小さな城下町の観光が楽しい!大分県玖珠町森町の散策とご当地グルメ

小さな城下町の観光が楽しい!大分県玖珠町森町の散策とご当地グルメ

更新日:2020/08/10 10:40

堀内 京子のプロフィール写真 堀内 京子 旅行ライター、温泉ソムリエ
豊かな自然や温泉に恵まれた大分県玖珠(くす)町に、小さな城下町「森町」があります。趣のある町家や商家が建ち並び、童話の主人公をモチーフにしたオブジェが点在。町並みを活かしたまちづくりが高く評価されて、アジア都市景観賞を2016年に受賞しました。歴史を感じる散策を楽しみながら、心温まる童話像たちに癒されてみませんか。郷土料理が味わえる食事処や老舗の和菓子店もご紹介いたします。

趣のある商家や町家が建ち並ぶレンガ通り

趣のある商家や町家が建ち並ぶレンガ通り

写真:堀内 京子

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大分県玖珠町は日田市から湯布院方面へ向かう途中にある、豊かな自然や温泉に恵まれた町です。観光スポットは豊後森機関庫公園・慈恩の滝・西椎屋の滝・三島公園(旧久留島氏庭園)・森町・道の駅童話の里くす・絶景の展望所がある切株山など。

森町はレンガ通り沿いに趣のある商家や町家が建ち並び、白壁の蔵屋敷・レンガ造り・洋館なども点在して見所たっぷり。鬼退治に出かける様子が描かれた桃太郎の鏝絵やレトロな食事処も目を惹きます。観光客用の無料駐車場や公衆トイレも整備されていますので便利ですよ。

趣のある商家や町家が建ち並ぶレンガ通り

写真:堀内 京子

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日本のアンデルセンと呼ばれる久留島武彦氏はご存じでしょうか。明治から昭和にかけて活躍した児童文学者・久留島武彦氏の生誕地が玖珠町になり、童話をモチーフにしたオブジェが点在しています。

森町にも童話の像が約10種類点在。かぐや姫・一寸法師・浦島太郎・金太郎・大きな金棒を持ったユニークな鬼なども見て歩きましょう。酢屋の看板が上がる荒木家住宅(国の登録有形文化財)には、一休さんの像とジャンボ鬼瓦が展示されています。

趣のある商家や町家が建ち並ぶレンガ通り

写真:堀内 京子

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像に使用された大島石は愛媛県宮窪町(村上水軍の本拠地)で産出。森町(旧森藩)と村上水軍はゆかりが深く、森藩のルーツは瀬戸内海で活躍した村上水軍です。関ヶ原の戦で西軍について破れてこの地へ移り、豊後八藩の中で最も小さな藩(1万4千石)を治めることになりました。

小さな藩でしたが城下町は綺麗に整備されて、町を歩くと鉄砲町や殿町など当時の面影を残す地名を見ることが出来ます。実は久留島武彦氏は森藩久留島氏の子孫になり、その功績をたどる「久留島武彦記念館」が三島公園に建てられています。

四季折々の風景が楽しめる三島公園は桜の名所

四季折々の風景が楽しめる三島公園は桜の名所

写真:堀内 京子

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その三島公園へはレンガ通りを進み、なだらかな坂道をあがると到着します。四季折々の風景が楽しめて桜スポットとしても有名。公園内は広々として、旧久留島氏庭園・野外ステージ・遊具広場・久留島武彦記念館・わらべの館・末廣神社などが点在。

旧久留島氏庭園は3つの庭から構成されていますので藩主御殿庭園〜栖鳳楼(せいほうろう)庭園〜清水御門前庭をまわりましょう。趣のある建物「栖鳳楼」は、森藩8代藩主により1832年に建てられました。枯山水の石組があり、庭園の背後に広がる城下町やくじゅう連山の遠景を取り入れた造り。紅葉の時期も美しく、当時は「紅葉の御茶屋」と呼ばれました。

四季折々の風景が楽しめる三島公園は桜の名所

写真:堀内 京子

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公園のまわりも自然豊かな景色が広がって、頂上がテーブル状になった山も見えます。盆地になった玖珠町は台地が浸食されて頂上がテーブル状の地形(メサ)や、杯を逆さにしたような姿の山(ビュート)などに取り囲まれています。

四季折々の風景が楽しめる三島公園は桜の名所

写真:堀内 京子

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遊具広場の一角には蒸気機関車(C11形270号機)を静態展示。1944年製造、現役時代はクロちゃんの愛称で親しまれて活躍。1971年の引退後、三島公園へ移設されました。運転席へ上がることが出来ますので、お子さま連れや鉄道ファンにも楽しいスポットです。

大分の郷土料理が味わえる「食事処金太郎」

大分の郷土料理が味わえる「食事処金太郎」

写真:堀内 京子

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旅行の楽しみは食事もありますよね。続いては森町にある食事処からお薦めの2店舗をご紹介いたします。「食事処金太郎」はレンガ通りの中央付近に建ち、和の風情たっぷり。店の近くに店舗用の駐車場を数台分完備しています。

大分の郷土料理が味わえる「食事処金太郎」

写真:堀内 京子

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童話をモチーフにした小物がたくさん飾られて、店名と同じ金太郎の人形も。店内に展示されたクラシックカーも目を惹きます。昔この辺りはとても栄えて、ベレー帽をかぶった薬局のおじいさんが、クラシックカーで走られていたといいます。当時としてはとてもモダンだったでしょうね。その車を譲り受けて展示しています。

大分の郷土料理が味わえる「食事処金太郎」

写真:堀内 京子

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食事メニューはうどんや定食類が揃います。大分名物のとり天やだんご汁もオススメ。「かぐや姫セット」は、とり天・玖珠町の郷土料理「子育てだんご汁」にミニミニデザートまたは珈琲付き。子育てだんご汁に入った団子は地元の小麦粉ともち米粉を使用。もち米粉は「母乳の出がよくなる」と言われて、この地域では昔から出産後に食べる習慣がありました。団子の丸い形は赤ちゃんが丸々と成長するようにとの願いが込められています。

「とろとろオムライスセット」はサラダと味噌汁付き。大皿にど〜んと盛られたオムライスはとろふわ食感。かぐや姫セット、とろとろオムライス、どちらも大満足のボリュームです。

<食事処金太郎の基本情報>
住所:大分県玖珠郡玖珠町森1071
営業時間:11:00〜14:30(OS)、17:00〜20:30(OS)
定休日:月曜(祝祭日は翌日休み)

森まちなみ情報発信施設「カネジュウ館」のお手軽ランチ

森まちなみ情報発信施設「カネジュウ館」のお手軽ランチ

写真:堀内 京子

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食事処2軒目は約150年前に建築された古民家を利用した、森まちなみ情報発信施設「カネジュウ館」をご紹介いたします。建物を寄贈された荒木家が酒造を営んでいて、当時の屋号「カネジュウ」が施設名の由来。建物裏手に店舗用の駐車場を数台分完備して、駐車場側からも入店できます。

森まちなみ情報発信施設「カネジュウ館」のお手軽ランチ

写真:堀内 京子

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ゆったりとした座敷は窓辺の縁側席も人気。販売コーナーには地元玖珠の物産品が置かれて、黒米で作った甘酒・自家焙煎わ〜くす珈琲・タンサンかるんとう・柚子ポン酢・柿ジャムなどを販売。くるしま童話名作選の絵本も陳列してありますので、プレゼントやお土産に絵本はいかがでしょう。

森まちなみ情報発信施設「カネジュウ館」のお手軽ランチ

写真:堀内 京子

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食事メニューの「ブランチ」は旬の食材をふんだんに使った献立。地元のお母さんたちが手作りする一の膳と二の膳が運ばれてきて、メイン料理(日替り)も楽しみな一品。写真は料理の一例としてメイン料理は照焼チキン、野菜を使った小鉢料理など品数が多くて、とてもお手軽な料金です。地元のお店が自家焙煎している「わ〜くす珈琲」を使った珈琲やスイーツセットもあります。

<森まちなみ情報発信施設 カネジュウ館の基本情報>
住所:大分県玖珠郡玖珠町森995-1
営業時間:11:00〜16:00
定休日:月曜日(祝日の場合は火曜日)

季節の和菓子、きんつばが人気「和泉屋菓子舗」

季節の和菓子、きんつばが人気「和泉屋菓子舗」

写真:堀内 京子

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最後は和菓子店の和泉屋(いずみや)菓子舗へ。
創業は今から約150年前、明治初期になります。昔から変わらない味で地元の方を始め、遠方からも足を運ぶリピーターが多い老舗和菓子店です。

季節の和菓子、きんつばが人気「和泉屋菓子舗」

写真:堀内 京子

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季節によっても和菓子の種類が変わります。写真で並んでいるのは、きんつば・かしわ餅・うぐいす餅(よもぎ)・さくら餅・いちご大福(あまおう苺)。1つずつ手作りされる和菓子は餡も手練り、ご主人が約4時間かけて手練りして丁寧に仕上げてあります。

季節の和菓子、きんつばが人気「和泉屋菓子舗」

写真:堀内 京子

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平たい形の「きんつば」は生地が柔らかく粒餡入り。かしわ餅はもっちりとして、こしあんが詰まっています。季節ごとの和菓子もあり、森町散策の立ち寄りにオススメです。売切れ必至ですので、早めにお買い求めください。

<和泉屋菓子舗の基本情報>
住所:大分県玖珠郡玖珠町森991-1
営業時間:8:30〜売切れまで
定休日:定休日 不定休

楽しいスポットが満載の玖珠観光へ

森町は徒歩でまわることが出来る範囲に観光スポットや食事処が点在していますので、観光にとても便利です。童話をモチーフにした像は道の駅童話の里くすなどにもあり、玖珠警察署に設置されたヒーローの像も楽しいですよ。九州で唯一、蒸気機関車の機関庫や転車台が残る豊後森機関庫公園へもぜひお立ち寄りください。

2020年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/02/24−2020/03/29 訪問

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