写真:咲田 みつる
地図を見る横利根閘門ふれあい公園について語る前に、まずは舞台となる「十六島」について解説します。
この一帯はかつて「香取海」と呼ばれ、霞ヶ浦などとひと続きになった内海でした。江戸時代に、利根川の東遷とともに開拓がすすみ、「十六島」と呼ばれる水田地帯となりました。一帯に張り巡らされた水路の情景や水生植物は、江戸の昔から観光資源としても親しまれてきたという経緯があります。
昭和に入ってからは、土地改良が進み、水路は激減しましたが、今もなお「水郷佐原あやめパーク」(アヤメ・カキツバタ・ハナショウブの名所・上部の画像)や、「加藤洲十二橋めぐり」(水郷佐原あやめパークから出航)など、水郷の名残をとどめているスポットが、風情豊かに残されています。
横利根閘門ふれあい公園は、これらの周辺観光とあわせて訪れることをおすすめします。
写真:咲田 みつる
地図を見る「横利根閘門ふれあい公園」は、十六島エリアの南端、茨城県と千葉県の県境に位置する、水辺の公園です。公園のシンボルは、利根川と横利根川の合流部にある大正生まれのレンガ造りの閘門(こうもん)。閘門は幅10m以上で、公園の中心にあり、存在感を漂わせています。主な役割は、利根川と横利根川を船が行き来する際に、水位を調節することです。
写真:咲田 みつる
地図を見るレンガ造りの複閘式閘門は近代化遺産として評価を受け、平成12年(2000年)には、国の重要文化財に指定されました。建設からおよそ100年が経過する今も現役で稼働しています。レンガの朱色が目を引くとともに、その壁面に刻まれたダメージが歴史を感じさせます。
写真:咲田 みつる
地図を見る横利根閘門ふれあい公園は、横利根閘門が間近で見られるとともに、無料駐車場やトイレ、ベンチ、遊歩道などが備わった憩いの場です。
横利根川はフナ釣りのスポットですので、公園やその付近では、多くの釣り人が釣り糸を垂れています。また、桜の名所として、地元の人にも親しまれています。見晴の良い芝生の広場が広がっており、ドライブ休憩にもピッタリの場所です。
写真:咲田 みつる
地図を見る横利根閘門では、水位を調節するために8枚の大小の鉄の扉が開閉します。大きい扉は、高さ7.3m×幅6.1m、小さい扉でも高さ5.2m×幅6.0mもある巨大な扉です。建設当時から平成6年までは、航行の都度、人力で開閉していました。
写真:咲田 みつる
地図を見る平成6年(1994)に、扉の腐食部分を切り取って、新しい鋼板を使って復元した際、開閉も自動化されました。鉄扉のそばには、開閉装置も復元されており、人力で動かしていた当時の様子を想起させられます。
写真:咲田 みつる
地図を見る建設当時から、昭和10(1935)年ごろまでは、貨物や旅客を乗せた船が年間5万隻ほど航行していました。陸路の交通が発達した現在では、釣りやレジャーの船がメインで、その数は年間1,000〜2,000隻ほどです。
通船可能時間は夏季(6月〜11月)が5:30〜18:00、冬季(12月〜5月)が5:30〜17:00です。(12/29〜1/3は終日通船不可)通過所要時間は、約15分です。
航行には、特に予約が必要ありません。現地で操作用のロープを引き、扉の開閉を待つ…というスタイルです。運が良ければ航行する船に出会えるかもしれません。旅程が許すなら、船がやってくるのを、のんびり待ちつつ、100年の歴史の醍醐味を是非、味わってみてください。
住所:千葉県香取市香取市佐原ニ地先
電話番号:0478-50-1232(香取市)
アクセス:東関東自動車道・佐原香取ICより15分
2020年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
この記事を書いたナビゲーター
咲田 みつる
松山市出身。10代〜20代は父の転勤や自身の進学・就職で引っ越しをたくさん経験しました。得意分野は「関東甲信越の花と絶景」&「ハイキングコースの紹介」。【花と絶景】花の見頃に対しての執着心が強く、友人…
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
旅行ガイドを検索!
(2025/2/11更新)
- 広告 -