写真:M Maririn
地図を見る大化の改新以後、朝廷からは地方各国に国司が派遣されていました。国司とは今の知事のようなもので、任国につくと最初に国内の有力な神社を参拝して平和と繁栄を祈願したといわれています。かつて相模國と呼ばれた神奈川県には国司がお参りした相模六社が今も残っています。
それぞれ異なる御祭神をお祀りする六つの神社は歴史あるパワースポット。すべて回れば相模國の神々の限りない御守護とお導きが授けられると言われています。それでは一之宮から順にご案内していきましょう。
写真:M Maririn
地図を見る相模國一之宮寒川神社は相模國及び関八州の守り神として、また江戸の裏鬼門を守るお社として多くの人々から信仰されてきました。
御祭神は寒川比古命(さむかわひこのみこと)・寒川比女命(さむかわひめのみこと)。相模國を中心に関東地方を開拓した関東地方文化の生みの親神様といわれています。
寒川神社は全国唯一の八方除の神様。地相、家相、方位、日柄、厄年などの災難を取り除く「八方除」の御祈祷を受けに全国各地から人々がお参りに来ています。あらゆる方角から降りかかる「大難は小難に、小難は無難に、吉事は最大に」。物事に行き詰ったときや先行きに不安な時などにお参りすればお力をいただけることでしょう。
寒川神社の御朱印には海の日に行われる「浜降祭」で御神輿に敷かれる「ハマゴウ」が描かれています。
<寒川神社の基本情報>
住所:神奈川県高座郡寒川町宮山3916
電話番号:0467-75-0004
アクセス:JR相模線宮山駅下車徒歩5分
写真:M Maririn
地図を見る約2000年前第11代垂仁天皇の時代に創祀されたと言われる相模國二之宮川勾神社(かわわじんじゃ)。主祭神の一柱の級津彦命(しなつひこのみこと)は風の神様。ご夫婦でいらっしゃる級津姫命(しなつひめのみこと)と一緒に磯長國(相模川より西)を開拓された神様です。森に囲まれた清々しい境内に立つと運気を上げる風がいただけそうですよ。
日本武尊が東征途中で奉幣祈願し、小田原北条氏の時代には鬼門守護社、徳川将軍正月御祓札献上神社の歴史ある神社です。また初代総理大臣伊藤博文直筆の鳥居額が保存されています。
写真:M Maririn
地図を見る相模國三之宮比々多神社(ひびたじんじゃ)は神武天皇6年(紀元前655年)霊峰大山をご神体として豊斟渟尊(とよくむぬのみこと)を日本国霊として祀ったことにはじまるといわれています。
神社周辺には昭和の初め360基以上の古墳があり縄文弥生時代の土器や勾玉などが見つかっていることから古くから祭祀の行われていた神聖な地であったと考えられています。
境内の奥を10分ほど進んだ小高い丘の上の元宮はかつて比々多神社の社殿が建てられていた「埒面(らちめん)」という神聖な場所。晴れた日には横浜ランドマークタワーや相模湾が一望できる気持ちのいい場所です。
左が「川勾神社」右が「比々多神社」の御朱印です。
<川勾神社の基本情報>
住所:神奈川県中郡二宮町西2122
電話番号:0463-71-0709
アクセス:JR東海道線二宮駅より神奈中バス国府津行き「押切坂上」下車徒歩約10分
<比々多神社の基本情報>
住所:神奈川県伊勢原市三ノ宮1472
電話番号:0463-95-3237
アクセス:小田急線伊勢原駅北口より神奈中バス関台経由栗平行き「比々多神社」下車徒歩すぐ
写真:M Maririn
地図を見る相模國四之宮前鳥神社(さきとりじんじゃ)の主祭神の菟道稚郎子命(うぢのわきいらつこのみこと)は応神天皇の皇太子。渡来人の王仁(わに)博士から日本で初めて論語など漢籍を学び、また帰化した渡来人技術者を庇護し産業技術を伝えて多くの雇用を生んだことから学問・修学・就職の神様として受験生、就活生、また転職を考えている人達が参拝に訪れています。
社名の「さきとり」はこの土地の古名で、相模川に岬のように突き出した地形から起こったと言われています。菟道稚郎子命が京都からこの地に移り住み、その子孫によって建てられた神社が今の前鳥神社であると伝えられています。
写真:M Maririn
地図を見る今から約1600年以上前、この地に起こった大地震の被害と人々の苦しみを見かねた仁徳天皇が詔をだされ応神天皇をお祀りされたことが創祀と伝えられています。その後の推古天皇の時代に再び大地震が起こり、天皇は「鎮地大神」のご宸筆をささげて国土安穏を祈願されました。度重なる戦火や関東大震災、戦争からの復興など、苦難を乗り越え力強く立ち上がるパワーを持つ神社です。
一の鳥居をくぐったところにある東御池には商売繁盛の鶴峯山稲荷社、西御池には弁財天社がお祀りしてあります。
令和元年に岐阜県高山市から神馬・皐月がやってきました。毎日10時〜12時・13時〜15時に神厩舎で会えますよ。
左が前鳥神社の御朱印、右の平塚八幡宮の御朱印には宸筆の「鎮地大神」と記されています。
(前鳥神社の2020年の夏詣御朱印は終了しました。現在は奉拝の墨書になります。)
<前鳥神社の基本情報>
住所:神奈川県平塚市四之宮4-14-26
電話番号:0463-55-1195
アクセス:JR東海道線平塚駅から神奈中バス本厚木駅南口行き「前鳥神社前」下車徒歩3分
<平塚八幡宮の基本情報>
住所:神奈川県平塚市浅間町1-6
電話番号:0463-23-3315
アクセス:JR東海道線平塚駅北口より徒歩5分
写真:M Maririn
地図を見る神社の始まりは崇神天皇の頃に出雲地方よりこの地に移住し開墾した氏族が櫛稲田姫命(くしいなだひめのみこと)を祀ったのが始まりと伝えられています。大化の改新後に相模國一之宮寒川神社から平塚八幡宮までの五社の御分霊を合祀し「相模國総社六所神社」となりました。
社殿の注連縄は出雲大社と同じ造りで島根県の飯南町で造られたもの。社殿を400年以上にわたって支える野面積の石垣は戦国時代小田原北条氏によって寄進されたものです。
八岐大蛇を退治した素戔嗚尊と結ばれた櫛稲田姫命の霊力が宿った湯津爪櫛御守り(ゆつつまぐしおまもり)は女性の良縁、災禍除けの御利益がある御守りです。
写真:M Maririn
地図を見る相模六社では「開運守公神」を頒布しています。各神社で色の違うミニサイズの御幣を揃えて飾っておけば相模國の神々の守護とお導きが授けられると言われています。
六所神社の御朱印です。
<六所神社の基本情報>
住所:神奈川県中郡大磯町国府本郷935
電話番号:0463-71-3737
アクセス:JR東海道線二宮駅より神奈中バス平塚行き「国府新宿」下車徒歩5分
提供元:相模國総社六所神社
https://www.rokusho.jp/相模國府祭(さがみこうのまち)は相模六社が大磯町の祭場に集まり国家安泰、五穀豊穣、諸産業の繁栄を祈念するお祭りです。
祭りで行われる様々な神事の中でも神揃山で行われる「座問答」と呼ばれる神事は相模國の一之宮争いに由来するもの。寒川神社と川勾神社が虎の皮を先へ先へと進め上座(一之宮)を譲らず「無言の問答」を繰り返します。比々多神社が前鳥神社と平塚八幡宮と相談の上「いずれ明年まで」と仲裁に入り式が終わりますが、実はここでは一之宮ははっきりと決めず、勝ち負けなしに先送りしているのが日本らしい解決の仕方ですね。
提供元:相模國総社六所神社
https://www.rokusho.jp/毎年5月5日に行われる相模國府祭は神奈川県指定無形民俗文化財です。
相模六社巡り、今回は一之宮から順番にご紹介しましたが、参拝する順番が決まっているわけではありません。行きやすい神社から回って六社参拝してくださいね。数日にわたってもオッケーです。
相模六社巡り専用の御朱印帳は今のところありませんので、ご自身でお好みの御朱印帳に集められるのもよいと思います。各神社様、今回ご紹介した御朱印の他にも何種類か頒布されていますので御朱印集めを楽しんでください。
2020年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/12/3更新)
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