花言葉に願いを込めて 埼玉行田「古代蓮の里」と田んぼアート

花言葉に願いを込めて 埼玉行田「古代蓮の里」と田んぼアート

更新日:2021/07/23 13:52

Mayumi Kawaiのプロフィール写真 Mayumi Kawai 絶景ハンター、トラベルライター、自称ミステリーハンター
蓮は泥より出でて泥に染まらず――こんなことわざにもあるように、蓮はどんな泥水に育とうとも美しい大輪の花を咲かせることから「清浄」「神聖」などの花言葉をもつ以外に、救いを求める「救ってください」の花言葉も秘められています。

毎年12万株の大輪の蓮を咲かせる埼玉県行田の「古代蓮の里」。お隣のギネス認定の田んぼアートも話題です。ぜひこの機会に救いと感動を求めて行田の里を訪れてみませんか?

行田の「古代蓮の里」とは

行田の「古代蓮の里」とは

写真:Mayumi Kawai

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のどかな田園地帯に囲まれ、東京ドームおよそ3個分にあたる14ヘクタールの敷地面積を有する「古代蓮の里」。ここは、忍城(おしじょう)が舞台となった映画『のぼうの城』やTBSドラマ『陸王』の舞台となった足袋のまち・行田の屈指の観光スポットです。

古代蓮はじめ42種類の世界の蓮約12万株のほか、梅や桜、あじさい、スイレン、水仙やコスモスなど、四季を通じた花々が楽しめるお花見スポットとしても知られています。

行田の「古代蓮の里」とは

写真:Mayumi Kawai

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行田の古代蓮の起源はおよそ1400〜3000年前。今から約50年前の1971年(昭和46年)、公共施設建設工事で地中深くに埋まっていた種子が古代の土器とともに偶然出土、工事で生まれた池で自然発芽していたところを発見されます。

研究者らによる調査の結果、すでに知られていた古代蓮の「大賀蓮」に特徴がよく似ていることから行田の蓮も古代蓮として正式に認定、「行田蓮」として市の天然記念物にも指定されました。

永い眠りから覚め、いにしえの姿を現代に蘇らせた行田蓮のストーリーはまさに時空を超えたロマンですね。

行田の「古代蓮の里」とは

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古代蓮の池のそばには、蓮をイメージして造られた古代蓮会館がそびえ立っています。地上階には、行田の自然と古代蓮発掘のストーリーから蓮に関するあらゆる情報を模型やジオラマを使って分かりやすく展示されている展示室があります。かなり見ごたえがあるのでオススメ。

また、地上50mの高さには関東平野を一望できる展望室が備わっており、ここから、蓮の開花と同時期に行われるギネス認定の世界最大田んぼアートも鑑賞できますよ。

蓮に込められた花言葉と古代蓮の特徴

蓮に込められた花言葉と古代蓮の特徴

写真:Mayumi Kawai

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蓮(ロータス Lotus)は、古くから仏教のシンボルとして、またヒンドゥー教や古代エジプト、ギリシャ神話などにも登場する神聖かつ不浄のシンボルでもあります。

主な花言葉は「清らかな心」「神聖」「沈着」、古代エジプト神話に登場するオシリス神にちなんで「雄弁」などが挙げられますが、実は「救ってください」という花言葉も秘められています。これは、極楽浄土には蓮の花が咲き、善行を積めば蓮の花から極楽へ生まれ変われるという仏教思想に由来するもの。泥の中でも大輪の花を咲かせる蓮の花は、どんな苦難にも耐え、やがて花開き極楽の平穏や成功をつかむ、そんな事態好転をイメージさせる花なんですね。

なんだか今の世の中に妙にしっくり来る花だと思いませんか?

蓮に込められた花言葉と古代蓮の特徴

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蓮の開花時期は6月中旬から8月上旬。そして蓮の寿命はわずか4日。蓮の花の最盛期は2日目で、3日目には花弁が大きく開いて退色も進み、4日目の昼には儚く散ってしまいます。

さらに蓮の花の見頃は基本的に早朝から9時頃まで。日が高くなるにつれつぼみの状態に戻ったり、花散る前の閉じかけの姿にとどまるため、午前中の鑑賞がもっともよいとされています。

蓮を最大限に楽しみたいなら、気合を入れて早起きしましょうね。

蓮に込められた花言葉と古代蓮の特徴

写真:Mayumi Kawai

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一口に“蓮”といっても、花の色、花の大きさ、花弁の数でその姿は実に様々。中には牡丹と見まごう華やかな品種も存在します。

ちなみに、紅蓮系統の行田蓮と淡黄色のアメリカ黃蓮をかけ合わせた子が画像の「甲斐姫(かいひめ)」。それぞれの親の色と特徴がほどよく融合した、可憐な姿の中に凛としたたたずまいが特徴の蓮です。甲斐姫の名は忍城主成田氏長(うじなが)の娘の名前が由来となっています。

42種の蓮が一堂に会し、「蓮ってこんなに種類があるんだ」と純粋に驚かされます。ぜひ時間の許す限り、一つ一つ見比べてみてくださいね。

古代蓮の里の意外なハートスポット

古代蓮の里の意外なハートスポット

写真:Mayumi Kawai

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古代蓮の池には、ハート窓にくり抜かれたフォトスタンドが設けられています。ハートの向こうに蓮が美しく咲いていたらラッキー!ぜひ激写してSNSなどで自慢してくださいね。

古代蓮の里の意外なハートスポット

写真:Mayumi Kawai

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こんなところにもハートマークを発見!大きな蓮の葉の中央に溜まった雨露が絶妙にハート型を生み出しています。見つけられたらちょっと得した気分ですね。

ちなみに、極稀に1本の茎から二つの花が咲く「双頭蓮」が生まれることもあります。双頭蓮は古くから「吉祥・瑞兆の花」として縁起の良い花とされ、なんと2020年6月には発見されています。園内の古代蓮はおよそ10万株、見つけるのは容易ではありませんが、ぜひ目を凝らして幸運をつかんでみてください。

古代蓮会館展望タワーから世界最大田んぼアートを鑑賞

古代蓮会館展望タワーから世界最大田んぼアートを鑑賞

写真:Mayumi Kawai

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実は県内有数の米の産地・行田。当初はお米のPRと農業体験を通じた市民の交流などを目的に田んぼアートがスタートしましたが、2011年に日本一になったことをきっかけに、“どうせやるなら世界一を”とギネス認定にロックオン。試行錯誤を経て2015年9月、見事、ギネス認定を成し遂げました。

以来、毎年テーマ性のある田んぼアート作品が登場しています。たとえば、足袋の町・行田が舞台となったTBSドラマ「陸王」放送時の2017年は陸王作品が、ラグビー・ワールドカップが日本で開催された2019年はラグビー日本代表らを描いた作品が登場しました。

そして、2021年のテーマは『田んぼに甦るジャポニスム〜浮世絵と歌舞伎』。世界に誇る日本の伝統芸術を田んぼアートに昇華させ、そのスケールと精巧さに思わず舌を巻きます。

古代蓮会館展望タワーから世界最大田んぼアートを鑑賞

写真:Mayumi Kawai

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せっかくなので、ぜひ地上からもその姿を観察してみてください。色や丈の違う4種類の品種をうまく使い分け、緻密な計算のもと作付けされているのが分かります。下からでは完成図が全く予想つかないですね。

田んぼアートの見頃は7月中旬から稲刈りの10月中旬まで(色彩のピークは7月中旬から8月下旬まで)。せっかく古代蓮の里まで来たからには、ぜひ世界最大の田んぼアートもお楽しみください。

最後は行田のご当地グルメを堪能しよう

最後は行田のご当地グルメを堪能しよう

写真:Mayumi Kawai

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古代蓮の里では、蓮の開花期間に応じて行田の特産品などを取り扱う売店がオープン。蓮サイダーや蓮の実甘露煮入り抹茶氷ぜんざいなど蓮にちなんだオリジナルグッズのほか、古代蓮うどん店で提供される行田産の小麦を使用したうどんは来園客に大好評です。

最後は行田のご当地グルメを堪能しよう

写真:Mayumi Kawai

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せっかく行田に来たなら、ぜひご当地グルメを味わって!

手前は、蓮の花をかたどった古代蓮アイスカップケーキ。味はラズベリーと枝豆ムースのマリアージュです。そして奥は、行田のソウルフードかつ定番B級グルメの「ゼリーフライ」と「フライ」です。ゼリーフライはいわゆるおからコロッケで、フライはキャベツの入っていないモチモチお好み焼き風。濃厚ソースでクセになる味わいなので、ぜひ一度お試しあれ。

蓮の美しさに癒やされながら、一刻も早く世の中に平穏が訪れるよう願いを込めつつ、世界に誇る田んぼアートに刺激を受けて、ぜひ古代蓮の里を満喫しに遊びに来てみませんか。

古代蓮の里の基本情報

住所:埼玉県行田市大字小針2375番地1
電話番号:048-559-0770
入場無料
駐車場無料(ただし、開花期間の6月中旬から8月上旬までは5:00〜14:00まで有料500円/台)
アクセス:
<電車の場合>JR高崎線行田駅東口から行田市市内循環バスで約30分、秩父鉄道行田市駅南口から約15分。タクシーは10〜15分程度
<車の場合>東北自動車道羽生ICから約25分
※2020年7月4日(土)〜12日(日)および土日祝日限定で、行田市バスターミナル〜古代蓮の里直行便無料送迎バス実施(ただし、行田駅〜行田市バスターミナルまでの移動が必要)

2021年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2021/07/16 訪問

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