写真:橘 凛
地図を見るイタリアには20の州がありますが、そのうちの5つは特別自治州で、ヴァッレ・ダオスタ州もそれに該当します。特別自治州は、複雑な歴史的背景や民族・言語の違いなどを配慮し、他の州と比べて自治権の裁量が与えられることを憲法によって定められています。
ヴァッレ・ダオスタ州は、特にフランスの結びつきが強く、イタリア語だけでなくフランス語も話され、州内における地名はほぼどちらの呼び方でもされます。そんなミックスカルチャーのヴァッレ・ダオスタ州に古城が集中している理由は、かつてイタリアのピエモンテ州そしてフランス及びスイスの一部に至るまでを支配していた、サヴォイヤ家にゆかりがあります。サヴォイア家は由緒あるイタリア貴族で、彼らの建てた城が数多く残っているのです。
写真:橘 凛
地図を見るまずご紹介するのは、まるでおとぎ話の中に出てくるような見た目が際立つ、サヴォイア城(Castello di Savoia)。グレッソネイの谷に可憐に建つ中央の建物を囲む5つの小さな塔が雰囲気たっぷり!州内でも最も美しい城と呼ばれています。この城は1899年から1904年にかけて、サヴォイア家のマルゲリータ女王の住まいとして建てられました。外装のグレーの壁石は、地元の採石場で採れたものです。
写真:橘 凛
地図を見る内装は、絵画やステンドグラス、当時のインテリアなど、女王の名前のイニシャルとマーガレットの花模様で美しく装飾され、とても見応えがありますので、ぜひ内部見学を。また、庭園には高山植物が植えられ、珍しい香りのするハーブなどが来訪者を迎えてくれます。
<サヴォイア城の基本情報>
住所:Localita Belvedere, 11025 Gressoney-Saint-Jean AO
電話番号:+39-012-5355396
アクセス:アオスタ市街から車でA5/E25とSR44経由で約1時間20分
フェニス城はヴァッレ・ダオスタ州の中でも特に有名で、訪問客の多いお城です。その理由としては、アオスタにおける古城の中でも、最も完全に近い形で残っているからといわれています。13世紀に地元の伝統的な貴族シャラン家によって建てられ、14〜15世紀ごろに現在の原型ができたとされています。
また、アオスタの古城はほとんどが山城ですが、フェニス城は平地にあるのが特徴で、城の周囲にはフェニス村が広がっています。平地にあるがゆえに外敵から攻められる危険性が高いため、その侵入を防ぐ工夫がされています。城内部は写真撮影禁止ですが、当時の貴族の暮らしぶりを垣間見ることができます。特に礼拝堂にあるフレスコ画の評判が高いです。
<フェニス城の基本情報>
住所:Frazione, Località Chez Sapin, 1, Fénis AO
電話番号:+39-016-5764263
アクセス:アオスタ市街から車でA5/E25経由で約20分
写真:橘 凛
地図を見る城というよりも砦というべき堅牢な造りのフォート・バール(Forte di Bard)。こちらもサヴァイア王国の時代、バール村にある小さな山の傾斜を利用して造られました。1800年にはナポレオンの侵略をこの城塞で阻止したという歴史があります。内部は博物館となっており、フォート・バールの歴史の他、様々なアート作品の期間展示がされています。
写真:橘 凛
地図を見る城までの移動は、最新式の斜行エレベーターが無料で利用できるので、山を歩いて登る必要はありませんが、道のりが美しく整備されているのでハイキングコースとしても人気があります。
写真:橘 凛
地図を見るお城の上から見晴らすバールの街並みも見事です。
<フォート・バールの基本情報>
住所:Via Vittorio Emanuele II, 85, 11020 Bard AO
電話番号:+39-012-5833811
アクセス:アオスタ市街から車でA5/E25経由で約40分
写真:橘 凛
地図を見るロイヤルサッレ城(Castello Reale di Sarre)は、12世紀頃の廃墟の上に1710年に建てられ、様々な所有者を経た後、1869年にサヴォイア家のヴィットーリオ・エマヌエーレ王によって購入され、狩猟のための拠点となりました。現在はサヴォイア家の歴史博物館です。
写真:橘 凛
地図を見るヴィットーリオ・エマヌエーレ王の後継者であるウンベルト1世の要請により、大広間などは3612ものシャモアとアイベックスの角で飾られており、非常にインパクトがあります。
写真:橘 凛
地図を見る<ロイヤルサッレ城の基本情報>
住所:Fraz, Frazione Lalex, 88, 11010 Sarre AO
電話番号:+39-016-5257539
アクセス:アオスタ市街から車でStrada Statale 26 della Valle d’Aosta経由で約10分
写真:橘 凛
地図を見るヴェール城(Castello di Verres)は、古代ローマ時代を起源とする旧い村ヴェール(Verres)の小高い山の上にあります。14世紀、城主であった貴族イブレート・シャランが、当時の最新知識とアイデアをつぎ込んで設計したと言われるだけあり、各所にこだわりと工夫が凝らされています。
例えば、各部屋にある小窓は、暖炉で温められた空気を城全体に循環させていたものであり、現代でいうセントラルヒーティングの技術が当時既に存在していたことが伺えます。特に中世の建築技法に興味がある方におすすめです。
<ヴェール城の基本情報>
住所:Localita Chateau, 11029 Verres AO
電話番号:+39-012-5929067
アクセス:アオスタ市街から車でA5/E25経由で約35分
お城は各地にそれぞれ点在しており、駅からとても遠いところもあるため、公共交通機関での移動はおすすめできません。周遊には、ぜひともアオスタ市を起点とした車での移動をおすすめします。また、現地参加の古城周遊の日帰りバスツアーなどに参加するのが効率面でも良いでしょう。今回ご紹介した他にも、まだまだお城はたくさんあります。自然の恵みだけではない、文化の薫り高いヴァッレ・ダオスタ州の古城巡り、ぜひ体験してみてください。
2020年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/10/3更新)
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