金沢・ひがし茶屋街「懐華樓」でおもてなしの心を体験しよう!

金沢・ひがし茶屋街「懐華樓」でおもてなしの心を体験しよう!

更新日:2020/07/20 14:24

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
石川県金沢市のひがし茶屋街にある「懐華樓」は、築約200年の歴史を持ち、金沢で一番大きな茶屋建築であり、金沢市指定保存建築物です。夜は“一見さんお断り”を通して「一客一亭」のお座敷を上げ、昼は一般公開されており、見学することができます。全面漆塗りの階段や、金箔畳の茶室などがあり、洗練された金沢らしい茶屋文化の美意識を感じることができます。知られざる雅な世界で、おもてなしの心を体験してみませんか?

金沢で一番大きな茶屋建築「懐華樓」とは

金沢で一番大きな茶屋建築「懐華樓」とは

写真:モノホシ ダン

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懐華樓は、1820年(文政3年)の茶屋建築で、切妻、平入り、2階建てで、裏には土蔵があります。建物は、1階の「みせの間」の出格子と、背の高い開放的な2階が特徴です。

なお、お茶屋とは、芸妓さんが曲を披露し、お客様をもてなす一見さんお断りの社交場のことです。江戸時代は、武士の出入りは禁止され、裕福な商人や町衆の遊興の場で、お酒を飲みながら、芸妓さんの華麗な芸を鑑賞し、ゲームスタイルのお座敷遊びも楽しみました。

金沢で一番大きな茶屋建築「懐華樓」とは

写真:モノホシ ダン

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玄関に入ると、石川県の伝統工芸「輪島塗」の豪華な朱塗りの階段が目を引きます。1階は、女将や芸妓さんなどのお茶屋で働く人たちのフロアで、お客様は、玄関を入るとすぐに2階へお通しされました。見学はこの階段を上り、2階からスタートします。

金沢で一番大きな茶屋建築「懐華樓」とは

写真:モノホシ ダン

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輪島塗の階段を上がると、「朱の間」があります。金沢の芸妓さんたちによる、華やかで伝統的な、一見さんお断りのお座敷遊びが、今も行われている客間です。畳縁は、壁の色に合わせて赤で統一されています。

お座敷遊びで使われる「散財太鼓」とは

お座敷遊びで使われる「散財太鼓」とは

写真:モノホシ ダン

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さらに奥に進むと、「群青の間」があります。群青色の落ち着いた雰囲気の客間です。群青色は特別な色で、もともと武士にとって青は高貴な色で、朱色の客間よりも格上で、貴賓室として使用されています。

お座敷遊びで使われる「散財太鼓」とは

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群青の間には、芸妓さんが使う太鼓が置かれています。これは、芸妓さんが叩いたリズムをまねる遊び、「散財太鼓」と呼ばれる遊びに使われる太鼓です。

“散財”と言われるのは、何度もお座敷遊びをして 太鼓の芸が上手なお客様は、相当散財しているということに由来します。

お座敷遊びで使われる「散財太鼓」とは

写真:モノホシ ダン

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「朱の間」と「群青の間」の間にあるのが、「市松の間」。2つの客間の、お客様同士の会話が直接聞こえないよう、プライバシーへの配慮のためにつくられた、何にも使用しない贅沢な空間となっています。

「黄金畳の茶室」は日本でも懐華樓にしかない唯一無二のもの

「黄金畳の茶室」は日本でも懐華樓にしかない唯一無二のもの

写真:モノホシ ダン

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懐華樓には、ひがし茶屋街のメインストリートに面した表玄関と、細い路地に面した裏玄関があります。「裏玄関」は、表玄関から入る別のお客様との遭遇を避けるため、帰る際にはこちらの裏玄関を利用しました。模型の右手の建物の間にあるのが、裏玄関です。

さきの「市松の間」同様、お客様のプライバシーに配慮した懐華樓のこだわりが伺えます。

「黄金畳の茶室」は日本でも懐華樓にしかない唯一無二のもの

写真:モノホシ ダン

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2階の窓からは、「中庭」を見下ろすことができます。中庭は、本来、雪国である金沢の屋根の雪を捨てるために使用されていました。現在は、坪庭としてお客様に鑑賞していただけるようになっています。

「黄金畳の茶室」は日本でも懐華樓にしかない唯一無二のもの

写真:モノホシ ダン

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日本でも懐華樓にしかない唯一無二のものが、「黄金畳の茶室」です。井草の代わりに、一本ずつ金箔を巻いた水引を編み込んだ畳を使用した、この建物で一番のみどころです。金箔の国内シェア率99%を誇る、金沢ならではの設えといえます。

「懐華樓カフェ」で贅沢な和スイーツを味わおう

「懐華樓カフェ」で贅沢な和スイーツを味わおう

写真:モノホシ ダン

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かつては芸妓さんの控え室として使用されていた1階の「みせの間」は、囲炉裏のある和風カフェ「懐華樓カフェ」となっています。カフェには、テーブル席もありますが、おすすめは窓際の畳のカウンター席。木虫籠越しに、道行く人を眺めることができると人気です。

「懐華樓カフェ」で贅沢な和スイーツを味わおう

写真:モノホシ ダン

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カフェは、やすらぎを感じさせる洗練された空間で、金沢ならではの金箔をふんだんに使った懐華樓オリジナルスイーツやドリンクなどで、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

写真は、「懐華樓名物 黄金くずきり」(1400円)。くずきりを付ける黒蜜が金箔で覆われているのが特徴。ちなみに、くずきりも黒蜜も自家製です。

なおカフェは、入館料とセットになったお得な料金設定もあります。カフェだけの利用もできますので、贅沢な和スイーツを味わってみませんか。

世界にひとつだけのオリジナル「うちわづくり」も楽しい

世界にひとつだけのオリジナル「うちわづくり」も楽しい

写真:モノホシ ダン

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なお、金沢の花街では、芸妓さんがおなじみのお客様に、いわば名刺代わりに自分の名前の入った「うちわ」をお渡しする習慣があります。

懐華樓では、事前予約制となりますが、竹製の高級うちわに自分の名前を毛筆で書くオリジナル「うちわづくり」(2700円)を体験することができます。自分の名前が入った、世界にひとつだけのうちわを作ってみてはいかがでしょうか。

世界にひとつだけのオリジナル「うちわづくり」も楽しい

写真:モノホシ ダン

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カフェから出て廊下を奥に進むと、内蔵(うちぐら)を利用したショップがあります。ここでは、カフェで提供しているオリジナル生落雁をはじめ、懐華樓オリジナル商品が販売されています。ショップで、お気に入りの商品をお買い求めてはいかがでしょうか。

懐華樓の基本情報

住所:石川県金沢市東山1丁目14-8
電話番号:076-253-0591
建物見学料:大人750円、小・中・高生500円
営業時間:10:00〜17:00
定休日:不定休(季節によって異なる)
アクセス:城下まち金沢周遊バス・北陸鉄道路線バス・西日本JRバス「橋場町」バス停から徒歩約5分
車利用の場合は、北陸自動車道金沢東ICまたは金沢森本ICから約15分。市営東山観光駐車場・市営東山河畔観光駐車場を利用

2020年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2020/01/19 訪問

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