写真:乾口 達司
地図を見る「千畳敷」は和歌山県西牟婁郡白浜町にある景勝地。付近に点在する「円月島」や「三段壁」とともに国の名勝となっています。
「千畳敷」の名前は畳を千枚も敷けるほど広いということに由来しており、実際、写真のように広々としています。
写真:乾口 達司
地図を見る千畳敷は新第三紀層の砂岩からなる巨大な岩盤。波によって浸食された海底(波食台)が隆起して海岸段丘となったもので、ご覧のように、海の底にあった時代に堆積した地層がはっきりと見られる点に、大きな特徴があります。
写真に写り込んでいる人と、その大きさを見比べてください。長い歳月をかけて形成された地層からは、地球のダイナミックな変動を学ぶことができますよ。
写真:乾口 達司
地図を見るもちろん、露出する地層の断面を間近で見ることもできます。まるでバウムクーヘンのようだと思う方がいらっしゃるかも知れませんね。
千畳敷は、学術上、「田辺層群」のなかの「白浜累層」に属し、おもに砂岩・礫岩・泥岩などから成り立っています。それぞれの岩の違いによってさまざまな地層を確認できる点に特徴があります。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらでは、小石などの礫が埋め込まれているのが、おわかりいただけるでしょう。一口に地層といっても、それぞれの地層の堆積物が年代によって異なっていることの証です。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらでは、何やら握り拳代のものが複数埋め込まれています。これも堆積物の一つ。 埋め込まれているのは、単なる礫ではありません。植物の化石です。
ほかにも、千畳敷では、生きものの活動の痕跡が地層中に残された「生痕化石(せいこんかせき)」も見られます。ご自身の眼でお確かめください。
写真:乾口 達司
地図を見る浅海の砂岩層は波による浸食を受けやすく、ときに不思議な光景を見せてくれます。
こちらの写真もその一つ。この世ならざる光景といった印象を与えています。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらも同様であり、波によって形作られた造型が長い歳月のうちに風化し、このような幻想的な光景を見せるのです。
写真:乾口 達司
地図を見る足元にも目をやってください。場所によっては、マーブル模様も見られます。マーブル模様は砂岩が風や波などの影響によって形成されたもの。岩石のなかでは柔らかい砂岩だからこそなせるものです。
写真:乾口 達司
地図を見る風化により、露出していた地層の一部が徐々にはがれ、ご覧のような模様も見られます。まさしく自然のなせるわざですね。
なお、砂岩はやわらかい性質の岩石であるため、岩盤の表面に落書きをする不心得者が後を絶ちません。落書きは絶対につつしんでください。
写真:乾口 達司
地図を見る千畳敷から望む夕陽は美しいと評判で、「日本の夕陽百選」にも選ばれているほど。夕陽を眺めに千畳敷に足を運ぶこともお勧めします。
写真:乾口 達司
地図を見る夕陽に染まった千畳敷の光景は、一味違います。断層がテーブル状になっていることもあり、腰をおろして、海のかなたに沈む夕陽を眺められるのもうれしいですね。
千畳敷が太古からの地底活動によって形作られたこと、お分かりいただけたでしょうか。温泉の街・白浜を構成する代表的な観光スポット「千畳敷」で、ダイナミックな大地のいとなみに圧倒されてください。
住所:和歌山県西牟婁郡白浜町2927-72
入場料:なし
アクセス:JR白浜駅より車で約20分
2025年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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