写真:bow
地図を見る圧倒的な威圧感でそそり立つ巨大な岩盤、そしてそこにポッカリ口を空けた洞窟。まるでRPGのダンジョンの入口のようにも見える、このちょっと日本離れした風景・・・。
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地図を見る実は普通に通れる道路、そしてトンネルだったとしたら信じられますか!?
このトンネルの名は「羽山第二隧道(はやまだいにずいどう)」。ここは全国の道路マニアが憧れる地、そして岡山が誇る珍百景のひとつだったのです!
中国山地にある高梁市は天空の城として名高い「備中松山城」がある山あいの町。そしてお目当ての羽山第二隧道は高梁市の山中を貫く県道300号にあります。周辺は山深いエリアで、「酷道」ならぬ「険道」といえるルートとなりますのでそれなりに覚悟をしてのぞみましょう。
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地図を見るこの周辺の山地はカルスト地形が広がっており、隣接する新見市には「井倉洞」、「満奇洞」といった有名な鍾乳洞があることでも知られています。県道沿いにも石灰岩を削り取って作ったような道がいくつか見られるのが特徴的です。
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地図を見る羽山第二隧道があるのも、石灰岩が雨に削られてできた渓谷「羽山渓」と呼ばれる景勝地の一角なのです。
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地図を見る羽山第二隧道を紹介する際によく使われるのは、トンネル北側の入口。しかし南側の入口も、これまた普通のトンネルとは言い難いものなのです。オーバーハングした岩をかすめながら、まさに「穴」に突入していくような感覚です。
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地図を見るそして羽山第二隧道を語る点で外せないのは、素掘りのトンネルであるという点。中国地方の国道および県道に残る最後の素掘りトンネルとされていて、もちろん照明なんぞありゃしません!
道路幅は約3m、高さ制限は2.5mですので、普通の乗用車であれば問題なく通れるのですが、ゴツコツした素掘りの岩肌から放たれる威圧感に不安感をおぼえてしまうのです。
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地図を見るそしてトンネル北側の出口へ。この開口部を見ても、普通のトンネルとは思えない造形となっているので、何だかちょっと笑ってしまいそうになります。そしてちょうど出口付近には駐車スペースがあるので、付近を散策する場合にはここへ車を停めましょう。
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地図を見る羽山第二隧道の北側の岩壁は垂直に切り立っていますが、ここはロッククライミングのスポットとしても知られていて、遠方からわざわざ足を運ぶ人もいるのだとか。トンネルの入口で行われるロッククライミングという、相当シュールな絵柄が見られるのも羽山第二隧道の魅力のひとつ。
そして実はそれだけでなくこの北側入口は穴小屋(棲龍洞)という本物の鍾乳洞の入口もあるのです。鍾乳洞への入口が県道に面しているという一面も持ち合わせているトンネルなのです。
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地図を見る穴小屋は観光向けの鍾乳洞ではないため、内部の散策には懐中電灯が必須。内部は広い空間があるものの、入口は高さ1m程度なのでしゃがみながらの入洞となります。奥行は約100mほどあり、迷路状になっている洞窟になっています。奥でぐるりと一周して入口の脇にある出口に戻ってくるような形状となっています。
穴小屋の見取り図も入口脇に置かれていますので、内部を散策してみたい方はこれを頼りに行ってみてください。
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地図を見る羽山第二隧道は大正10年の開通。近代に入り車両を使った物流が始まり、そのルートを改善すべく新たな県道を整備する一環でこの隧道が計画。しかしこの大きな岩盤を人力で切削するのには約2年を要する難工事に。そして開通後は地域を支える道として活躍しましたが、その後に新しいルートが整備され交通量は激減し現在に至っています。
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なお羽山第二隧道の先には羽山第一隧道もあり、こちらも素掘りのトンネルだったものの出入口付近はコンクリートで補強がされていてそれほど見ごたえはありません。しかし羽山第二隧道は建設当時の姿を残す、昭和遺産ならぬ大正遺産ともいえる貴重なもの。その圧倒的な存在感、ぜひとも現地で感じてみてください!
住所:岡山県高梁市成羽町羽山
アクセス:岡山自動車道賀陽ICから約40分
2020年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/11/2更新)
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