注目はここ!「ヨコハマトリエンナーレ2020」おすすめ作家5選

注目はここ!「ヨコハマトリエンナーレ2020」おすすめ作家5選

更新日:2020/09/07 12:35

橋本 菜摘のプロフィール写真 橋本 菜摘 アートブロガー
「ヨコハマトリエンナーレ2020」は現代アートの国際展、会期は2020年7月17日(金)から10月11日(日)。アーティストは67組、このなかから是非見てほしい、注目のアーティスト5人をご紹介します。注目のポイントは、作品の大きさ、作品から浮かび上がる社会の問題や歴史との関連、作品をつくる方法など。キーワードをヒントに、五感を使ってアプローチしてみましょう。

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風に揺れる最大の作品:イヴァナ・フランケ

風に揺れる最大の作品:イヴァナ・フランケ

写真:橋本 菜摘

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「ヨコハマトリエンナーレ」は2001年から始まった現代アートの国際展、7回目の「ヨコハマトリエンナーレ2020」は2020年7月17日(金)から10月11日(日)まで。会場は、横浜美術館、プロット48。アーティストは67組、約半数が20代、30代で、出身はアジアや中東、アフリカなどが中心です。

タイトルは「AFTERGLOW−光の破片をつかまえる」。「AFTERGLOW(アフターグロウ)」は「残りの光」のこと、光の尻尾や光のかけらをつかまえようということです。作品を近くで見たり、音を聞いたり、五感を使ってアプローチしてみてください。

横浜美術館の正面全体が黒っぽいもので覆われて工事中のように見えます。ゆっくりと近づくと、波のような模様が揺れていませんか。これはイヴァナ・フランケ(1973年、クロアチア生まれ)の作品です。

イヴァナ・フランケ《予期せぬ共鳴》2020年(C) Ivana Franke 
ヨコハマトリエンナーレ2020展示風景より

風に揺れる最大の作品:イヴァナ・フランケ

写真:橋本 菜摘

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作品の近くでは向かい側のビルが透けて見えます。縦縞模様がずれて縞が動いて見えるのです。よく見ると縦縞の太さが違っています。

ヨコハマトリエンナーレでは、タイトルを決めたアーティスティック・ディレクターが「ソース(源泉の意味)」と呼ぶ、考えの元になる文章を示し、そこからキーワードが導きだされました。独学、発光、友情、ケア、毒の5つです。アーティストは「ソース」やキーワードを受けて作品につなげました。

では、この作品《予期せぬ共鳴》はどのキーワードとつながるでしょうか。作品が光を受けることから「発光」、心地よい揺れは「ケア」でしょうか。

解説パネルには作家の言葉や作品を詩的に解釈した説明があります。この作品の解説では、本当に美術館はあるのだろうかと問い掛けています。
解説もヒントにして、作品から想像をどんどんふくらませてください。

きらめきのなかに危うさがある:ニック・ケイヴ

きらめきのなかに危うさがある:ニック・ケイヴ

写真:橋本 菜摘

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横浜美術館に入ると、高さ20メートルの吹き抜けに光が舞っています。ニック・ケイヴ(1959年、アメリカ生まれ)の《回転する森》です。さあ、森のなかを歩いてみましょう。ぶら下がっているガーデンスピナーはステンレス製の庭飾りで、回転するとさまざま形や色に変わります。

ニック・ケイヴ《回転する森》2016年(2020年再制作))(C)Nick Cave
ヨコハマトリエンナーレ2020展示風景より

きらめきのなかに危うさがある:ニック・ケイヴ

写真:橋本 菜摘

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庭飾りには、ピースサインをした手、ニコニコした顔、拳銃もあります。
キーワードは光を受ける動きから「発光」、銃の形は「毒」につながり、作家・ケイヴが住むアメリカの暴力や人種差別問題ととらえることもできます。

千人針の記憶と向かい会う:新井卓

千人針の記憶と向かい会う:新井卓

写真:橋本 菜摘

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横浜美術館の薄暗い展示室に、新井卓(1978年、神奈川県生まれ)は「千人針」をモチーフにした作品を展示。千人針は布に赤糸で縫玉をつくって出征兵士に贈ったもの。その縫い目のひとつひとつを「ダゲレオタイプ」写真で撮影した1000枚が並びます。

右壁:新井卓《千の女のための多焦点モニュメツ No.1〜10》2020年(C)Takashi Arai
ヨコハマトリエンナーレ2020展示風景より

千人針の記憶と向かい会う:新井卓

写真:橋本 菜摘

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ビデオ作品は実際に千人針を縫った92歳の女性と娘、孫世代の女性が千人針をつくって布に戻す内容。市民のささやかな祈りの千人針でさえ、権力に利用されうることを伝えています。

背景は1913年に完成した赤レンガの建物、広島の旧陸軍被服支廠で、現存する最大級の被爆建築です。過去のヨコトリ会場になった横浜の赤レンガ倉庫1号館も同じ1913年に完成しました。カメラは「発光」、戦争は「毒」、ビデオは「ケア」「友情」でもあります。

新井卓《千の女と旧陸軍被服支廠のためのアンチ・モニュメント、広島》2020年(C)Takashi Arai、約15分
ヨコハマトリエンナーレ2020展示風景より

千人針の記憶と向かい会う:新井卓

写真:橋本 菜摘

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展示室をつなぐ廊下にも光があります。壁に近付くと色が変わることがわかります。

やわらかい彫刻:さとうりさ

やわらかい彫刻:さとうりさ

写真:橋本 菜摘

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触ってはいけないけれど、温かさを確かめたくなる作品。彫刻というと、木材や石を刻んだり、粘土像を元に金属でつくるものを思い浮かべます。ところが、さとうりさ(1972年、東京生まれ)は布やビニールなど柔らかい材料で彫刻をつくります。横浜が活動の拠点のさとうは、会場に通って作品を縫い上げました。やわらかい素材の彫刻は、置かれた場所の雰囲気を変えます。

さとうりさ《双つの樹(白)》2020年
横浜美術館、ヨコハマトリエンナーレ2020展示風景より

やわらかい彫刻:さとうりさ

写真:橋本 菜摘

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プロット48の南棟のテラスに色鮮やかな作品。北棟にもオレンジ色の《双つの樹(橙)》(2020年)があります。3つともバルーンで展示時間に合わせて膨らませています。命があるいとおしいものに見え、キーワードは「ケア」と「友情」です。

さとうりさ《双つの樹(黄、青)》2020年
プロット48、ヨコハマトリエンナーレ2020展示風景より

科学技術とアートの融合:イシャム・ベラダ

科学技術とアートの融合:イシャム・ベラダ

写真:橋本 菜摘

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プロット48の南棟では、3面の映像が迫ってきます。イシャム・ベラダ(1986年、モロッコ生まれ)の作品です。ベラダは鉱物が化学反応を起こすようすなどを作品にしています。

イシャム・ベラダ《数理的前兆#3》2020年(C) ADAGP Hicham Berrada、サイレントビデオ4分55秒ループ
ヨコハマトリエンナーレ2020展示風景より

科学技術とアートの融合:イシャム・ベラダ

写真:橋本 菜摘

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水槽のなかのブロンズは次第に腐食して形が変わります。画家が絵の具と筆で描くように、ベラダは温度と磁気、光を用いて作品をつくります。アートの領域を広げるベラダ作品のキーワードは「独学」に近いでしょう。

イシャム・ベラダ《質量と殉教者》2020年(C) ADAGP Hicham Berrada
ヨコハマトリエンナーレ2020展示風景より

5人の作品はいかがでしたか。ヨコトリには67組の作家の作品があります。5つのキーワードをヒントに想像をふくらませ、たくさんのアート出会ってください。

Webサイトを使って作品を知ろう

「ヨコハマトリエンナーレ2020」では、ほとんどの作品が撮影できるので、インスタグラムやツイッターにたくさんの写真が投稿されています。どんな作品があるのか、どんな風に見えるのか、参考にしましょう。もちろんベストショットが撮れたら、以下のハッシュタグをつけて投稿しましょう。
#ヨコハマトリエンナーレ2020 #ヨコトリ2020 #ヨコトリ #yokohamatriennale #yokotori

展示だけではなく、「エピソード」も重要です。エピソードはパフォーマンスやレクチャーのシリーズで、会期前から会期後まで行われ、公式サイトで発信します。
たとえば、「エピソード00」は昨年行われたプレイベント、「エピソードX」はアーティストが準備期間に制作した作品、「エピソード06」は岩井優のワークショップと話合いが会期中に何度か開かれるなど。新たなエピソードが増え、積み重なっていきます。是非、公式サイトの「エピソード」にも注目してください。

2020年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/07/16 訪問

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