写真:SHIZUKO
地図を見る初夏から初秋、紅葉の時期には、ロープウェイに長蛇の列。臨時便も頻繁に運行される人気スポットが、木曽駒ケ岳の玄関口の「千畳敷カール」です。「カール」とは、氷河に削り取られてできたお椀状の大きな谷地形。カールの上部は、ほぼ垂直の切り立った岩壁になっているので、美しく厳しい景観を作り出しています。ロープウェイ千畳敷駅を一歩出れば、目の前にドーンと宝剣岳の威厳ある山容。その足元に高山植物の宝庫・千畳敷カールが広がっています。
秋の紅葉、冬の雪化粧も大人気ですが、咲き乱れる短い夏から秋の高山植物も大きな魅力。150種以上の花々が開花すると言われ、その可憐な姿の虜になり、熱心に通うファンが多いのもうなずけます。
ハイシーズンのロープウエイの始発は早朝の6時。ロープウェイの駅に行くには、マイカー規制がかかっているので、麓の菅の台から30分シャトルバスに乗っていかなくてはなりません。このシャトルバスの始発は5時。始発のバスを待つために、前夜から駐車場で車中泊をしている人も多く、週末などは、朝の段階で満車になっているくらいの人気スポットです。
日帰りで楽しめる行程の木曽駒ケ岳ですが、可憐な花々を存分に楽しむためには、ぜひ、1泊してください。前泊ならば始発に乗って朝一番のカールへ。後泊ならば、山を下りた後、疲れた体を温泉でゆっくりと癒せます。どちらもいいのですが、どちらかといえば余韻に浸りながらの後泊がお勧め。とはいえ、朝は出来るだけ早く出発してください。遅くとも11時には千畳敷カールに到着しましょう。
そんな千畳敷カールでは、雪解けとともにピンクのショウジョウバカマやコイワカガミが咲き始め、黄色のシナノキンバイやミヤマキンポウゲ、ウサギギクが咲き、白いハクサンイチゲやチングルマなども順に花を開きます。その名を上げるときりがありません。珍しいミヤマクロユリに出会えることも。
写真:SHIZUKO
地図を見る千畳敷カールには、遊歩道が設けられているので、花を楽しみながら、カメラにその姿を収めてください。接写レンズを使うと、細かな花びらの模様などを見ることが出来、より一層、花が身近になることでしょう。
剣が池に映る逆さ宝剣岳も美しいので、ベンチでゆっくりしてみては。駒ケ岳ロープウェイのホームページに、高山植物開花情報がアップされていますから、お出かけ前にチェックしておけば、花の名前がわかるのでとても便利です。
写真:SHIZUKO
地図を見る花を楽しんだ後は、いよいよ木曽駒ケ岳を目指して登山開始。お花畑の一番高いところに「八丁坂」への分岐があります。この先は登山装備が必要な登山道です。
とはいうものの、稜線の「乗越浄土」までのコースタイムは40分。登山初心者の人も、焦らず自分のペースで登れば、難しい登山ではありません。
高山植物真っ盛りの週末は、帰りのロープウェイの待ち時間が気になるものですが、麓の温泉に泊まるプランなら時間はたっぷり。余裕の時間配分で登れますから、普段登山をしない人でも安心です。
写真:SHIZUKO
地図を見る登山道の左右も実は花々で彩られています。キンポウゲの群生や、白い花々の中のクルマユリの鮮やかなオレンジに目をひかれたりと、花に癒されながら登っていける道です。
左手にオットセイ岩と呼ばれる大岩が見えると、斜度はよりきつくなりますが、もう少し。
写真:SHIZUKO
地図を見る乗越浄土に到着すれば、ロープウェイの駅がはるか下に。よくぞ、こんな急なところを登れたもんだと、思わず自分をほめたくなることでしょう。しっかり水分補給をして、休憩してください。
写真:SHIZUKO
地図を見る乗越浄土は広々とした気持ちのいい平原。右手には「伊那前岳」へ続く道が。左手が木曽駒ケ岳への道。山頂は、手前の中岳に隠れて見えません。
少し歩けば、青い屋根の「宝剣山荘」と、赤い屋根の「天狗荘」が。到着した時間にもよりますが、宝剣山荘で休憩して、荷物を置いて身軽になって、山頂へ向かうとよいでしょう。
写真:SHIZUKO
地図を見る中岳まで緩やかに20分ほど登り、強い風が吹き抜ける中岳山頂からいったん大きく下ります。足を滑らせたりしないように注意深く、足の置き場を決めて丁寧に下りましょう。
下りきったところに「駒ケ岳頂上山荘」と中央アルプス唯一のテント場があります。最後の登りはおよそ30分。焦らずに自分のペースを守って進みましょう。
写真:SHIZUKO
地図を見る山頂からは、御嶽山や北アルプス、反対側には南アルプスから富士山まで、遮るもののない360度の大絶景。ちょっと苦しかったけど、この絶景なら納得と誰もが思うはず。振り返り、自分の登って来た道を眼下に見渡す時、とてつもない充実感を感じることでしょう。
山頂には2つのお社があります。木曽側にあるのが「木曽駒ヶ嶽神社」、伊那側にあるのが「伊那駒ヶ嶽神社」。2つの神社が山頂にあるのは珍しいので、無事登頂の御礼に両方の神社に手を合わせる登山者が多数います。
写真:SHIZUKO
地図を見る木曽駒ケ岳の麓、シャトルバス乗り場のある菅の台は「美人の湯」で知られる早太郎温泉郷です。短時間では楽しみつくせない木曽駒ケ岳。可憐な花を愛でて、自分のペースでゆっくりと山頂へ行くために、麓の温泉で1泊してみましょう。
シャトルバス菅の台駅からバスで2分「駒が池」バス停の真ん前というベストロケーションにある、欧風リゾートホテルの「駒ケ根高原リゾートリンクス」がお勧め。ホテルの前には「駒が池」が広がり、爽やかな風が吹き抜けています。
写真:SHIZUKO
地図を見る中庭にはチャペルがあり、木がふんだんに使われている室内はとても落ち着いています。
ホテルご自慢の夕食バイキングでは、ここでしか食べられない名物「あっぷる豚」に加え、目の前で焼きあげる特選牛が大人気。美味しいもので疲れた体を癒してください。
露天風呂からの眺めも、とても素敵です。
駒ヶ岳ロープウェイを使って、素敵なお花畑と登山をお楽しみください。中央アルプスの短い夏から初秋は、高山植物が一気に咲き誇り、短い命を燃やします。生命力あふれる美しく可憐な花々に、きっとパワーをもらえるはず。3000メートル近い山なのに、比較的楽にアタックできるのが木曽駒ケ岳の魅力。麓のホテルに泊まることで、短い滞在時間では気づけない山の魅力の虜になること間違いなしです。
2020年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/2/11更新)
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