アンテロープ・キャニオン(Antelope Canyon)は、ラスベガスから東方向に約450kmほどの場所、アメリカの南西部に先住するインディアン部族のナバホ族居住地域にあります。
グランドサークル内で、大人気のグランドキャニオンとモニュメントバレーの間にあり、その自然の極彩美を写真に収めようと、世界各国からの観光客が訪れるところです。
アンテロープ・キャニオンは大きく2つの岩層から成り、個々にアッパー・アンテロープ・キャニオンとロウワー・アンテロープ・キャニオンと名づけられています。
どちらも、何億年もの長い年月をかけて、渓谷の上流に降る雨が鉄砲水として流れ込んで、岩を削り出してできたスロット・キャニオン(幅の狭い渓谷)です。今でも、鉄砲水の通路となっているために、雨天時は、入場禁止となります。
上の写真は、アッパー・アンテロープ・キャニオンの入り口です。
アンテロープ・キャニオンはどちらも中が狭いため、入場の人数制限が行われていて、必ずナバホ族のガイドに従うツアーに参加する必要があります。ツアーは1時間ごとに何組か組まれています。
さらに、どちらのキャニオンとも、自然と景観の保護のため、渓谷内への持ち込みは、水とカメラ以外はできないです。(リュック、バッグなどは持ち込めません)
上の写真は、ロウワー・アンテロープ・キャニオンの入り口です。
ロウワー・アンテロープ・キャニオンは、待合所から徒歩で入り口まで行き、かなり急な階段を下りて、渓谷(洞窟)の中に入っていきます。最初にガイドさんからも説明がありますが、階段は狭いため、昇降中の写真撮影は禁止です。
ナバホ族の言葉で「螺旋の岩石アーチ」という意味の、ハスデトワジ(Hasdeztwazi)の別名もあるこの渓谷は、その名の通り、岩が螺旋のように湾曲して、その岩肌がまるで絵にかいたような美しい色彩で彩られています。
渓谷内の美しい岩の間を歩いていって、最後に長い階段を登ると出口となり、入り口と異なるところに出ますが、また歩いてツアー待合所に戻ります。約1時間半ほどのウォーキングです。
ロウワー・アンテロープキャニオンから約6kmほど離れた場所に位置するアッパー・アンテロープ・キャニオンは、ツアー待合所から、ジープの荷台に10人ほど乗って、キャニオン入り口まで行きます。そして、比較的大きな岩の裂け目から、渓谷(洞窟)の中に入っていきます。
ナバホ族の言葉で「水が岩を流れる場所」という意味の、ツェー・ビガニリニ(Tse bighanilini)の別名もあるこの渓谷は、何億年にもわたる水の力で削られた岩肌がたいへん美しいところです。
ここでは、閉ざされた渓谷の天井部分に空いた小さな隙間から、晴れた日のお昼時には、陽射しが射しこみ、まるでスポットライトのように空間を照らすことで知られていて、運が良いと、手のひらにその光を受ける写真を撮影することができます。
上の写真は、ガイドさんが「龍の眼」と説明してくれる場所で撮影したものです。
途中洞窟から地上に出る場所があって、そこが折り返し地点です。そこまでは、ゆっくりと写真を撮りながら進みますが、帰路は入ってくる観光客に邪魔にならないように、少しせかされてながら、ジープのところまで戻ります。
往路50分、帰路10分ほどの合計約1時間ほどのウォーキングです。
アンテロープ・キャニオンの約15km西に、観光客に人気のホースシューベンド(Horseshoe Bend)があります。コロラド川が馬の蹄鉄(ていてつ/horseshoe)の形に蛇行している絶景ポイントです。
駐車場から、一面の砂地を約15分ほど歩いた場所にある崖で、高さ300mほどの崖から蛇行したコロラド川を見下ろすことができます。
その崖には柵もロープのないので、コロラド川を写真に撮るためには、腹ばいになって身を乗り出して落下しないようにする必要があります。
蛇行するコロラド川には観光ボートも入っていますので、下から見上げることもできます。
アンテロープ・キャニオン、ホースシューベンドは、広大なパウエル湖を作るグレンキャニオンダムにも近いです。
ダムの近くにカールヘイデンビジターセンターがあり、観光の途中で一休みができます。また、高さ216m・幅475mの巨大なダムの見学もできる場所になっています。
グレンキャニオンダムが作るパウエル湖の展望所も車でそう遠くない所にあり、そこではデッキチェアーに座ってのんびりと過ごす人達もいます。
米国屈指の観光エリアのグランドサークルの中央部近くに位置する場所にあるので、グランドキャニオンから一足延ばして、あるいはモニュメントバレーに行く前にちょっと寄ってみる、など手軽に楽しめるところです。
グランドサークル訪問の際には、何億年もの自然が創り上げた極彩美のアンテロープ・キャニオンをぜひ訪れてみてください。
2020年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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