写真:土庄 雄平
地図を見る今回紹介する「小秀山」が位置するのは、岐阜県中津川市と長野県王滝村の県境。具体的には、付知峡や下呂温泉に程近く、阿寺山地という山脈に属しています。「小秀山(こひでやま)」は、その阿寺山地の最高峰であり、日本二百名山にも指定されている雄峰です。
そんな小秀山ですが、まず登山口までのアプローチが第一関門!登山口の乙女渓谷まで中津川ICから下道で1時間程走らなければならず、特に遠方から来られる方は、早朝に家を出なければなりません。しかし到着すれば、そのハードルを乗り越えてでも見る価値のある、秘境の世界が待っています。
写真:土庄 雄平
地図を見る乙女渓谷キャンプ場のロッジを横目に登り始めれば、そこには溢れんばかりの緑と、マイナスイオンたぎる登山道が続きます。渓流に並行するように木のデッキが整備され、独特の世界観を見せる道に、スタートから冒険心が掻き立てられることでしょう!
写真:土庄 雄平
地図を見るこの道は「森林浴回廊」と呼ばれ、中腹にある夫婦滝まで続いていきます。常に渓流近くを歩き、木々に覆われて常に日陰となっているため、夏でも涼しい登山を楽しめるのが醍醐味です。また随所に小さい滝や流れ、緑の映り込みがあり、情緒抜群な風景にも癒されます。
写真:土庄 雄平
地図を見るスタートから1時間から1時間半、幾つかの滝を通り過ぎ、渓谷の上流へと至れば、森林浴回廊のクライマックスとなる「夫婦滝」へと到着します。このうち、男滝は登山道から見上げることができるのですが、その滝の姿が圧巻!
写真:土庄 雄平
地図を見る80mの落差を誇り、まるで天から注ぐように流れ落ちる迫力には、見入ってしまうでしょう!また途中、こまかく飛沫が起こり、それが風に乗って登山者へと降り注ぎます。登山で汗をかいたあとには、最高のヒーリングスポットです。
写真:土庄 雄平
地図を見る滝でしっかり休息を取ったら、登山のリスタートですが、ここからが本番です。少しずつ急登も織り交ぜられ、体力を奪われるため、マイペースで進んでいきましょう!途中「カモシカ渡り」という難所が現れます。短い区間ですが、ここだけ身体全身を使って、確実に登らなければならないため、細心の注意が必要です。
なお岩場が厳しいという方は、ここで紹介している「二の谷ルート」でなく、もう一つの「三の谷ルート」の選択をお勧めします。
写真:土庄 雄平
地図を見るそして「カモシカ渡り」を越え、二の谷ルートと三の谷ルートを通り過ぎたら、小秀山で一番人気の展望スポット「兜岩」へ到着します。スタートから約3時間半〜4時間のコースタイムです。この辺りから視界が開け、一気に高山らしい風景が続きます。
振り返れば、遥か西方・霊峰「白山」や、近くには荒涼たる「御嶽山」の山容が見事!
写真:土庄 雄平
地図を見るそして小ピークにある「兜岩」はスリリングな岩峰になっています。下呂や東白川方面の町が眼下に広がり、相対するは白草山など、同じく阿寺山地の峰々。高度感も抜群で、これぞ山の醍醐味と言える素晴らしい展望です。
写真:土庄 雄平
地図を見るそんな「兜岩」ですが、先端近くまで行くことも可能!まるで下界に吸い込まれるようなパノラマを楽しむことができます。しかし、これは慣れていない人の場合、非常に危険なため、自分の登山レベルに応じて、絶対に無理をしないようにお願いします。
写真:土庄 雄平
地図を見る一見「兜岩」が山頂と思ってしまうのですが、実は山頂はここから片道40分ほど。標高はかなり高いところまで来ているため、あとは稜線の緩やかな道を進んでいきます。途中には第一高原や第二高原と呼ばれるような、森林限界のエリアがあるのも特徴的!
写真:土庄 雄平
地図を見るそして、緩やかな道から、少し急な登りに変化すると、山頂直下の目印!ラスト5分程頑張れば「小秀山」山頂に到着します。山頂は一見開けていないものの、山頂標識の向こう側へと行けば、一枚の岩の先から、御嶽山と阿寺山地が広がり、まさに別世界のパノラマが待っています。
緑の稜線が続き、強い存在感を醸し出す「御嶽山」へ繋がっていく風景は、他のどの山でも見られない構図です。「小秀山」に登ったからこそ見られる絶景に、この上ない達成感と充実感を感じられるはず!
それでは山頂から下山をしていきますが、帰りは必ず「三の谷ルート」を選択してください!なぜなら二の谷ルートの「カモシカ渡り」は下りだと危険であり、三の谷ルートであれば、リスクなく下山できるからです。景色変化こそ少ないものの、静謐な山歩きを最後まで楽しみましょう。
なおコースタイムは登山者によるものの、全体で7時間〜9時間程。また標高差も1000mを優に超えるため、ある程度体力があることが前提となります。しかしながら本格登山入門の山として、とてもオススメできる名山です。
写真:土庄 雄平
地図を見る登山と言えばメジャーな山に注目が行きがちですが、実はマイナーな山の中にも素晴らしい登山ルートをもつ山が日本には沢山あります。今回紹介した「小秀山」もその一つ!癒しの渓流で森林浴や、ワイルドな急登や岩場、そして登山の醍醐味と言える大パノラマまで、とても景色変化に富んでおり、野趣ある絶景の連続です。
特に山へ数回登ったことがあり、さらにフィールドを広げたいという人にオススメ!ぜひ体力をつけて一度挑戦してみてはいかがでしょうか?
住所:岐阜県中津川市加子母小郷
アクセス:乙女渓谷(登山口)から山頂まで往復7時間〜9時間
※備考
・トレッキングシューズや体を動かしやすい服装で登りましょう。
・お昼や食料・水分は余裕を持って持参をお願いします。
・ルートは関連MEMOでよく調べてから登りましょう。
2020年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/2/8更新)
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