写真:成瀬 康子
地図を見る「なまこ壁」とは、壁に平瓦を並べて漆喰で繋いでいく日本独特の伝統工法で作られた外壁の事です。大変手間がかかりますが、保温・防湿・防虫・防火の効果があり、繋ぎの目的で使われた漆喰は美しい模様となります。
ところで、なんで「なまこ」と言うの?それは白く盛り上がった形が、あの海の生き物「海鼠(なまこ)」に似ているから!
松崎町で一番厚いなまこ壁は明治43年に建てられた元呉服商の「伊豆文邸」です。母屋と2棟の土蔵が中庭を囲むように建ち、柱にもなまこ壁、漆喰彫刻も施されたりと手の込んだ作りです。
観光途中の休憩所にも使って欲しい、という思いから内部も無料で公開しています。親切ですね。中庭の眺めは長閑で時が止まったかのような静かさなので是非立ち寄ってみて!
写真:成瀬 康子
地図を見る「伊豆文邸」の横には、小さい公園があります。そしてここに、なんと足湯が!本棚には本も用意されており、素朴な公園で足湯に浸かりながら伊豆文邸のなまこ壁鑑賞、なんとも贅沢なひと時です。
<伊豆文邸の基本情報>
住所:静岡県賀茂郡松崎町松崎250-1
電話番号:0558-42-3964
アクセス:松崎バスターミナルから雲見入谷又は八木山方面で10分、「長八美術館」下車、徒歩2分。車なら「伊豆の長八美術館」駐車場(無料)を利用可能で、徒歩1分。
なまこ壁は建物だけではありません。塀や橋にも用いられます。「ときわ大橋」にはなまこ壁に加えて美しい漆喰画も施されています。
ユニークな形の時計台、文字盤をよく見ると13の数字が見えます。これは敢えて時計に存在しない数字を入れる事でゆったりした時間を過ごして欲しい、という松崎町の想いを表現しているんです。時計台の内部の色鮮やかな世界も必見ですよ!
写真:成瀬 康子
地図を見るときわ大橋のすぐ隣にあるのが「中瀬邸」。明治時代の松崎町の豪商、依田直吉氏の自邸で、中瀬は屋号です。現在は資料館として当時の生活を紹介しており、屋内にある蔵や、珍しい黒漆喰仕上げのなまこ壁、焼き物の釘隠しなどから当時の依田家の繁栄ぶりが窺えます。
写真:成瀬 康子
地図を見る船底天井の渡り廊下を渡るとそこは現代の世界。松崎町で撮影された映画・ドラマの紹介ギャラリーで、小道具などが展示されています。あなたの知っているあのドラマ、映画も、ここで撮影されたのかもしれませんよ。
<中瀬邸の基本情報>
住所:静岡県賀茂郡松崎町松崎315-1
電話番号:0558-43-0587
アクセス:「伊豆の長八美術館」駐車場より徒歩6分
入館料:100円
写真:成瀬 康子
地図を見る明治13年に建てられた擬洋風建築の「旧岩科学校」は、外壁になまこ壁を使用した国指定重要文化財の建物です。内部には擬洋風建築の説明や、当時の教科書の展示のコーナーもあります。また2階には入江長八の鏝絵(こてえ)が施された部屋もあり一見の価値ありです。
写真:成瀬 康子
地図を見る校長室や教室はリアルに再現されているのでわかり易く、教室内で写真撮影すると当時にタイムスリップしたような写真になりますよ!卒業試験問題もあり、解答すると卒業証書がもらえます。
写真:成瀬 康子
地図を見る敷地内の「開化亭」は、明治8年に建てられた村役場を移築復元した建物です。現在は土産物・喫茶の場として使われており、すいとんセットなど軽食の他、昔の子供の様子を表現したユニークな人形やストラップなど、他では見かけないお土産もあるので、休憩がてらに寄ってみては?
<岩科学校の基本情報>
住所:静岡県賀茂郡松崎町岩科北側442
電話番号:0558-42-2675
アクセス:「伊豆の長八美術館」駐車場より徒歩30分、車5分
入館料:300円
写真:成瀬 康子
地図を見る「伊豆の長八美術館」は松崎町が誇る左官職人であり、芸術家、入江長八(1815-1889)の鏝絵作品を集めた美術館。普段余り観る機会のない見事な作品の数々で、美術館の建物デザインにも特徴があるので時間があれば立ち寄るのがお薦め!
伊豆の長八美術館の側に3坪程の小さな蔵があります。「松崎夢の蔵」です。なまこ壁の技術の掘り起こし・継承を目的に、総勢600名もの子ども達やボランティア・左官職人の手で2年の歳月をかけて建てられました。中に展示されているその過程を示す資料からも町民の熱い思いが感じられます。
美術館隣のショップ「カサ・エストレリータ」には、お土産にしたい松崎名物が全て揃っています。もちろん桜餅も。松崎町では町の特産の桜葉を使った「桜餅」を敢えて「さくら葉餅」と呼びます。名前に負けない豊かな桜葉の風味を御賞味あれ!
<カサ・エストレリータの基本情報>
住所:静岡県賀茂郡松崎町松崎23
電話番号:0558-42-3210
アクセス:「伊豆の長八美術館」駐車場より徒歩1分
全国的に希少ななまこ壁の長閑な景色が残っている、日本で最も美しい村 「松崎町」。町歩きは、バス停にも近い「伊豆の長八美術館」駐車場を起点にすると便利です。又、よりレトロな雰囲気を味わいたい方は、事前予約で人力車も利用出来ます。
2020年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/2/12更新)
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