南伊豆の知られざる石切り場を巡る「カノー伝説」って何だ!?

南伊豆の知られざる石切り場を巡る「カノー伝説」って何だ!?

更新日:2020/07/01 11:04

木村 岳人のプロフィール写真 木村 岳人 フリーライター
ダイナミックな絶景が数多く見られ、世界ジオパークにも認定されている伊豆半島。フィリピン海プレートの火山活動によって形成されたその山々は良質な石材の宝庫として昔から知られており、産出される「伊豆石」は江戸城の石垣にも使われました。

伊豆半島の南端に位置する南伊豆町には江戸時代から昭和初期まで石材を切り出していた石切り場の遺構が眠っており、「カノー伝説」という名称のツアーで見学することができます。

新型コロナウイルスの発生と感染拡大に伴う、県境をまたいだ移動の自粛が2020年6月19日より解除されます。また県境をまたぐ観光については「徐々に行い、人との間隔を確保すること」というガイドラインが政府より示されています。各種報道機関の発表、施設や各自治体のホームページなどで最新の情報をご確認ください。(LINEトラベルjp)
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自然豊かな里山に残る石切り場を巡る!

自然豊かな里山に残る石切り場を巡る!

写真:木村 岳人

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「カノー伝説」で巡る石切り場は、南伊豆町の内陸部に位置する加納地区の里山に存在します。里山を熟知したガイドさんによる案内のもと山道を歩くことになりますので、動きやすい服装と滑りにくい靴で参加しましょう。

なお、この里山の一帯は私有地ですので、石切り場を見学するにはツアーへの参加が必須となります。無断での立ち入りは厳格に罰せられますので、絶対におやめください。

自然豊かな里山に残る石切り場を巡る!

写真:木村 岳人

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石切り場へ続く山道は先代オーナーの時代からコツコツ整備されてきたもので、私有地であるにも関わらず普通の登山道のように歩きやすい道のりとなっています。道迷いを防ぐロープや道標も随所に設けられており、自然豊かな里山を丸ごと楽しんでもらおうというオーナーの心遣いが感じられます。

剥き出しの岩盤に刻まれた石切り場の歴史

剥き出しの岩盤に刻まれた石切り場の歴史

写真:木村 岳人

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この里山には主に3箇所の石切り場があり、それぞれの規模によって「小」「中」「大」と名付けられています。まず最初に訪れるのは「小」ですが、小とはいっても実に立派なもので、これぞ石切り場というべき光景を目にすることができます。

剥き出しの岩盤に刻まれた石切り場の歴史

写真:木村 岳人

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剥き出しになった岩盤の表面には等間隔に刻まれた水平の線が無数に見られますが、これは石材を採掘していた痕。ここでは地表から掘り下げていく露頭掘りが行われ、その時に切り出された石材の厚さが線として残っているのです。またよく見ると斜めに走るノミの痕も確認でき、一段ずつ手作業で採掘が行われていた石切り場の歴史を物語っています。

この石切り場での採掘は江戸時代に始められ、明治時代に入ってもなお続けられていました。しかしながら大正12年(1923年)の関東大震災によって石造建造物の耐震性の弱さが明らかとなり、さらにコンクリートやより安い海外産石材の普及もあって石材の需要が減少。昭和初期に採掘が終了したと伝わります。

自然に還りつつある石切り場跡の美しさを堪能しよう

自然に還りつつある石切り場跡の美しさを堪能しよう

写真:木村 岳人

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続いて訪れる「中」の石切り場は細長い入口から続くL字型の空間になっています。こちらも露頭掘りの跡ですが、より入り組んだ形状をしており、そのたたずまいは古代遺跡のよう。

壁の一部が崩壊しており風化が進んでいる印象ですが、頭上から植物の根が垂れ下がり、苔むした壁が木漏れ日に照らされて蛍光色に光るなど、神秘的な美しさを醸しています。

自然に還りつつある石切り場跡の美しさを堪能しよう

写真:木村 岳人

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この里山の石切り場はあえて整備の手を入れておらず、自然に還りつつある姿をそのまま見せています。一般的な観光スポットは遺構の保存や見た目重視の整備が行われがちですが、ここでは里山の自然に抱かれた廃虚としての石切り場の風情を体感することができるのです。

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圧巻の「大」はまるで神殿のような半地下空間!

圧巻の「大」はまるで神殿のような半地下空間!

写真:木村 岳人

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このツアーのクライマックスは最後に待ち受けている「大」の石切り場です。これまでの石切り場は地表から掘り下げる露頭掘りだったのに対し、こちらは横へと掘り進める坑道掘りの技術も用いられており、より複雑な半地下空間が広がっています。

圧巻の「大」はまるで神殿のような半地下空間!

写真:木村 岳人

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二種類の採掘法によって作り出された石切り場は普通の建造物にはない神秘的な雰囲気が漂っており、まるで神殿のようです。奥にはステージ状の空間もあり、モデル撮影の舞台としても使わることもあるといいます。

三島神社で語られる「カノー伝説」

三島神社で語られる「カノー伝説」

写真:木村 岳人

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すべての石切り場を見学した後は、加納地区にある三島神社を訪れます。南伊豆で切り出された石材は柔らかくて加工がしやすく、民家の壁や蔵、石仏など身近な建材として利用されてきました。この三島神社でも石段や石垣など様々な場所に伊豆石が用いられています。

三島神社というと三島市に鎮座する三島大社が有名ですが、南伊豆には数多くの三島神社が存在しており、そのルーツは南伊豆にあるのではないかという説もあります。三島は「御島」と書くこともでき、南伊豆で御島といえば伊豆諸島のこと。三島神社は火山列島である伊豆諸島の噴火を鎮めるための祭祀を起源とするのではないかというのです。

三島神社で語られる「カノー伝説」

写真:木村 岳人

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また三島神社の境内には楠の巨木が2本そびえているのですが、これらは船材を確保すべく植えられたものだと伝わります。今でこそ南伊豆には道路が通っていますが、かつては陸路での移動が困難で船での移動が基本でした。

この辺りには「加納」をはじめ「カノー」と読む地名が多く、それは先史時代より人類が利用してきた丸木舟、すなわち「カヌー」を語源にするのではないかとこのツアーでは提唱しています。カヌーのルーツはカリブ海のハイチですが、太平洋のポリネシアにも似たような言葉があり、それが海を越えて南伊豆にもたらされ、地名として定着したのではないかというのです。このユニークかつロマンあふれる説こそが、ツアーの名称「カノー伝説」の由来です。

カノー伝説の基本情報

住所:静岡県南伊豆町加納
アクセス:
下田市街地から車で約15分
下田駅から東海バス「伊浜行き」で約加納バス停下車徒歩約30分、加納バス停下車徒歩約30分
催行期間:通年
予約電話番号:090-6589-1906
最小催行人数:2人
料金:3500円

2020年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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