奈良・大和郡山「額安寺」の十一面観音は色白お洒落な美仏さま!

奈良・大和郡山「額安寺」の十一面観音は色白お洒落な美仏さま!

更新日:2020/07/22 13:46

政田 マリのプロフィール写真 政田 マリ 仏像ナビゲーター
奈良盆地のほぼ中央に位置する大和郡山市、聖徳太子と推古天皇の伝説が息づく「額安寺」には色白でファッショナブルな本尊・十一面観音菩薩立像がいらっしゃいます。極彩色に細かい文様を書き込んだ衣装を纏い、朱の唇が際立つ色白のお顔で人々を魅了する十一面観音像。室町時代から約600年、様々な戦火や衰退を乗り越えてきたのに、なぜこんなに奇跡的に色彩豊かな状態で残っているのか。その秘密に迫ります!

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飛鳥時代創建のかつての大寺院「額安寺」

飛鳥時代創建のかつての大寺院「額安寺」

写真:政田 マリ

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奈良県大和郡山市にある額安寺(かくあんじ)は、621年(飛鳥時代)に聖徳太子が創建した仏教の学びの道場「熊凝精舎(くまごりしょうじゃ)」の跡地に作られた寺院、あるいは古代の豪族である額田部一族の氏寺だったと伝わります。

飛鳥時代創建のかつての大寺院「額安寺」

写真:政田 マリ

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このあたりは佐保川と初瀬川が合流し大和川となる地点であることから、太古より交通の要衝として栄えました。外国の使者たちが立ち寄る迎賓館のような役割を担っていたとされ、かつては七堂伽藍を備える巨大寺院だったことが旧蔵の「額田寺伽藍並条里図(国宝)」にも描かれています。

その後、度重なる戦火に見舞われ荒廃し一時期は廃寺寸前の状態にまでなりましたが、昭和50年から当時の住職が本堂などの復興に着手し、現在の姿になりました。

飛鳥時代創建のかつての大寺院「額安寺」

写真:政田 マリ

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長い歴史の面影を刻むのが本堂の瓦です。本堂は1606年に再建されましたが、瓦はこれまで使えるものを再利用し、足りないものを補う形で受け継がれてきました。よく見ると色の濃淡に差があり、中には欠け、擦れのあるものもあります。これは奈良時代から現代までの各時代の瓦が並び列せられているからです。

色白でお洒落な本尊・十一面観音立像

色白でお洒落な本尊・十一面観音立像

写真:政田 マリ

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本堂に入ると、まず目に飛び込むのが中央の厨子に入った本尊、十一面観音立像です。

色白でお洒落な本尊・十一面観音立像

写真:政田 マリ

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心静かに前を見据える色白のお顔に、朱の唇が印象的な美しい仏さまです。

色白でお洒落な本尊・十一面観音立像

写真:政田 マリ

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ストールのように肩にかかった天衣(てんね)に施された渦巻き紋がお洒落で、裙(くん・腰から下を包む衣)の折り返し部分にもこだわりが。真っ白な裏地から翻る表地に細かい文様をチラっと見せているところが上級のオシャレさんです。白、朱、紺をバランスよく配した色彩で、細部まで丁寧に仕上げられているのがわかります。

作られたのは室町時代。500年以上の時を経たとは思えない奇跡的なこの色の残りは、廃寺寸前の頃、荒廃していく本堂の中で、厨子が閉まった状態で開けられることがなく長い間過ごしていたため、日焼けなどによる色落ちや剥落を抑えることができたのです。

本尊厨子の見事な扉絵も注目!

本尊厨子の見事な扉絵も注目!

写真:政田 マリ

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現在はいつでも参拝者が対面できるようお厨子の扉は開けられています。このお厨子の内扉には、向かって右側に不動明王、左側に毘沙門天が描かれています。十一面観音の両脇に不動明王と毘沙門天を配するのは天台系寺院によく見るお祀りのし方。両脇侍が中央に向いて十一面観音像を守護し、観音さまのオーラが両脇侍の光背の炎とたなびく雲を押し流しているように見えるパワーみなぎる扉絵です。

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本堂内には他にも惹かれる仏さまが!

本堂内には他にも惹かれる仏さまが!

写真:政田 マリ

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本堂内では他にも様々な仏さまにお会いできます。
本尊厨子に向かって右の脇壇には目を大きく見開き歯をくいしばる不動明王像が。頼り甲斐のある太い二の腕が特徴です。

本堂内には他にも惹かれる仏さまが!

写真:政田 マリ

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そして本尊の左側には穏やかな表情で佇む吉祥天さまがいらっしゃいます。
吉祥天は女性の神さま。お腹がポッコリ出ているのが妊婦さんのようで、安産子育てのご利益があるとされ参拝者に人気です。

本堂内には他にも惹かれる仏さまが!

提供元:額安寺

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額安寺は数年前まで虚空蔵菩薩を収蔵庫に安置していましたが、現在は奈良国立博物館に寄託されています。像高51.5cmの、片足を組んだ(半跏)像で、国の重要文化財に指定されています。奈良時代から平安時代初期に採用されていた、土台となる木に木屑と漆を混ぜたものを盛り上げて整える「木心乾漆造」という作り方で、日本最古の虚空蔵菩薩像です。

奈良国立博物館でお会いできる機会もありますので、博物館にお問い合わせの上伺ってみてくださいね。

鎌倉時代の石造物も必見!

鎌倉時代の石造物も必見!

写真:政田 マリ

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石造物も注目すべきものがある額安寺。本堂前には高さ283.3cmの立派な宝篋印塔があります。以前お寺の前の明星池にバラバラの状態で沈んでいたところを救い出し、境内に安置しました。よく見ると、基礎段の一面に「文応元年(1260年)」や「願主永弘・大工大蔵安清」の文字が見られ、制作年などがわかるものとしては県内2番目の古さの珍しい塔です。

鎌倉時代の石造物も必見!

写真:政田 マリ

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また、お寺から北西に5分ほど歩いたところに「鎌倉墓」と呼ばれる国の重要文化財指定の五輪塔が8基あります。一番大きな第一塔は鎌倉時代に額安寺を復興した忍性菩薩の供養塔といわれています。敷地の西側に5基、北側に3基、ずらりと並ぶ姿は圧巻です。

鎌倉時代の石造物も必見!

写真:政田 マリ

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1400年ほど前、聖徳太子の学びの道場から始まったという額安寺の歴史。聖徳太子の叔母、推古天皇が額に傷を病んだ時、道場にて傷の平癒を祈願するとたちまち傷が跡形もなく消えました。喜んだ推古天皇が「額 安らかなる寺」として「額安寺」の寺号を贈ったといわれています。

今も病気平癒、安産祈願などに訪れる方々が後を絶たない額安寺。人々の心身の傷を安らかにしてくれる、色白で優しいお顔の十一面観音さまにぜひ会いに行ってみてくださいね。

額安寺の基本情報

住所:奈良県大和郡山市額田部寺町36
電話番号:0743-59-1128
アクセス:近鉄橿原線「平端」駅下車 徒歩15分
拝観時間:9:00〜16:00(受付)
拝観料:100円
駐車場:6台

※本堂内の撮影は禁止されていますのでご注意ください。

2020年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2020/06/21 訪問

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