若狭地方最大の落差!福井「野鹿の滝」の涼感に癒されよう

若狭地方最大の落差!福井「野鹿の滝」の涼感に癒されよう

更新日:2020/09/02 11:32

bowのプロフィール写真 bow トラベルライター
福井と京都を結ぶ西の鯖街道、旧名田庄村にある「野鹿(のか)の滝」は若狭地方では最大とされる名瀑。暑い夏にはその豊かな水量と清涼感で訪れる人を癒します。安倍晴明の子孫である土御門家の逸話も伝わる、隠れた名所をご紹介します。

西の鯖街道・名田庄村

西の鯖街道・名田庄村

写真:bow

京都の名物のひとつ「鯖寿司」。海に面していない京都で古くから食べられてきた鯖は、福井県の若狭湾と京都を結ぶ「鯖街道」を通じて運ばれてきました。鯖は鮮度が落ちやすいため塩でしめて丸一日かけて運ばれ、京都に着いた頃にはちょうどいい塩加減になっていたそうです。

そんな鯖を運んだ鯖街道はいくつかあり、その中でも「西の鯖街道」と呼ばれるのは標高800mの丹波高地を貫くルート。現在の福井県高浜町を起点に京都府南丹市美山町、京都市右京区京北を経て京都御所を結んでいました。周山街道とも呼ばれ、鉄道が敷設されるまではこのルートが最短距離であり、経済・文化においても重要な道だったのです。

西の鯖街道・名田庄村

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西の鯖街道のルート上にある福井県おおい町名田庄。ここは福井県で最後まで残った村、かつての名田庄村にあたる地。1970年代に活躍したフォークバンド「ザ・ナターシャー・セブン」は、主要メンバーの高石ともやが住んでいたここ名田庄村が語源となっています。

そんな名田庄地区には隠れた名瀑「野鹿(のか)の滝」と呼ばれる滝があります。国道162号に面した「道の駅名田庄」から車で約20分のところにあります。

名瀑「野鹿の滝」への道

名瀑「野鹿の滝」への道

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野鹿の滝へは林道を含めた山道を行く必要があります。冬季にはここへ通じる県道が通行止めになりますので、季節限定でお目にかかれる滝ともいえます。

名瀑「野鹿の滝」への道

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携帯電話の電波も途切れるような林道を進み、何度か「野鹿の滝」の看板がありますが画像の「景勝 野鹿の滝」の看板が見えたら到着です。車1台分くらいの駐車スペースはありますので、ここから谷の方へと遊歩道を進んで行きましょう。

名瀑「野鹿の滝」への道

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野鹿の滝への遊歩道は崖の斜面をタイトに進みますので、ゆっくりと気を付けて歩きましょう。基本的に歩きやすい靴以外の方は厳しいので無理をしないように。谷底まで下れば、滝が姿をあらわします。

予想外の迫力に圧倒「野鹿の滝」

予想外の迫力に圧倒「野鹿の滝」

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下から見れば3段構成の滝であり、落差が30mある野鹿の滝は福井県嶺南・若狭地方では最大級とされていて、流れている川幅からは想像もつかないほどの雄大なスケール!そしてそこから放たれる清涼感は言うまでもなく、真夏でもひんやりとした空気をまとっています。

予想外の迫力に圧倒「野鹿の滝」

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この野鹿の滝には、かつて応仁の乱に敗れて落ち延びようとした安倍晴明の子孫にあたる「土御門家」の別当・石王丸が、野鹿の滝の滝壷から光を放つ薬師如来像に逃げ道を教示されたという不思議な伝承が残っているのです。

この滝のある名田庄納田終地区はかつて天領であり、土御門家が京都からこの地に移り陰陽道の流れを受け継いだとされています。この地は何らかのパワーに満ちた場所だったのかもしれませんね。一見そんな逸話とは無縁にも思える山中の滝も、実はロマンに満ちていたという野鹿の滝。観光スポットとしてはマイナーな存在ですが、一見の価値はあり!鯖街道ドライブの立ち寄り地として訪ねてみてはいかがでしょうか?

野鹿の滝の基本情報

住所:福井県大飯郡おおい町名田庄納田終
アクセス:道の駅名田庄から車で約20分、舞鶴若狭道「小浜」ICより約60分。

2020年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/08/26 訪問

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