橘丸は東海汽船が2014年6月より東京・竹芝―三宅島−御蔵島―八丈島航路で運航する貨客船。夜に東京・竹芝を出港し、翌朝三宅島、御蔵島、八丈島に入港。折り返し八丈島を朝に出港して再び御蔵島、三宅島に寄り、夕方東京に戻るダイヤです。東京・調布空港と三宅島との間に飛行機が運航していますが、橘丸には飛行機では体験出来ない見どころ付。特に大きな違いは船上からの景色と船内です。
橘丸では天候が穏やかな時にデッキへ出て外の空気を吸えます。船ならではの景色で最初のおすすめは夜にレインボーブリッジの真下を通る時間。橘丸は出港すると約10分で、レインボーブリッジの真下を通過します。その後羽田空港及び飛行機が離着陸する姿、東京湾岸の夜景を見ながら進み、東京湾の外へ。
東京発の三宅島入港時刻は5時頃。早起きして島影や島の明かりを見ながら到着を待つのは飛行機では経験出来ません。また初めて御蔵島近くを眺めるなら、島の海岸線が大変急である事に驚かされるでしょう。更に朝に着く八丈島付近では島北部の八丈富士や南部の三原山、北部の無人島・八丈小島などが入港を待っています。
また東京行きの便では、三宅島(写真)と御蔵島は昼に発着するダイヤ。東京発の便では季節によっては夜明け前に入出港しますが、東京行きは昼になるため明るく見通しがききます。島の姿をぜひ見ておきましょう。
東京行きの船上からは神津島、式根島、新島(写真)、利島、伊豆大島(以下伊豆5島)が徐々に近づいて離れていく姿が楽しめます。三宅島の西部や北部からも伊豆5島が見えますが、神津島、新島から近い所を航行するのでより鮮明です。伊豆5島に寄港する東海汽船の便とは違った角度からの景色を楽しんでみましょう。
橘丸は黄色と緑が主体の塗装で、商船の中では際立って目立つデザイン。デザインをしたのは、現在のサントリー在籍時にアンクルトリスを生み出し、退職後は船好きの画家として活躍した柳原良平氏です。商船三井、佐渡汽船、太平洋フェリーの名誉船長の称号を受けた氏は、特に東海汽船の高速船などのデザインを多く手掛け、橘丸では大型客船として初めて担当。現在東京に発着するフェリー、客船で氏がデザインしたのは橘丸のみです。
レストランと隣接するラウンジには彼が描いた橘丸物語(写真)が展示中です。船内にも柳原氏が描いた絵が点在していますので、探してみると面白いでしょう。
橘丸の船内の魅力といえば、余裕を持って歩けるほどの広さがあるほか、上等級客室はビジネスホテルと同様の部屋があります。広々としたベッドがある最上級・特等(写真)、シャワー付きの個室・特1等ならゆったりした旅が可能。なお特等、特1等はカードキーで開閉するのでセキュリティも安心。
2階、3階、4階にあるカーペット敷の2等(写真)は全席指定で、コイン返却式貴重品ロッカーが枕上に設置されているので安心して利用出来ます。なお2020年より船内の貸毛布は3階と4階にある貸毛布券売機で券を購入し、案内所で引き換える方式に変更されました。大きな荷物を持参した旅行者は4階にある荷物置き場を利用しましょう。比較的大きい荷物(大きさ次第では別料金)を客室に持ち込めるのも橘丸の魅力。また3階にはコインロッカーのほか、釣り客などにはうれしい冷蔵ロッカーもあります。
橘丸に大浴場はありませんが、3階に10分200円で利用出来るシャワールームが設置されていて便利です。またペットルームもあり、別料金を払ってペットを預ける事が可能。このほか、子供連れに便利な授乳室やキッズルームもあります。
橘丸にはレストラン(写真)が設置されており、カレー、うどん、そば、丼、つまみ、ソフトドリンク、酒のメニューがあります。東京諸島らしいメニューといえば、小笠原のパッションフルーツサワーやレモンチューハイ、三宅島の雄山一の水割りやボトルセット、そして明日葉カレーでしょう。窓側の座席で海を見ながらの食事もおすすめです。
なお橘丸には売店がありません。ジュース、アルコール、アイスクリーム、つまみの自動販売機が各階に設置されているほか、4階レストランの隣にはカップ麵の自動販売機があります。
三宅島で橘丸が接岸する港は、南西部の錆ヶ浜(阿古)港、北西部の伊ケ谷港、東部の三池港の3カ所。3港との間も車で最大30分程度かかりますので、特に乗船時には出帆港がどこになるか注意しましょう。
三宅島、御蔵島、八丈島の港の中で唯一土産販売と軽食があるのが三宅島・錆ヶ浜港。2013年にオープンした建物で「ここポート」という愛称が付いています。1階には当日出帆港に関わらず島土産を販売する観光協会の売店があるほか、2階には「サバサンドカフェ」があります。サバサンドカフェの名物・サバサンドは蒲焼のたれで漬けたサバの味が効いた美味しいサンド。なおサバサンドカフェは、錆ヶ浜港に東京行きの便が昼入港する時のみの営業です。
<東海汽船三宅島・錆ヶ浜(阿古)港の基本情報>
住所:東京都三宅村阿古672-3
電話番号:04994-5-0221
※サバサンドカフェ
電話番号:04994-5-0002
営業時間:11:30〜13:30
不定休、貨客船が錆ヶ浜港に昼入港する日のみ営業
八丈島で橘丸が出入港するのは、主要港の底土(そこど・島東部)港と、海況が悪い時に利用する八重根(やえね・島西部)港の2か所。こちらも両港との間が車で10分以上かかるので注意しましょう。底土港は2階に東海汽船の券売り場、3階には八丈町の交流施設、展望台があり、展望台からは八丈富士をはじめとした景色が遠望出来ます。乗下船時や八丈島観光中にぜひ立ち寄りましょう。
底土港、八重根港共にすぐ近くにあるのが海水浴場。両港共に透明度が高く、穏やかな日だと上から魚が見える事もあります。特に底土海水浴場(写真)は島で唯一の人工砂浜があるほか、少し沖にはサンゴ礁も。海水浴のほか、ダイビング、スノーケリングにも最適な場所です。
<東海汽船八丈島営業所(底土)の基本情報>
住所:東京都八丈島八丈町三根4184-1
電話番号:04996-2-1211
住所:東京都港区海岸1-12-2
電話番号:03-3433-1251
ターミナル開館時間(第一・第二待合所):
7:00〜22:00(22時以降に船の発着がある場合はその時間まで)
アクセス:
JR浜松町駅(北口)から徒歩8分
ゆりかもめ竹芝駅より徒歩1分
地下鉄大門駅より徒歩10分
※乗船券の予約・問い合わせ
東海汽船お客様センター
電話番号:03-5472-9999
電話受付時間:9:30〜18:00(毎日)
2020年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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