どっしり根付いているように、風格と気品に満ち溢れている建物。宿なのに、まるで大きなお寺のようにも見えませんか?
「優香苑」は、社寺建築を手掛ける宮大工さんによって造られました。完成にかけた時間は7年半。すでに30年以上も経っている建物ですが、年々時を刻む美しさが増しています。
1万坪もの敷地には、本館と7つの宿泊棟、露天風呂の建物があり、回廊で結ばれています。
写真:安藤 美紀
地図を見る中に入った瞬間、専門家でなくても、空気でその違いを感じられるはず!
ロビー天井は、釘を使わず木材を格子状に組み合わせた「格天井」よりも格式が高い、「折上格天井」を用いています。「折上格天井」とは、角をカーブして天井を一段上げた技法。江戸時代には、将軍や大名の部屋にも取り入れられました。
この技法は高い職人の技術を必要とするため、最近のお宿では見られません。職人が年々減少していることもあり、同レベルの旅館を再現するのは不可能な状態に。「優香苑」は建築的にも、非常に希少価値の高い宿です。
写真:安藤 美紀
地図を見るさらに、ロビーでは、超ビッグサイズの南部鉄器を見られるのも、楽しみのひとつ。これは、ニューヨークで個展を開いたり、中尊寺金色堂の修復にも加わったスペシャリスト、宮伸穂さんが作ったもの。重量は300kgもあるのに、軽やかさを感じる洗練されたデザインになっています。
写真:安藤 美紀
地図を見る「優香苑」は、廊下も格天井。客室の扉にも縦格子戸があしらわれています。館内は和の趣であふれ、ただ歩いているだけでも落ち着けます。
写真:安藤 美紀
地図を見る客室数は60部屋。すべて折上格天井の造りです。さらに、ひし形の「菱格子欄間」や日本が誇る伝統工芸「組子」があちこちに散りばめられています。
荷解きをしたら、部屋をぐるりと見回して、職人技と木が織りなす“日本の装飾美”にじっくり浸りましょう。
旅館では珍しい、天蓋ベッド付き「貴賓室」があるのも「優香苑」の特徴です。こちらは限定2部屋で、特別感たっぷり!2人並んでお庭や山の景色を眺めて、まったり…。体の力がスッと抜けて、最高にリフレッシュできます。
写真:安藤 美紀
地図を見るメインのお風呂「とよさわ乃湯」の露天風呂は、男女合わせて約90平米の大きさです。しかも、この大きさでかけ流し!温泉天国・花巻温泉郷の中でも、これだけ大きな露天風呂があるのはここだけです。
「優香苑」では、敷地内に4箇所ある源泉から毎分1200リットルの湯が湧き、すべての湯船を循環なしの温泉で満たしています。その湯は、一度入ると、体が湯船から出たがらないほど心地良い!開けた自然のなか、極上の湯を満喫しましょう。
写真:安藤 美紀
地図を見る内風呂には、中国の職人さんが手掛けた巨大な陶板画が飾られており、絵画鑑賞するように湯浴みができます。
泉質はph値9.3のアルカリ性単純泉。柔らかくしっとりぬるっとした湯は、とにかく温泉パワーが強く、一度の入浴で「5歳若返った!?」と驚くほど。軽いピーリング効果があり、温泉が肌にグングンしみていきます。
写真:安藤 美紀
地図を見る湯上がり後、ビールで「プハ!」も良いものですが、甘党の方は、知る人ぞ知る「優香苑」の裏名物をいただきませんか?
ラウンジでは、通常のメニュー以外に、花巻の人気ケーキ店「バックシュトゥーベ」のレアチーズがいただけます。このケーキ、濃厚だけどアッサリしたおいしさで、思わず笑みがこぼれます!お値段もドリンク付きで600円と良心的。
写真:安藤 美紀
地図を見る客室、温泉、スイーツ…と続いて、幸福感に包まれるのが、「優香苑」自慢の夕食です。
スタンダードのコースは、オンリーワンの和の創作料理12品。メインのお料理は、ジュワッと肉汁があふれる「いわて牛」をしゃぶしゃぶ仕立てでいただきます。
スープの内容は、季節ごとに一変。リピートして、食べ比べしたくなります。
写真:安藤 美紀
地図を見るそして、夕食はスタンダードでも、アワビがついてくるんです!
歯がなくても噛み切れるほど柔らかなアワビは、ふんわりとした食感で繊細な味わい。「優香苑」の夕食は、旅の大きな楽しみになるでしょう。
写真:安藤 美紀
地図を見る朝ごはんは、約30種類の和洋ブッフェ。花巻のブランド豚・白金豚を使ったカレーや、忘れちゃいけない岩手が誇る岩泉ヨーグルなど、どれもおいしそうで目移りするほど。
花巻産のご飯「ひとめぼれ」に乗せるなら、宮沢賢治デザインのかわいい花巻納豆を!朝からほっこり幸せな気持ちになりますよ。
写真:安藤 美紀
地図を見る驚くことに「優香苑」のお庭は英国風。ここでは、プリムラやブルーディングハートなど、四季折々のお花や植物が1年中楽しめます。
お庭にある「パーゴラのトンネル」は6月頃が見頃に。バラの最盛期には芳醇な香りに包まれながら、フォトジェニックな写真が撮れますよ。
写真:安藤 美紀
地図を見る宮沢賢治も訪れた豊沢川は、水がきれいで流れも穏やか。せせらぎの音と小鳥のさえずり、木の葉が風にゆれる音がBGMとなって、癒やし効果は抜群です。「優香苑」には、この川を見ながらゆっくりお散歩できる散策道があるので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
「優香苑」は宮大工建築の贅を極めた宿だけに、宿泊料金も高そうなイメージですよね。しかし実は、一番人気の「和洋室」でも、一人1泊2食付き11000円〜と非常にリーズナブル!これなら、気軽に手が届きますよね。
まさに普段着感覚で使える極上の宿で、非日常体験してみませんか?
2020年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
安藤 美紀
1975年愛知県生まれ。東京や埼玉に移り住み、エンジニアと二足のわらじで「新しいトキメキと癒し」を求めて飛び回っていました。現在は、フリーライターとして独立。まったりした静岡に移住しています。非日常感…
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