温泉好きに知られています。館主の佐藤好億(よしやす)さんは、1984年(昭和59年)に日本秘湯を守る会会長に就任。以来30年間という長きに渡り会長を勤め、2015年からは名誉会長に就任して対外折衝を担当しています。
皇族の高松宮様に「あすなろ荘」と命名された由緒正しい宿ですが、正面玄関には小さな門があるだけ。本当に良い宿の入口は、意外と簡素な場合が多いものです。
なお駐車場がかなり手前にあるので、手荷物は少なめの方がスムーズにチェックイン出来ますよ!
写真:藤田 聡
地図を見る今でこそ秘湯は、温泉の中で大きなジャンルを占めていますが、その歴史は意外と浅く、日本秘湯を守る会の設立も1975年(昭和50年)です。秘湯という言葉も同時に誕生したという説がありますが、厳密には少々事情が異なります。
1960年代後半から個人旅行が大ブームになり、団体旅行から転換する時代背景がありました。アンノン族やカニ族と呼ばれる、今でいえば女子旅やバックパッカーの先駆けのような、若者の旅行者が出現した時代です。
このような時代背景から温泉もビルの大旅館ではなく、泉質と自然を静かに楽しむ秘湯が求められるようになります。象徴的なのが伝説的漫画雑誌「ガロ」の1968年2月号に、つげ義春の作品「二岐渓谷」が掲載された事。取材旅行は前年の1967年で、漫画に登場する二岐温泉「湯小屋旅館」が、今も当時の風情のまま残っています。また造語「秘湯」発祥の湯宿とされるのが二岐温泉「大和館」で、同じく1967年の事とされています。
このように秘湯という言葉の歴史を語る上では、二岐温泉は決して欠かせない存在なのです。そして現代の二岐温泉を代表する宿である、大丸あすなろ荘に宿泊すれば、秘湯本来の醍醐味を存分に味わえるのです!
写真:藤田 聡
地図を見る二岐温泉「大丸あすなろ荘」にチェックインすると、館内から敷地内を一望出来ます。左側の小屋が、女湯の露天風呂「子宝の湯」で内湯も併設されています。中央の小さな小屋が、男湯の渓流露天風呂の脱衣場。右側の小屋は、名物の自噴泉甌穴風呂です!
ロビーはもちろん、客室や食事処からも浴場群を眺めながら滞在するのは、まさに温泉が主役の秘湯ならでは。浴場へ向かう宿泊客の動きが分かるので、浴場の混雑具合も想像出来て、実用的なメリットもありますよ。
写真:藤田 聡
地図を見る秘湯に来たら、豊かな自然を実感出来る露天風呂を真っ先に楽しみましょう!
二岐温泉「大丸あすなろ荘」では、二俣川の渓流沿いに男女別の露天風呂を完備。写真は男湯の渓流露天風呂です。
写真:藤田 聡
地図を見る男湯の渓流露天風呂には浴槽が2つあり、奥の湯船はまさに川に手が届く程。川面を吹き渡る風を感じながら、緑豊かな四季折々の大自然によって、心身ともに深いリラックス効果を得る事が出来ます。
これは転地効果と言って、温泉の本質的な楽しみ方のひとつです!
写真:藤田 聡
地図を見る二股温泉は本当に自然に恵まれています。新緑が深みを増す、緑豊かな季節も素敵ですが、秋の紅葉も猛烈な素晴らしさ。もちろん、冬の雪景色を楽しむ雪見露天風呂も最高です!
温泉の泉質は、カルシウムー硫酸塩泉(石膏泉)。血行促進効果があるので体が芯から温まり、冷え症などの効能も。紅葉や雪見風呂を楽しむ、寒い時期の温泉旅にも最適です。翌朝も出発間際まで、たっぷり温泉を楽しみましょう!
写真:藤田 聡
地図を見る二岐温泉「大丸あすなろ荘」の名物といえば、自噴泉甌穴風呂。露天風呂へ向かう際に、手前右側に湯小屋があります。
日帰り入浴も可能ですが、11時から14時30分までと利用時間が限られる上に、混浴なので女子旅で利用するにはハードルが高いのが実情。宿泊客は時間帯を区切って男女交代で入浴するので、宿泊して満喫するのがおすすめです!
チェックインすると、15時30分から18時30分までが女性入浴可能時間。男性は19時から利用可能になり、23時まで。深夜の入浴は危険なので、渓流沿いの露天風呂とともに利用はご遠慮下さい。
翌朝は6時から女湯になっており、8時まで。男性は8時30分から10時まで入浴可能です!
なお宿泊客が少ない日に湯を完全に抜いて清掃するので、週に1日か2日の休業日があり、その日は日帰りも宿泊も休みになります。利用する際には、事前に営業を確認の上、お出かけ下さい。
写真:藤田 聡
地図を見る二岐温泉「大丸あすなろ荘」の自噴泉甌穴風呂では、湯船の底に注目して下さい。凹凸の激しい岩盤が露出しており、左上の割れ目から熱い源泉が噴出しています!
これは、足元湧出温泉と呼ばれる究極の温泉。湯船自体が源泉で、温泉のお湯が湧いてから空気に触れて酸化するよりも前に、入浴者の肌に触れて潤いを与えるのです!「自噴泉」という名前が、こうした素晴らしさを表わしています。
一方の甌穴というのは、右側に大きく空いた穴の事。川の流れで石が回転して、川底に丸い穴を開けた地形を呼びます。左下にも小さな甌穴が2つあり、昔は川底だった事を証明しています。
このような背景を知れば凹凸の激しい岩盤が、自然が織り成す奇跡の芸術作品に見え、ただただ見惚れてしまうに違いありません。川底だった太古の昔に思いを馳せつつ入浴出来る、日本でもここだけのユニークな甌穴風呂を満喫しましょう!
写真:藤田 聡
地図を見る宿の食事も旅の大きな楽しみですよね。二岐温泉「大丸あすなろ荘」の夕食は、前菜をはじめいくつもの料理がずらりと勢揃いします。
充実した料理の数々は口コミやブログでも大好評で、山奥の秘湯である事を忘れてしまう程。食いしん坊の方なら、大興奮間違いありません!
写真:藤田 聡
地図を見る山の幸を実感できる、滋味豊かな地産地消の味を楽しんでいるうちに、揚げたて天ぷらも運ばれて来ます。一人前なのにボリューム満点で、器も素晴らしく眼を奪われる美しさです!
実は今回紹介した夕食は、冬季限定格安プランの様子。通常プランなら一層豪華になり、秘湯の夕食とは思えないでしょう!
写真:藤田 聡
地図を見る二岐温泉「大丸あすなろ荘」の食事は、朝夕ともに食事処で頂きます。時節柄、各座席間に十分な距離を確保しており、安心して食事出来るのが有り難い限り。
朝食後は、ロビーラウンジに無料のコーヒーが用意され、セルフで自由に頂けます!
写真:藤田 聡
地図を見る二岐温泉「大丸あすなろ荘」で、最もリーズナブルな部屋は和洋室です。和室の居間の他に、洋室のベッドルームがあるので、とっても広々としており快適に滞在可能。
夕食後に布団が敷かれるのを待つ必要も無く、いつでも旅の疲れをベッドで癒せます。24時間入浴可能な露天風呂付き大浴場にも近いので、積極的に和洋室を指定して予約しましょう!
写真:藤田 聡
地図を見る二岐温泉「大丸あすなろ荘」には24の客室があり、和洋室(6室)の他は全て和室です。露天風呂付き客室も6室完備しているので、記念日の宿泊にも最適。もちろん客室の露天風呂も、源泉かけ流しの天然温泉を使用しています!
なお無料Wi-Fiの設備は無く、スマホの電波もドコモのみ利用可能とされますが、場所により圏外になる場合も。これも人里離れた秘湯らしさと考えて、温泉や自然を楽しみましょう!
二岐温泉「大丸あすなろ荘」は、秘湯という言葉が誕生した温泉地にある、日本秘湯を守る会名誉会長の宿。つまり秘湯の中の秘湯ですから、秘湯の醍醐味を存分に味わえます。
そうした経験を通して温泉の本質的な素晴らしさに目覚め、ここで「温泉に開眼した」という人が居ても全く不思議ではありません。名湯とは単に素晴らしい温泉というだけでなく、本当の魅力を私達に分かり易く教えてくれる場合もあるのです!
四季折々の自然を楽しめる露天風呂や、昔川底だった岩盤から源泉が直接噴出する、名物の自噴泉甌穴風呂で本物の温泉を実感。秘湯とは思えない充実した料理の数々に舌鼓をうち、広々とした和洋室で日々の疲れを癒やしながら静養する。
秘湯ならではの、ゆったりとした時の流れに見を任せつつ、きままに滞在する温泉旅へ。どうぞお出かけください。
なお公共交通機関で二岐温泉に泊まりに行く場合のアクセス方法は、JR東北新幹線新白河駅で下車し、予約制ワンコインバス「湯ったりヤーコン号」で約90分で到着します。ワンコインバスは1日1便で、新白河駅からは13時に東口を出発。二岐温泉からは11時発で12時30分頃新白河駅に到着。バスの予約は、前日までに宿に申し込みます。
2020年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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