沖縄の原風景が残る!久米島「山里地区」周辺の楽しみ方

沖縄の原風景が残る!久米島「山里地区」周辺の楽しみ方

更新日:2020/08/25 10:00

土庄 雄平のプロフィール写真 土庄 雄平 山岳自転車旅ライター・フォトグラファー
海のイメージが強い沖縄離島「久米島」ですが、内陸部にも魅力がしっかりとあります。今回紹介する「山里地区」もその一つ。少し歩けば田園の緑と、ドラマチックな雲に癒され、眼下には海の絶景パノラマ!また上江洲家や五枝の松といった歴史名所も豊富で、久米島の原風景が残っています。また、山里ゆんたく市場では、絶景パノラマを横目に、絶品グルメまで頂くことが可能!素朴ながら、心洗われるひとときが待っています。

久米島の古き良き趣を残す「山里エリア」

久米島の古き良き趣を残す「山里エリア」

写真:土庄 雄平

美しいサンゴ礁の海に囲まれている沖縄県久米島。しかしながら、実はこの島は海だけでなく、多様な地形に富んでいることが特徴で、コンパクトな島ながら様々な風景に出会うことができます。その中でも特に面白いエリアが、島西部の内陸側に位置する「山里エリア」です。

久米島を代表する景勝地があるわけではないのですが、海と田園が織りなす独特のパノラマをはじめとして、昔ながらの琉球建築や、島でも珍しい水田など、島の古き良き生活感を感じることができます。

久米島の古き良き趣を残す「山里エリア」

写真:土庄 雄平

そんな「山里エリア」へのアクセスは徒歩orバスが便利!那覇と船で繋がっている兼城港周辺、仲泊地区に宿泊している方は徒歩圏内であり、島の東側・イーフビーチのあるイーフエリア宿泊の場合、島を一周するバスでアクセス可能です。

「名も無き農道」をあてもなく歩いてみる

「名も無き農道」をあてもなく歩いてみる

写真:土庄 雄平

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それでは山里エリア散策の楽しみ方を紹介しましょう。このエリアの醍醐味と言えるのが、道を歩いていると出会える素晴らしい景色!

中でも大岳小学校に隣接するウエダ森から、ガンジンダムまでの名もなき農道には、久米島らしさが詰まっています。まず高台にあるウエダ森では、草原越しに内陸のガンジンダムを見渡すことができ、海と池に丘陵地が挟まれる独特のパノラマを楽しめます。

「名も無き農道」をあてもなく歩いてみる

写真:土庄 雄平

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また農道一帯は畑や草原となっているため、上り坂を進むと、まるで空に手が届きそうな錯覚を覚えることもしばしば。加えて、久米島は快晴となる日が少なく、晴れでも雲がよく発生するため、その時々で雄大な景色と巡り会えることも!

田園と青空と道、いたって普通の要素ばかりなのに、不思議と冒険心を掻き立てられる風景の連続です。

「名も無き農道」をあてもなく歩いてみる

写真:土庄 雄平

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そして農道の一部では、久米島産のお米が栽培されています。島内に農地は多いものの、その多くがサトウキビ畑となっている久米島。

しかしながら、島の名前に含まれている通り、昔は米作りが盛んな島でした。1970年代の干ばつで大きく米作りが衰退してからは、サトウキビ栽培へと転作。そして、その栽培に必要な水を供給したのが、先ほど少し触れたガンジンダムなのです。

まさに山里地区のこの農道は、久米島の伝統を残す貴重な場所と言えるでしょう。

山里エリア周辺の歴史スポットめぐり

山里エリア周辺の歴史スポットめぐり

写真:土庄 雄平

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2つ目の楽しみ方は、歴史スポット巡り。山里エリア周辺には、この島ならではの原風景が今でもしっかり残っており、島の文化や信仰まで肌で感じることが可能です。

例えば、その代表的なスポットが「五枝の松」。樹齢250年以上と言われ、琉球王朝時代からこの地に根付いている巨木です。

伊平屋島にある念頭平松とともに、沖縄の二大名松として有名で、日本の名松100選にも選出されています。松の懐へ入り込めば、縦横無尽に展開する枝が特徴的!まさに松の生命力に包み込まれるような、神秘的な空間となっています。

<五枝の松の基本情報>
住所:沖縄県島尻郡久米島町字上江洲
アクセス:山里のバス停から徒歩約10分

山里エリア周辺の歴史スポットめぐり

写真:土庄 雄平

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また、琉球王朝時代の士族の邸宅「上江洲家」も当時の歴史的景観を残している貴重なスポット。琉球石灰岩の石垣とフクギが取り囲み、塀から顔を覗かせる赤屋根、中にはヒンプンという魔除けの風習も見られます。

屋敷の空間として、当時のままよく保存されており、久米島の士族の暮らしぶりを伺うことが可能です。縁側に座ってくつろいでみてはいかがでしょうか?

<上江洲家の基本情報>
住所:沖縄県島尻郡久米島町字西銘816
営業時間:9時〜18時
入場料:(高校生以上)300円(中学生)200円(小学生)100円
※小学生未満無料
アクセス:山里のバス停から徒歩10〜15分

山里エリア周辺の歴史スポットめぐり

写真:土庄 雄平

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三つ目のスポットは、少しマニアックですが島の最高礼拝所である「君南風殿内(ちんべー)」。山里地区の隣にある仲地に位置しています。立派な外観から連想されるように、この礼拝所は久米島の歴史において欠かせないスポット!

かつて琉球地方の神話において、神女が移り住んだ場所として知られ、尚氏の琉球統一以降は久米島統治の精神的支柱の役割を果たしました。荘厳な聖域に入れば、どこかパワーが湧いてくるよう!

<君南風殿内の基本情報>
住所:沖縄県島尻郡久米島町仲地1-1
アクセス:山里のバス停から徒歩10〜15分

グルメも忘れずに!「山里ゆんたく市場」で一服

グルメも忘れずに!「山里ゆんたく市場」で一服

写真:土庄 雄平

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3つ目の楽しみ方は、グルメ!山里エリア周辺を一通り散策したら、そろそろお腹の空いてくる頃。そこでぜひ立ち寄って欲しいのが、バス停からすぐの場所にある「山里ゆんたく市場」です。

地元の野菜や果物など食材が揃う市場なのですが、軽食類も充実しています。特にオススメなのが「久米島そば」。優しい出汁と食べ応えのある麺と三枚肉の相性が堪りません!シンプルな構成ながらワンコインで食べられるのも嬉しいところ。

グルメも忘れずに!「山里ゆんたく市場」で一服

写真:土庄 雄平

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また「山里ゆんたく市場」が位置しているのは、島の南側を一望できる高台。お店に隣接してデッキが設けられ、絶景を横目に休憩ができます。散策をして汗をかいた後には「ゆんたくコーヒー」で一服するのがオススメです。

なお"ゆんたく"とはお喋りをするという沖縄言葉。きっと素晴らしい景色の中でコーヒーで涼めば、会話が弾むこと間違い無し!

グルメも忘れずに!「山里ゆんたく市場」で一服

写真:土庄 雄平

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緑と青の風景に癒されながら、雲が流れゆくのを眺める時間。人気の観光スポットに行くのも良いですが、こうした落ち着いた時間が味わえるのも久米島旅の醍醐味。バスが来るまで、のんびりと過ごしてみてはいかがでしょうか?

<山里ゆんたく市場の基本情報>
住所:沖縄県島尻郡久米島町字山里352-1
営業時間:10時00分〜19時00分
定休日:不定休
電話番号:098-987-1301
アクセス:山里のバス亭からすぐ

海だけじゃない!素朴な魅力溢れる山里周辺を巡る

沖縄離島の久米島といえば、まず第一に"海"というイメージですが、実は内陸にも旅情薫る風景が数多く根付いています。今回紹介した「山里エリア」周辺は、その象徴的なエリア。久米島の原風景が今でも残り、のどかで穏やか、それでいて冒険心をくすぐる景色に出会うことができます。

また島の歴史やグルメまで味わえるのもポイントです!少しディープですが、島時間に浸ってリフレッシュしてみたい方は、ぜひ一度散策してみてはいかがでしょうか?

2020年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/07/11 訪問

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