アイヌ由来の絶景名勝!室蘭市「絵鞆半島」ピリカノカ巡り

アイヌ由来の絶景名勝!室蘭市「絵鞆半島」ピリカノカ巡り

更新日:2020/07/30 12:22

木村 岳人のプロフィール写真 木村 岳人 フリーライター
北海道の室蘭港を抱くように伸びる「絵鞆(えとも)半島」。その険しい地形は天然の防波堤として穏やかな白鳥湾を作り出し、室蘭の周囲には古くよりアイヌの人々が住まい、生活を営んできました。

絵鞆半島の外海岸には荒々しくも美しい断崖絶壁が連続しており、アイヌ語の地名とその由来になった雄大な自然が残ることから、4箇所の景勝地が「ピリカノカ(アイヌ語で「美しい形」)」として国の名勝に指定されています。

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月夜の伝説が語られる「トッカリショ浜」

月夜の伝説が語られる「トッカリショ浜」

写真:木村 岳人

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アイヌの文化では、土地の風景や産物をそのまま地名に付けるという特徴があります。北海道内にはアイヌ語由来の地名が無数に存在しますが、地名が指し示す自然環境が現在まで残る土地は必ずしも多いとは言えません。

しかしながら、絵鞆半島には今もなお地名に示されたアイヌ文化の精神性を感じ取ることができる風景、いわば「生きた地名」が良好に残されているのです。絵鞆半島の東部、高さ100メートル前後の奇岩絶壁に囲まれた「トッカリショ浜」もそのひとつ。

元々のアイヌ語では「アザラシの岩」を意味する「トカルイショ」と呼ばれており、かつては数多くのアザラシが集まる場所だったことがうかがえます。北海道の名付け親として知られる探検家「松浦武四郎(まつうらたけしろう)」の文献には「鮭場」としてその名が記されており、江戸時代末期には漁場として利用されていました。

月夜の伝説が語られる「トッカリショ浜」

写真:木村 岳人

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この「トッカリショ浜」には月の夜にまつわる伝説が語られています。ある日の夜、浜辺を照らす月の美しさを羨んだ魔神「ニツネカムイ」が、日の神から盗んだ「光の衣」を着て夜空に現れました。月が二つになったことからアイヌの人々は驚き、天界に異変が起きたに違いないと騒ぎました。

文化の神「オイナカムイ」はすぐにニツネカムイの仕業だと見抜き、岩の上から銀の弓矢で偽の月を射貫きました。ニツネカムイは光の尾を引きながら墜落し、オイナカムイによって光の衣を剥ぎ取られ、世界は再び平穏を取り戻したといいます。この時、オイナカムイが矢を放った岩はトッカリショ岬の先端付近に位置しており、現在も「我らが矢を射る所」という意味の「アトカニ」と呼ばれています。

<トッカリショ浜の基本情報>
住所:北海道室蘭市母恋南町3丁目
アクセス:
道南バス「地球岬団地バス停」より徒歩15分
JR室蘭本線「母恋駅」より徒歩約35分
JR室蘭本線「室蘭駅」より車で約15分

太平洋を一望できる室蘭一の景勝地「地球岬」

太平洋を一望できる室蘭一の景勝地「地球岬」

写真:木村 岳人

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絵鞆半島の南端に位置する「地球岬」は、太平洋を見渡すことができる大パノラマの絶景として全国的に知られています。その「地球」という名はアイヌ語で「断崖」を意味する「チケウェ」に由来しており、それが「チキウ」へと転訛し、「地球」という文字が当てられました。

高さ130メートルの岬にそそり立つ「チキウ岬灯台」は大正9年(1920年)に築かれた歴史ある白亜の灯台で、八角形の上に円筒形が乗るフォルムがとても美しく、「日本の灯台50選」や「土木学会選奨土木遺産」に選ばれています。

太平洋を一望できる室蘭一の景勝地「地球岬」

写真:木村 岳人

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また地球岬の西側には円錐形の奇岩が建ち並ぶ一帯があり、「滝をなしてサラサラ流れる小川」という意味の「チャラツナイ」と呼ばれています。その海上には「ムカルイソ(マサカリ岩)」と呼ばれる巨岩が浮かんでおり、これは天地創造の神「コタンカラカムイ」が捨てたマサカリが岩になったと伝わっています。

<地球岬の基本情報>
住所:北海道室蘭市母恋南町4丁目77
アクセス:
道南バス「地球岬団地バス停」より徒歩15分
JR室蘭本線「母恋駅」より徒歩約35分
JR室蘭本線「室蘭駅」より車で約15分

入江が連続する海鳥の楽園「増市浜」

入江が連続する海鳥の楽園「増市浜」

写真:木村 岳人

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絵鞆半島の西部に位置する「増市浜」は「ウミネコの家」を意味する「マスイチセ」に由来し、その名の通り現在もウミネコなどの海鳥が数多く生息しています。周囲には「マスイチセ・トマリ(停泊地)」、「リロモイ(波立つ入江)」などの入江が連続しており、古くよりアイヌの人々がこの地で狩猟生活を営んでいたことが調査によって分かっています。

入江が連続する海鳥の楽園「増市浜」

写真:木村 岳人

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特に注目して頂きたいのが岬の先端に位置する小島です。現在は「カモメ岩」と呼ばれるこの岩山には特に多くの海鳥が営巣しており、その数はあまりに膨大であることから岩肌がフンで白く染まっているのが見て取れます。

<増市浜の基本情報>
住所:北海道室蘭市増市町2丁目
アクセス:
道南バス「増市通バス停」より徒歩15分
JR室蘭本線「室蘭駅」より車で約15分

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人々の生活を支えた漁労の入江「ハルカラモイ」

人々の生活を支えた漁労の入江「ハルカラモイ」

写真:木村 岳人

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増市浜の北側に位置する「ハルカラモイ」は、白い岩肌の絶壁がU字型に浸食された谷間に位置しています。その意味は「食料をとる入江」であり、文字通り漁労活動が行われていた場所であることが分かります。

人々の生活を支えた漁労の入江「ハルカラモイ」

写真:木村 岳人

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またハルカラモイの周囲には「アフンルパロ(入る道の口)」と呼ばれる洞窟が複数存在するのですが、これはあの世への入口とされ、人間が入ってはいけない禁忌の場所とされてきました。その内部には季節や昼夜が逆転した世界が広がっており、そこにいる人と話すと死んでしまうと伝わります。

<ハルカラモイの基本情報>
住所:北海道室蘭市増市町2丁目
アクセス:
道南バス「増市通バス停」より徒歩10分
JR室蘭本線「室蘭駅」より車で約15分

室蘭市街地を一望できる「測量山展望台」もオススメ!

室蘭市街地を一望できる「測量山展望台」もオススメ!

写真:木村 岳人

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ピリカノカに含まれている場所ではありませんが、増市浜の北東にたたずむ「測量山展望台」からは室戸市街地を一望することができますので、絵鞆半島を周る際には併せて立ち寄ることをオススメします。

室蘭市街地を一望できる「測量山展望台」もオススメ!

写真:木村 岳人

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特に室戸港の大部分を占める製鉄所は遠望でも迫力満点。赤茶色の無骨な工場が広がるその光景は、自然豊かな外海岸とは実に対照的です。絵鞆半島は自然の造形美と人工的な工業景観の両方を楽しむことができる、一粒で二度おいしい絶景スポットだといえるでしょう。

<測量山展望台の基本情報>
住所:北海道室蘭市清水町1丁目
アクセス:
JR室蘭本線「室蘭駅」より徒歩50分
JR室蘭本線「室蘭駅」より車で約10分

アイヌ由来の絶景が残る絵鞆半島を満喫しよう!

絵鞆半島は室蘭市街地のすぐそばにありながら、アイヌ文化に由来する地名と自然が数多く残されています。いずれもダイナミックかつ魅力的な風景ばかりですので、じっくり時間をかけて周ってみてはいかがでしょうか。

なお、各スポットは公共交通&徒歩でも周ることはできますが、見どころは絵鞆半島の全域に散らばっていますので、自家用車やレンタカーがあるとよりスムーズです。

2020年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。

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