写真:万葉 りえ
地図を見る鳴門海峡に近い、淡路島の福良港。その港の近くに「道の駅福良」があります。海産物を取り扱う店や観光案内所、地元の野菜などを売っている福良マルシェなどがあるのですが、ここに曲線を描くちょっと変わった建物があります。
それが今回ご紹介する「淡路人形座」。気軽に日本の伝統文化を体験できる建物です。中に入れば、そこは江戸時代の芝居小屋・・・。
写真:万葉 りえ
地図を見る西宮にある神社に仕えていた傀儡子(かいらくし・くぐつし/人形遣いのこと)が淡路島にきて人形の操り方を教えたのが始まりと言われている淡路人形。それは室町時代のころだと伝わっています。そこに鎌倉時代からの音曲が加わって淡路の人形芝居が形成されていったといわれています。
江戸時代には藩主の保護もあって人形浄瑠璃は大いに栄えます。当時の人々がどれだけ熱狂していたか・・・。淡路島だけで40以上の人形座がつくられ、各座が全国各地を回って公演していたことからも人気のほどをおわかりいただけるでしょう。
写真:万葉 りえ
地図を見るその、全国を回っていた座の中には、訪れた先に住み着いて教える者も出てきます。ですから祭りなどで現在でも演じられる人形浄瑠璃には、淡路系だと考えられるものがたくさん伝承されているのです。淡路島の人形浄瑠璃は日本の演劇史に重要な役割をはたしてきたのです。
しかし、40以上もの座があった淡路の人形浄瑠璃も、明治という激動の時代を経てしだいに衰退して行きました。そこで伝統の保存と後継者の育成を目的に生まれたのが「淡路人形座」です。
人形浄瑠璃なんて初めてだから理解できるかな?と不安の方も大丈夫。入り口の提灯に招かれて入って行けば、そこにあるのは江戸の芝居小屋の雰囲気がたっぷりのステージ。
そして上演の前には、座員の方が三人遣いの人形の操り方なども説明してくれます。また、開演までに時間があれば、客席の後ろ側にある展示や説明を見ておくのもいいでしょう。
写真:万葉 りえ
地図を見る人形芝居を大まかに分けると、人形を操る人、音曲(三味線などの楽器)を担当する人、そして浄瑠璃(セリフなど)を担当する人にわかれます。これは舞台側から撮影したものですが、公演が始まれば舞台に向かって右手に義太夫節三味線の方と浄瑠璃の太夫の方が座ります。
国内だけでなく海外公演も行っていて訪れた国は31か国以上。ニューヨークではあのカーネギーホールを満席にし、パリ公演では2日でチケットが売り切れてクレームも。日本に住んでいる者のほうが、そんなに素晴らしい文化が近くにあることに気づいていないのかもしれません。
写真:万葉 りえ
地図を見る淡路人形座は「国指定重要無形文化財」になっていますが、難しくとらえる必要はありません。ざっくり言うなら、人形浄瑠璃は、江戸時代の人たちが楽しんでいた芝居やミュージカル。だからこそたくさんの人形座ができ、全国各地で楽しまれていたのです。
こちらの公演時間は約45分。たくさんの人形たちがスタンバイしているように、踊りだったり芝居だったり演目はその時々で変わります。
写真:万葉 りえ
地図を見るそして、日によっては、人形教室やバックステージ見学もあります。舞台で使われる建物の造りや、背景が変わる様子など、裏側の様子も知ることができます。
ご覧の全面に模様が入っている着物は、大事に伝えられてきたものです。描かれているように見えるかもしれませんが、なんと、模様はすべて手が込んだ刺繍!ずっしりと重いこんな豪華な衣装を人形たちに着せるほど隆盛を極めていたのです。
写真:万葉 りえ
地図を見る淡路人形座の建物は、ご紹介したように道の駅福良の一角に建っています。この道の駅からは鳴門海峡のうずしおを見に行くクルーズ船も出ているので、こちらでも淡路島でしか体験できない思い出を作っておきましょう。
馴染みがない人でも、伝統にふれられる淡路人形座。人々が熱狂した江戸時代のミュージカルに、ここでちょっとふれてみませんか。
住所:兵庫県南あわじ市福良甲1528-1
電話番号:0799-52-060
開園時間:10:00〜、11:10〜、13:30〜、15:00〜
休館日:水曜日
2020年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/1/22更新)
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